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ヤブラン

2016-10-03 23:31:06 | フラワー・園芸

常緑の細葉で庭を彩り、夏から秋にかけて可憐な薄紫色の花を付ける、ヤブラン"Liriope"。

ユリ科(キジカクシ科)の多年草。

リュウノヒゲやミスカンサス,ベアグラス等と共に、細葉を楽しむために庭に植えられるが、

この時期に咲く淡い色の花も魅力的で、うちの庭でこれが咲くといよいよ秋の到来を感じる。

常緑で強健、害虫や病気にも強く、そのうえ夏の暑さにも乾燥にも強い。

日当りが悪くても育つので、樹木の株元や生け垣の下に植えられていることが多い。

 

 

右:福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて

 

葉っぱはミスカンサスやオリヅルランによく似ている。

緑と斑入りのものがあり、花色は紫~白と濃淡がある。

つぼみの段階ではブドウの房のように見え、春に咲く花、ムスカリにもよく似ている。

そのため、"サマームスカリ”という別名もある。

花が終わると、小さな丸い実を結び、熟していくうち青から黒色に変わりゆく。

その姿もまたブドウによく似ている。

 

 

ヤブランの実

熟す前に小鳥に食べ尽くされることが多い。

 

ほったらかしでも成長し、年々株が大きくなってゆく。

痩せた土地でも成長するが、大きくしたいならば肥沃な場所に植えた方がいい。

葉っぱの美しさを保つには、春にばっさりと刈り込んで古い葉を処分し、

新しい葉と入れ替えて茂らせるのがベターらしいが、

そんなことやったことがないが、うちのヤブランはいつもきれいだ。

まあ、刈り込みを行うことで、さらに美しくなるのかもしれない。

病害虫には強いけれど、たまに葉に錆が付いたように汚れることがある。

カビが原因で起こる、さび病という病気。

これにやられた葉は元に戻ることはないので、株元から切り取るしかない。

 

 

ふくち山麓はな公園にて

 

洋風よりも、もっぱら和風の庭で植えられることが多く、

シダやツワブキホトトギスなんかとよく共演しているのを見かける。

石垣の隙間なんかにもよく植えられていて、

水流のある石垣などでは、すごく風流で趣がある。

乾燥にも耐性のある植物だが、本来、湿気を好むらしく、

水のある場所やうっそうとした日影に植えられているのも絵になる。

 

 

花のアップ。

 

地植えが基本だが、たまに寄せ植えの花材として、ヤブランが植えられているのを見かける。

鉢植えだと、乾燥に弱いので放任というわけにはいかないので注意が必要。

まあ寄せ植えの他の植物の手前、ちゃんと水やりはするだろうが、

もしヤブラン単独で鉢植えにした場合は、水やりに注意しなければならない。

耐寒性もあり、関東以西ならば冬越しできる。

ただ、霜が当たると葉が傷むことがあるので注意が必要。

軒下や樹木の株元など、霜が直接当たらない場所ならば心配いらない。

 

 

 

夏の終わりから花姿を楽しませてくれた、我が家のヤブラン。

すっかり花穂が少なくなって寂しくなってきた。

ヤブランの花が完全になくなると、朝夕は半袖だと厳しくなってくる。

いよいよ秋が本格化する。

冬が過ぎ春になると、よく似たムスカリが変わりに花を咲かせてくれる。

ムスカリの花が終わり夏が来たら、今度はまたヤブラン。

花ひとつ取り上げて季節のサイクルを考えると、時が過ぎるのが早く感じてしまうな・・・。

 

 

 



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