よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

サバイバルファミリー

2017-03-24 01:03:39 | 映画

先日の休みに映画を観てきた。

小日向文世主演のコメディ、"サバイバルファミリー"だ。

ウォーターボーイズスゥイングガールズなどの矢口史靖監督最新作。

矢口監督のオリジナル作品で、原案と脚本も手がける。

キャッチコピーは、"電気消滅!生き残れ、家族!!"。

 

 

これまで矢口監督作品はすべて鑑賞している。

小ネタがふんだんに散りばめられたコメディ、だけど どこかシリアス。

そんな作品が好きで、どれも何度観ても飽きない。

そんな矢口監督の最新作。

今回は家族が主役!

しかも電気がなくなった現代社会でサバイバル!?

これは間違いなく面白いはず。

公開されて間もなく観に行った。

 

 

 

都内のマンションで暮らす平凡な一家。

サラリーマンの父、鈴木義之(小日向文世),専業主婦の母、光恵(深津絵里),

大学生の長男、賢司(泉澤祐希),高校生の長女、結衣(葵わかな)。

ある朝、鈴木家に異変が起こる。

 

目覚まし時計が鳴らない。

慌てて起きる義之。

家の時計もすべて止まり、携帯電話も電源が切れていて、何時なのか判らない。

台所では光恵が慌てる。

冷蔵庫も炊飯器も電子レンジも、電化製品がすべて使えない。

停電のようで、照明も点かない。

 

ふつうの停電じゃない。

コンセントの電源のみならず、電池もすべて切れてしまっている。

時計類はじめ、スマフォや携帯電話、ノートパソコンも。

外に出てみれば、エレベーターも停止している。

高層マンションの非常階段で一階まで降りる住民たち。

あちこちで車が停車したまま動かない。

自動車のバッテリーもストップしてしまっている。

駅に行くと、当然、電車もストップ。

 

 

徒歩で会社へ辿り着くと、数人の社員が待機状態。

パソコンが使えないから仕事にもならない。

結衣も学校へ来たものの、やはり生徒も教諭も大多数が出校できておらず、

授業ができずに自習状態。

賢司は埼玉まで行ってみたが、やはり電気が停止していた。

光恵は近所のスーパーへ買い物に。

停電がいつまで続くか分からない。

ロウソクやミネラルウォーター,レトルト食品などを買い込む。

 

ロウソクの灯りでレトルト食品を食べる一家。

大量の書類を家に持ち帰り、仕事をする義之。

スマフォもパソコンも使えないので退屈な賢司と結衣。

しかし、夜が明けても電気は復旧しない。

ポンプが稼働しないため、水道も停止。

トイレが流せなくなり、洗濯も入浴もできない。

飲料水も確保しなければならなくなった。

 

 

電気がストップして、3日,4日・・・そして一週間。

どんどんとマンションから脱出をはかる住民たち。

水を確保できる地を目指して皆、荷物をまとめて歩いていく。

鈴木家もマンションを出て、光恵の実家がある鹿児島を目指すことに。

噂によると、大阪から西は電気が使えるらしい・・・。

 

 

ATMが使えない。

買い物にクレジットカードも使えない。

家族でありったけのお金をかき集め、食料と飲料水。

そして最低限の着替えをかばんに詰めて、自転車で羽田空港を目指す。

途中、さまざまな光景に出くわす。

ペットボトルの水が1本2,500円で販売されていたり、

米屋には物々交換で米を求める人の列ができていたり。

 

 

なんとか羽田空港へ辿り着く鈴木一家。

しかし、当然のことながら飛行機は飛んでなく、空港は閉鎖。

殺到していた客の一部が暴徒化し、警官と衝突し大騒ぎ。

ここから一家は自転車で鹿児島を目指すことに。

鹿児島とまでは行かなくとも、電気が通っているらしい大阪まででも・・・。

 

 

高速道路を使って、一路西を目指す。

初めての野宿。

水を盗まれたり、真っ暗なトンネルで引き返したり、

暴風雨にさらされて、大切な食料を失ったり、

サバイバル生活を優雅に過ごす一家に出会ったり、

キャットフードを食べ、バッテリー補充液を飲み、

そうして、なんとか大阪にたどり着くのだが、

そこもまた東京となんら変わりない、電気が消滅した世界だった・・・。

 

 

けっきょく自転車で鹿児島を目指す。

だが、ここから先、さらなる試練が鈴木家を待ちかまえていた。

ときに衝突し、ときに助け合い、ときに泣いて、時に笑い、

電気が消滅した世界で、サバイバル力ゼロの鈴木家の想像を絶する旅が続く―。

 

 

おもしろかった。

いつものごとくツッコミどころは満載なんだけど、

矢口監督作品は細かいことは抜きにして、純粋に笑って楽しまなきゃ損。

あちこちから笑い声が絶えなかった。

 

 

しかしこの一家、色々と残念過ぎて笑える。

車も電車も動かない時点で、飛行機も無理だとなぜ気付かん?

結果、米と自転車ゲットしたけれど、なぜウイスキーを持ってきた?

雨で増水した川をむりくり渡ろうとするなよ。

車窓から投げ捨てたカツラで、もうひと笑いくれると思っていたが期待はずれだった。

おっと、これは監督への残念だ。

  

 

小日向文世の、口だけ偉そうなダメ親父っぷり。

深津絵里の、のんびり天然母さんっぷり。

泉澤祐希の、どんくさそうに見えてしっかりした青年、

葵わかなの、今どき女子高生がたくましくなってゆく様、

視点を変えると、この一家の成長物語でもある。

 

 

スマフォや携帯電話がそこらじゅうに捨てられている光景、

それらありきで生活が成り立っているような現代社会を、暗に批判しているようにも捉えられる。

加えて電話やパソコン、ATMなどが使えなくなれば、仕事もなにもできなくなり、

テレビにラジオ、ネットが使えなくなると、噂話でしか情報が得られなくなる。

車やバイクが動かなくなれば、動きが制限されてしまうし、

電気に連動して、ガス,水道などのライフラインもストップすると、日常生活すらままならなくなる。

今現在の生活が、いかに電気頼りであるのか思い知らされる。

 

 

もしこのような事態に陥ると、真っ先に影響を被るのは生活弱者。

劇中でも序盤に老婆が亡くなってしまう。

乳飲み子のミルクを作るため、ミネラルウォーターを盗むお父さん。

盲目であることを逆手に稼ぐひとたち。

コメディではあるけれど、この辺は割とシリアスに描かれている。

 

 

矢口監督作品のファンならば、今作も観ておくべき。

最初いけ好かない感じだった葵わかなちゃん、だんだんと可愛くなっていく。

小日向文世と深津絵里も上手いし、初めて見たけれど泉澤祐希くんもいい感じ。

豚肉の燻製が美味そうだった。

「ヘッタクソじゃのう!」って言ってた、大地康雄さんの岡山弁の方がヘッタクソじゃのう!

・・・といっても、岡山弁は馴染みないんだけどね。

広島弁とは違うじゃろうけぇ、あれはあれでえがったんかいの?

 

 



コメントを投稿