たけのこ新聞の事件簿

離婚をきっかけに、今まで心に溜めていたことを書いています。離婚、エコ、世間の常識(のようなもの)についての疑問などなど。

行くぞウィーン ひとり旅 11アパートメント②

2023年05月09日 | 旅行

その後、荷物をほどいて夕飯の買い物。駅前にBIOスーパーがあった。当たり前と言えば、当たり前だが、観光名所と違い、スーパーの中はすべてドイツ語。英語の注釈などどこにもない。商品ラベルの絵と片言のドイツ語を探して、商品を理解したつもりになる。

帰国までに食べきれる量を購入するつもりだが、どれも量が多い。ザワークラウトの瓶詰、ハム、チーズ、ズッキーニ、水とビール。水と酒が同じ棚に陳列してあり、白ワインなのか、水なのか??店員さんに英語で聞くも、不思議そうにされる。どちらも瓶容器だし、炭酸が入っているし、よく分かんないよ。レジに持っていくと、ベルトコンベアに載せて会計をする。コストコみたいな感じ。ユーロに慣れていないので、支払いと、商品の袋詰めを同時に素早くはムリ。後ろの客の商品が流れて来る前に、慌てて袋に放り込む。支払いも、コインを探す余裕なく、紙幣で。こんな調子で支払いをしていたら、あっという間に小銭持ちになりそう。部屋に戻ったら、コインの金額と形を覚えようと思う。後で知るのだが、ユーロのコインは、同じ額面でも発行国によって図柄が異なる。もちろん、コインは国をまたいで旅をするので、財布の中にいろんな図柄のユーロコインが混在することになる。ややこしいな。

 

ザワークラウトも、ハムもチーズも、そこにある中で小さいサイズを選んだが、それでも一人で食べるには多かった。毎日同じメニューで過ごす羽目になる。

野菜炒めとパン、チェリー、ハム、チーズで夕飯。冷蔵庫を開けると、バルサミコ酢ばかり何本も入っている。前の宿泊者の置き土産か。醤油がないのは当然として、油もない。塩はあった。味付けは塩のみ。油は、機内食の時に持ち帰ってきたあのバター!ほら、役に立った。と自分の手柄に自画自賛。

食後、シャワーを浴びて寝る態勢に入る。明日はシェーンブルン宮殿。アパートメントのオーナーは、確かここから歩いて行けると言っていた。調べてみると2駅くらい。


行くぞウィーン ひとり旅 11アパートメント①

2023年05月08日 | 旅行

部屋では、おばさまが設備の使い方(洗濯機やポットなど)を早口で説明する。聞き取るのに精いっぱい。支払いは現金のみの前払い。この日のために準備した、街では使えなさそうな高額紙幣で支払う。

おばさま、説明をしながら冷蔵庫を開けると、

「あら、洗剤がないわね。今から買ってきて、入れとくわね」

ビックリしたのは、冷蔵庫の扉だと思っていたその扉は、冷蔵庫と収納棚の兼用の扉。つまり、扉を開けると、冷蔵庫も、収納棚も開いてしまうのだ。これは、オーストリアの標準なのか??

 

すぐに洗剤をもって来てくれた。その洗剤の匂いがきついのに閉口する。洗剤を持参してよかった。夕方、シャワーの後に洗濯をするが、洗濯機のあまりの大きな振動に慌てる。真下にはオーナー一家が住んでいるので、文句を言われないかドキドキ。洗濯機を一時停止して、朝に再度運転する。

部屋は広く、2段ベッドとベッドにもなるソファーまでついている。広くて喜んだのもつかの間…もしやほかの誰かと相部屋なんて言われないだろうか??そんな話を聞いたことあるぞ、と思い、泊まるのは私一人か確認する。今回は私一人で泊まるが、本来は4人部屋だそう。うちより広い部屋に、嬉しいけど、落ち着かない。ベッドも使い散らさず、下の段だけ使う。

