※本記事、“チェリーボーイズ”には、下品で卑猥なワードが多々あります。
これらが苦手な方は、読まれる際ご注意ください。
先日の休みに映画を観てきた。
林遣都主演のコメディ、“チェリーボーイズ”だ。
映画オリジナル脚本。
キャッチコピーは、“卒業したいだけなんです・・・。 男3人ズッコケ性春大作戦!?”。
タイトルで判るとおり、「童貞」を題材にしたコメディ。
まったく注目すらしていなかった作品だけど、予告編を観たのがいけなかった・・・。
いろんな作品で演技が巧いなあ~と思っていた林遣都が主演。
これまで観てきた役が、モテモテ好青年役ばかりだったのに、さえない童貞役?
童貞3人組のうちには、じわじわ来る俳優、前野朋哉くんも。
しょうもなさそうだったけれど、面白そうじゃないか!
というわけで公開されてすぐに鑑賞に臨んだ。
実家の都合で東京から戻って来た国森信一(通称:クンニ/林遣都)、
地元で久しぶりに親友らと再会する。
市役所に勤める吉村達也(通称:ビーチク/柳俊太郎)と、
パチンコ店に勤める高杉誠(通称:カウパー/前野朋哉)。
3人は学生時代、いつもつるんでいた親友だ。
だが、3人とも25歳になっても未だ童貞だった。
ビーチクは乳首にコンプレックスを抱えており、人前で裸になれない。
そのコンプレックスもあって、女性との交際ができないでいた。
カウパーは内気な性格で、また容姿にもコンプレックスを抱いていたため、
これまで女性に対して積極的になれないでいた。
そんなさえない二人に対し、クンニは見栄をはる。
「まあ、やろうと思えばやれたんだけどな・・・。」
上京してバンド活動をやり、そこそこ売れて、
今や有名アーティストに楽曲提供までしているというクンニ。
ビーチクとカウパーにとっては、クンニは眩しく誇らしい親友だった。
そんなクンニもまだ童貞だと知って、驚くものの安心するふたり。
実家に戻って家業である酒屋の手伝いをはじめるクンニ。
体を悪くして寝込んでいる父親に代わって、配達や御用聞きに回る。
その途中、とんでもない美女に出会う。
ロングヘアーにタイトなミニスカート、真っ赤なジャケット。
その美女がクンニの元にやってきて、「いくら?」と、ビールを一本購入。
その場でおもむろにラッパ飲み。
飲み干すと開きビンを渡して去っていった。
呆気にとられるクンニだったが、同時に美女にひと目惚れしてしまう。
配達にかこつけて、その美女のリサーチを開始するクンニ。
こっそり尾行し、勤務先や、住んでいるアパートまで把握する。
そんななか、美女に見つかってしまうが、とっさの言い訳からの成り行きで、
この美女のアパートへ、ビールを定期的に配達することに。
美女の名前は釈笛子(通称:フェラ子/池田エライザ)。
東京で風俗嬢をやっていて、戻って来ても売春行為しまくりという噂のビッチだった。
そんな糞ビッチなら・・・やらせてくれるかもしれない!
元より見栄っ張りな性格が災いし、
焦燥感にも駆られ、貞卒に躍起になっていたクンニ。
「レイプは犯罪だが、相手が糞ビッチなら許される!」
めちゃくちゃな自己解釈で、童貞卒業のために、フェラ子をレイプすることに決める。
だが、見栄っ張りで大口は叩けど、
それを一人で実行する勇気なんてあるわけがない。
ビーチク,カウパーの親友二人にも計画を持ちかける。
「犯罪を犯してまで童貞を卒業したくない!」
そう反論するカウパーだったが、
「俺達はこのままじゃ一生クズのままだぞ!!」
クンニに諭されて、嫌々納得してしまう。
こうして三人で、フェラ子レイプを決行することに。
はたして童貞三人の計画はうまくいき、晴れて卒業することができるのか?
