夏から初秋にかけて花壇で楽しめる花、ペンタス“Pentas lanceolata”。
アカネ科の多年草で、サンタンカを小ぶりにしたような花。
生育旺盛で育てやすく、長い期間 楽しめるので人気の花。
サンタンカが庭木花として、庭に植え付けられるのに対して、
ペンタスは草花として花壇や鉢に植えられる。
多年草なのだが、アフリカ原産で寒さに弱い個体もあり、
たいてい一年草扱いとして販売されている。
福岡では3月くらいから店頭に並びはじめ、春から晩秋まで長く花を咲かせ続けてくれる。
アジサイのように、枝の先端に半球状に小さな花をたくさん付けて次々に咲く。
花は1~2cmくらいと小さく、正面から見ると星形で、
側面からみると、ユリを小型にしたような形。
尖った5枚の花弁が開く。
名前の由来はこの花弁の数、ギリシャ語の“5”のペンタからきている。
側面から見ると小さなユリの花のよう。
生育は旺盛で、ぐんぐん大きく成長するのだが、
肥料が乏しくなると、だんだんと徒長して葉と茎ばかりになり、花穂が少なくなってくる。
美しい状態を維持したまま株を成長させるには、
こまめな花がら詰みと、枝の切り戻し、追肥が必要である。
次々と花が咲くが、花がらをそのままにしておくのは見苦しい。
つまんで取るか、ふるい落とすといい。
病気にはなりにくいが、梅雨時期や過度な水やりが原因で、
葉の表面に黒い斑点が出ることがある。
カビが原因の黒斑病の類で、ならないように予防するしかない。
枝単位で発病した場合はそこを取り除けばいいが、
株全体がこうなると見苦しくなってしまうので注意が必要。
湿気には弱いようで、茎が溶けてしまうこともあるので、
植える土の水はけは良くして、風通しの良い場所を選びたい。
病気には強い反面、害虫の被害に遭いやすい。
風通しが悪く湿気が多いと、カイガラムシやハダニにやられることがある。
だがそれよりも驚異なのが、バッタやイモムシによる食害だ。
美味しいのか、けっこう大胆に食べられ、
大きなイモムシ数匹にたかられると、アッと言う間に茎と太い葉脈だけにされたりする。
もうすぐ10月、寒い地方ではもうペンタスの時期も終わりだが、
温かい地方では、まだまだ11月中旬くらいまでは育てられる。
冬・春花が園芸店に出そろうまでのこの時期、もうしばらくは花壇を楽しませてくれる。
夏花がくたびれて花壇が寂しくなった時期、
切り戻しをして、再度ペンタスを咲かせて、繋ぎとして利用するのもいい。
ペンタス
福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて。
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