 

オーナーは、私が日本人と知ると、近所に日本人が住んでいると言って、その場で連れて来てくれる。音楽を学んでいる学生さん。私は面食らってしまうが、連れてこられた学生さんは、もっと面食らっていたことだろう。それでも、親切に話し相手になってくれる。

 


行くぞウィーン ひとり旅 10リンク⑤

2023年05月05日 | 旅行

地下鉄に乗っていざ、アパートメントへ。目指す駅も住所もばっちり。グーグルマップで周囲の様子も建物の外観も確認した。たとえスマホが使えなくたって、へっちゃら。昨日みたいに、迷って泣きそうになることはないはず。

 

駅に着いてみると、さて、方角が分からない。予想通りスマホも使えない。地図をひっくり返しながら歩き回る。あっちに向け、こっちに向け、現在地と目指す方角を合わせようとするのだが…あれ?目指す建物は駅の真ん前のはずなのに、やっぱり迷った。事前に調べたのとよく似た建物はあるのに…というか、似たような建物だらけ。建物の見当をつけて向かってみるが、入り口が分からずウロウロする。暗くなってくるし、人通りもなく、不安しかない。昨日の夕方が思い出される。

入り口ゲートは見付けるが、住所は全く違うものだった。建物をぐるり一周めぐると、同じ建物の反対側にもゲートがあった。多分ここ?もう一時間以上も歩いたか。初めての通行人(!)のおばさまをつかまえて聞いてみる。ここで合ってた!

でもゲートにはアパート名の表札がない(昨日の経験から、アパートメントの看板はないよなあと思ったけれど、まさか表札すらないとは思わなかった)。ドアにも鍵がかかっている。ドアの前で困っていると、さっきのおばさまがやって来てくれる。

「どうしたの?」

「どうやって入るのか分からない。スマホもつながらないから電話できない」

親切にも電話をかけてくれるが、つながらない。

「この番号、違ってない?」

ガーン。打ちのめされていると、ゲート内側から人が出てくる。早速おばさまが尋ねてくれる。ここから先はドイツ語なのでよく分からなかったが、その様子からこんなやり取りだったに違いない。

「ここにアパートメントはある?」

「ああ、あるよ」

「この人がそこに行こうとしているらしいんだけどね、入れなくて困っているのよ」

「よし、案内してやろう」…とかなんとか。

内側から出てきたおじさまが、ジェスチャーで付いて来いと言っている。おばさまにお礼を言って、中に入る。ロの字型の建物の真ん中の、公園のようなスペースに何人もがおしゃべりしている。その中の一人が、アパートのオーナー(おじさま)だったみたい。今度はオーナーに、建物の中へ案内される。建物内では、オーナーのおばさまに導かれてようやく部屋にたどり着く。

昨日同様、建物のごく一部の部屋だけがアパートメントで、他のほとんどは普通の賃貸住宅らしい。

 

私はまるでリレーのバトンのように、いろんな人に助けられながら宿までたどり着いた。昨日同様、部屋と布団に感謝する。そして、何人もの人たちに助けられてここまでこれたこと、ありがたいし、嬉しい気持ちでいっぱい。


行くぞウィーン ひとり旅 10リンク④

2023年05月04日 | 旅行

まだ時間があったので、ウィーン少年合唱団の舞台(と言っていいのか?)、王宮の礼拝堂を下見する。広いなー、王宮。大きいけれど、迷うことなく辿り着く。これなら明後日、来るときも大丈夫。

オペラ座へ向かう。途中、観光客にコンサートチケットを売りつけようという客引き(というのか?)に、そこらじゅうで声をかけられる。面倒なので、適当に無視する。気温の高い日だったが、貴族のような暑苦しい格好で客引き。ちょっと同情する。

