福岡県直方市 福智山ろく花公園にて。
以下の写真、切り花以外すべて同場所にて撮影。
夏に存在感を見せる豪華な花、ユリ。
そのなかでも開花期が早いうえに長く、小ぶりで育てやすく花付きの良いユリ、
スカシユリ“Lilium maculatum”(透百合)。
原種の本来のスカシユリは浜辺や海岸沿いに生えるが、
古くから日本でも海外でも品種改良が盛んに行われ、
今日では近縁種と交雑されたハイブリッド種が無数にあり、
純粋なスカシユリでないものも、総じてスカシユリとして流通している。
秋に園芸用に球根が出回る。
カサブランカなど、大型のユリと比較すると小ぶりで価格も安い。
色もスタンダードな黄色やオレンジに加え、白やピンク、グリーンなどもあり、
育てやすさも相まって、ふつうのユリよりもたくさんの種類が売られている。
逆に鉢植えは、ふつうのユリの方が多く売られる。
スカシユリはテッポウユリは、あまり鉢植えでは見かけない。
秋に植えられたスカシユリは、5月には芽を出してぐんぐん伸びる。
福岡で、早ければ5月下旬には花を咲かせ、7月の中旬頃まで花を咲かせ続ける。
花が終わったらすぐに、子房を摘み取って、球根が痩せてしまうのを防がなくてはいけない。
花がすべて終わった後も、葉と茎は育つので株はそのままで。
地植えの場合は、そのまま植えっぱなしで年々増えてくれる。
ユリの球根は乾燥に弱いらしく、チューリップみたく掘り起こしての保存は難しいとか。
夏のこの時期、畑の片隅や民家の庭先、
整備された公園などでも、明るいスカシユリが並んで咲いているのを見かける。
横向き、あるいは下向きに花をつけるユリと異なり、スカシユリは真上に花を咲かせ、
太陽に向かって真っすぐ咲く姿は見ていて気持ちがいい。
とくに黄色やオレンジ色のものは、夏の日射しに負けないくらい明るく輝く。
左:切り花のスカシユリ
右:雄しべのアップ、この花粉が衣服などに付着すると厄介
切り花としても人気で、ユリと比べ安価なため、スカシユリは重宝される。
とくにお盆の時期、リンドウやケイトウなどとともに人気の切り花。
ただしユリと比べ花弁がとても脆く、ちょっとした力ですぐにはがれ落ちてしまう。
スカシユリの名前の由来がこれで、満開の花弁の付け根に隙間があり、向こうが透けて見えるから。
ハイブリッド種のなかには、密になっていて隙間がないものもある。
なるべくつぼみの状態で購入し、開花した後は丁寧に扱いたい。
ユリに共通することだが、雄しべの花粉は厄介で、衣服に着くと取れなくなる。
花束やアレンジメントに使用した際、花粉がはじける前に摘み取ってしまう方がいい。
ただし、生け花などでは、これが付いた自然のままの状態を良しとすることがある。
福岡ではそろそろ花が終わるが、東日本では8月まで咲いてくれる。
ヒマワリやアサガオもいいけれど、たくさん咲いたスカシユリも見もの。
夏の暑さに負けず、真上に花を咲かせる姿に元気をもらえる。
以下、スカシユリギャラリー。
カメムシさん
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