・・・。
クッソつまんなかった。
ただ下品でしょうもない作品。
ここ数年でもトップに入るくらい。
笑わせようとしているのだろうが、まるで笑えない。
劇場にはシニアばかりが数十人。
自分がいちばん若いくらい。
序盤からフェラチオシーンやアダルトDVD鑑賞シーンに、オナニーシーンの連続。
どんな思いでこの作品を観ていたのだろう。
開始数分で、横にいたババアが大いびきをかいて眠りだした。
ふつうの映画ならば、たまりかねて注意したかもしれないが、
それを容認してしまうくらい、しょうもなかった。
パンフレットやチラシに、
“愛すべき童貞たち”
“バカバカしくて愛おしい”
などと書かれていたが、まったくそんな気が起きない。
主要キャラ、誰ひとりにも共感を覚えない。
脚本家と監督、童貞を小バカにして適当に描いた作品にしか思えない。
本当にその年齢まで童貞だった者の心理がまったく解っていない。
自分も恥ずかしながら、いや、25歳よりは前に卒業はしたけれど、
一般的には遅いといわれる、二十歳を過ぎてのことだった。
街中でカップルを見れば、シングルの自分がいたたまれなくなり、
いざクリスマスだ、バレンタインだって日にゃ寂しい思いもしたし、
焦燥感や劣等感を抱いていたのは確か。
だが、劇中の三人のようにはなりゃしない。
とはいえ、この映画は所詮コメディ。
リアリティを追求したわけじゃなく、面白おかしく誇張しての作品だろう。
なので、つまんなかったとはいえ、そういう部分で難癖付けるのはナンセンスかもしれない。
ただ、もうちっと共感できるような、クスッっとでもいいから笑える部分が欲しかった。
作品自体はつまらなかったものの、俳優陣の演技は素晴らしかった。
主人公クンニを演じた林遣都は、とんでもなく嫌なヤツを見事に演じた。
見栄っ張りで大口ばかりで、卑屈で卑怯・・・もう終始嫌な主人公。
これまでの好青年orワルモテイメージが吹っ飛んだ。
カウパーを演じた前野朋哉は、まんま気の弱そうな童貞で面白かった。
そういや、彼だけはちょっと共感できる部分があったかな。
好きな女性が使用したタオル、さすがに口に含みはしないが匂いを嗅ぐのは解る。
でも、もったいないな・・・きっと彼女も好意を持ってくれていはずなのに。
劇中、同僚のかわいい女性といい感じになるのだが、
子どもが居て処女じゃない・・って理由だけで諦めてしまう。
相手はどう見てもシングルマザー、脈は充分にあったと思うんだけどなあ。
短絡的な物の考え方と、諦めの早さは童貞たる所以かも。
もうひとり、ビーチクを演じた柳俊太郎。
彼のみ知らない俳優さんだったが、普通にしていればすらっとしたイケメン。
だが、根暗な雰囲気に、常におどおどとした演技は良かった。
モデルもやっているということで、素でイケメンなのは当たり前か。
地元のガキ大将(大人になっても)にいじめられ続け、
その彼女を相手に、無理矢理 貞卒させられそうになったシーンは笑った。
そうだった、笑ったシーンあったな!
マドンナである、フェラ子を演じた池田エライザちゃん。
トリガール!で、そのキュートな役に惚れちゃったのだが、
180°異なる、糞ビッチ役。
フェラしまくって金稼ぐ。
その反面、ひとりの男に一途で手作り料理を届けたり・・・。
こんなトンでもない女居るかよ!
いくら容姿端麗でも、惚れられた男の方もこんな女嫌だろうよ。
ビーチクをいじめ続ける、地元のガキ大将を演じた、石垣佑麿。
田舎町にいがちな、いきがっている若者、おるわこんなやつ・・・。
コイツもとんでもないキャラクターだったけれど、
標的の3人があれだけに、なんだか憎めないキャラクターだった。
でもって顔演技がたまらなく巧い。
フェラされてるときの恍惚の表情、エモノ(ビーチク)をみつけたときのギラギラした野獣の表情。
本当に巧かった。
まあまあ、人をかなり限定する作品。
コメディ好きだし、くだらないのも好きだけど、
それでも自分には合わなかった。
ただただ下品な作品。
下品といえば、テッドが思い浮かぶが、
あっちは設定からしてぶっ飛んでいるためか純粋に笑えた。
間違ってもカップルや夫婦なんかで観るべき作品じゃない。
観るときはひとりじゃなきゃいけない。
童貞が観ても、共感できて笑える部分はほとんどないだろうし、
若い頃からヤリチンだったモテ男くらいしか楽しめないかもしれない。
そんな残念な作品。
横の席のババアは、けっきょくラストのスタッフロールまで大いびきで爆睡していた。
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