オペラ座ガイドツアーは、大混雑。言語ごとに少しずつ時間がずれていたと思うが、チケット売り場はいろんな国の人が入り混じって、ごった返す。鞄を胸にしっかり抱えながら並ぶ。日本人は20人程度だった。たまたま(?)大道具を作ってセットしている日だったらしく、雑然とした裏側。有名な玄関口の階段や、休憩中に飲食できるロビー、皇帝の間(偉い人のサロン的な部屋?)など、贅を尽くした空間に満腹感を覚える。そんな私は根っからの貧乏性。

ちなみに皇帝の間は、一般貸出もしているらしい。20分で70,000円(当時)也。借りて何に使うんだろ?結婚式とか…そのくらいしか思いつかない。

客席にも案内される。立ち見の場所も、良い場所を選べば結構舞台が見えそう。安い席だと舞台が見えないと聞いていたので、ツアー終了後、ガイドさんをつかまえて、どの程度の席ならしっかり見えるのか聞いた。しかし、こういう質問には答えにくいのか、はっきりしなかった。

さあ、ホテルに荷物を取りに行き、2つ目の宿となるアパートメントへ。ホテルの荷物置き場には、私の荷物一つがポツンと残っていた。荷物は特に確認されることもなく、会釈一つで持って出た。セキュリティ、大丈夫?

電車の72時間チケットを購入し、改札へ行く。日本のようなゲートにはなっていない。誰でも勝手に入れる。一応、抜き打ちで切符の確認はあるらしいが、旅行中一度も遭遇しなかった。

 


行くぞウィーン ひとり旅 10リンク③

2023年05月03日 | 旅行

モーツァルトハウスの、とある一つの窓。ここから見える景色が、当時と変わらないと聞いた。本当かどうか分からないが、その窓に佇む。石畳に、当時と変わらない建物がならんでいる。見下ろすとごみ収集車…。

あー、これは違う…けども、ごみ収集車も含めて写真を撮る。

事前に、彼の曲を日本で聴いたり伝記を読んだりしたけれど、実際にモーツァルトが弾いたとされるピアノを見たり、楽譜が残されていたり、衣装が並んでいると、本当に生きていたんだと感動する。ここの空気を吸って、この床を歩いたんだ。わざわざ来なくても、実在の人物であることには変わらないのだが、ここにきて目や耳、心を研ぎ澄ますと、彼の存在の影を身にまとっているような気がするから不思議だ。

展示物の注釈は独語と英語のみ。読むのにひどく時間がかかってしまい、モーツァルトハウスを出たのは昼過ぎ。しばらく現実に戻れずボンヤリ。

さて、昼ご飯どうしよう?

レストランに入るのはちょっと怖い。予算は妥当?メニュー読める?チップは?と、ウロウロ。スタンド式のファストフードらしき店。ここならチップはいらないか?ウィンドウに、商品と値段がついている。薄いクレープ生地にサーモンと野菜がまかれた様なもの。水も買う。

外のテーブルで遅い昼ごはん。奥には普通のレストランも併設されている。外国人だらけの通りを眺めながら食べる。いつもより量は少ないと思うが、気持ちが高ぶって、空腹なのか満腹なのかよく分からない。

この後、ベートーヴェンの家に行くつもりだったけれど、オペラハウス、ガイドツアーの時間にかかりそうなので、断念。でも中途半端に時間があったので、スワロフスキーグラスのお店(直営店)を覗いてみる。お店だけでなく、ちょっとした展示もしている。煌びやか過ぎて『いつ・誰がこんなネックレスをつけるの?』という感じ。シャンデリアも並べられていて、きれいなんだけど、どうやって掃除をするのかと現実的なことを考えてしまう。

 


行くぞウィーン ひとり旅 10リンク②

2023年05月02日 | 旅行

チェックアウトをする。受付で荷物を預かってほしいと伝えると、

「そこに置いといて」

日本のホテルみたいにネットをかけたり、別室で預かってくれるわけではない。名札も何もなしで、受付カウンターの下、それもカウンターの外側にいくつも並べられているスーツケース。えー、誰かに勝手に持ち出されるかもしれないじゃん!!適当だなあ。心配しつつそこに置かせてもらって、今日の目的地の一つ、モーツァルトハウスへ。彼が2年半ほど暮らしていたところだそうな。有名な話なので知っている人もいると思うが、彼はとても金遣いが荒かった。当時の収入の一般的な一覧が展示してあった。こんな感じ(抜粋)。

Prince 王子  100,000フロリン そもそも給料があるの?

