大きな大きな、一抱えもある金ぴかの聖書を恭しく持って神父さんらが入場。煌びやか過ぎる。さすが王宮。コーラスは有名なだけあって、やはり上手。教会とはきれいに響く造りになっているのだろう。ソロの声なんて美しすぎて、少年の顔が見たい…けど見えない。合唱は美しかったけれど、本当はミサであり、コンサートではない。宗教に関心のない私には、祈りの部分でやっていることがよく分からなかったので、やはり立ち見で充分だったと思う。
ところで王宮のミサなら、誰か王族の人が来るのかと思っていたけれど、そうでもない様子。観光客ばかりだったと思う。本当のところはどうだったのか?誰か教えて欲しい。
王宮を出て、ウィーン大学近くのベートーヴェンハウス(パスクァラティハウス)へ向かう。地図を頼りに近くまでは辿り着く。近くまでは。そしてお決まりの迷子となる。地図によると、この道沿いにあるはずなのだが??と同じところをぐるぐる。
周囲を見回すと、道路横に土手があり、土手の上を人が歩いている。その先には観光地マークの旗がぶら下がっている。あれだー。
アパートメントと同じ、ロの字型の建物。門をくぐると中庭らしき空間に出る。看板に沿って階段を上り、オーストリア式数え方で言う4階に受付がある。この部分だけが展示場になっており、他は一般住居みたい。この床を歩いたのか、このピアノを弾いたのかと、彼の足跡をたどっているようで嬉しくなる。自筆の楽譜も残されている。ワイルドすぎて読めないけど。
こうした自筆の楽譜を見るたびに思うこと。『音楽に長けた○○夫人は、できたばかりのベートーヴェンの楽譜を初見で弾いた』という話があったりするけど、それ本当?きれいに印刷されている楽譜ですら、初見は無理です、私。音楽家ではなくても、そんなツワモノがいたのか、と疑うやら感心するやら。