Court 裁判官 20,000~50,000フロリン

Lesser nobility 下級貴族 10,000~20,000フロリン

Mozart モーツァルト  3,000~4,000フロリン

Hydon ハイドン    1,000フロリン

middle-ranking civil servant 中級公務員 300~900フロリン

elementary school teacher 小学校教師  120~150フロリン

maid メイド  30フロリン

うーむ、かなりの高給取り。その上での、借金生活。私の感覚とは違うというか、金銭感覚がない世界の住人だったんでしょうかね。音楽だけでなく、刺激的生活をしていた(社会生活から逸脱していた?)という逸話やお墓の謎など、たくさんの置き土産を残して去っていったモーツァルト。分からないからこそ、どんな人物だったのか想像が膨らむ。


行くぞウィーン ひとり旅 10リンク①

2023年05月01日 | 旅行

翌日の朝(2日目)、快晴。5月にしては暑いくらい。廊下の足音で目が覚める。気になってドアから様子を伺おうとすると、あらら、鍵が開いてる。昨日、施錠もせずに寝てしまったらしい。無事で良かった。

着替えて階段を降り、フロント奥の食堂へ行く。バイキング形式で、シリアル、チーズ、ハム、パンなど。チーズは、まるでトムとジェリーに出てくる穴あきチーズ(!)の薄切り。チーズ好きの私は、ワクワクして数枚皿に盛る。むーん、思ったような味ではない。チーズと言うより練り物みたい。ジェリーはあんなにおいしそうに食べていたけれど…最初からたくさん取るんじゃなかった。ハムも、日本の物とはちょっと違う風味。何でも経験だと思い、少しずつ試してみる。昼ご飯をレストランでうまく注文する自信がないので、朝ご飯をこれでもかとお腹に詰め込む。隣には日本人らしき観光客(日本語のガイドブックを持ってる)。こんなに小さなペンションにも、日本人がいる。

 

満腹すると、散歩に出る。部屋の鍵と建物全体の鍵が兼用になっている(と、昨日英語で説明を受けたが、心もとない)らしい。郵便局で友人にカードを送る。興奮のせいか住所も手紙も、ひどい文字。住所は日本語で書いて、窓口で「Japan」と告げ、郵送料と、カード代金を払う。片言の英語。

後から聞くところによると、その葉書き、Japanとも何も書いてなくて、日本語住所の表書きだけで届いたそうな。友人にしたら、本当にウィーンから送ったの?という感じだろうね。笑ってしまった。

 

その後スーパーマーケットへ。店頭の目立つ所に、大パックのアメリカンチェリーが山積みしてあった。安かったけれど、一人で帰国までに全部食べられるだろうか?今日の夕方に次の宿へ移動するが、それまで室温に置きっぱなしにして大丈夫かな?買わない理由を考えるが、私の口は、もうチェリーの口になっている。夕飯用にパンとチェリーを買う。その他、土産になりそうな食品に目星を付ける。スーツケースにあまり空きスペースがないので、ウィーン版クノールカップスープとチョコレートあたりに決める。後日どこかのスーパーで買おう。宿に戻って荷物をまとめる。

今日の予定は、リンク周辺の観光。リンクとはウィーンの中心街で、観光スポットがギュッと集まっている。もちろん観光スポットを巡るつもりだが、街を歩くだけでも新鮮。ごつごつした石畳、重厚な建物、歩いても歩いてもそれが続く(だから迷う)。