先日真夜中深夜になにやらムナサワギがしてので起きBSテレビをつけたら
なんと千駄木~本郷の町並みがでてきて柳家花禄と知らない年配の男性が対談していた。
この男性はどうやら漱石のお孫さんをお嫁さんにもらったらしい。けんど
名前は知らない。大学の先生か作家のようだ。途中から理解できたが、テーマは「漱石と落語」 漱石は寄席好きで「小さんは天才である」と言っていたので、ゆかりの若手落語家の花禄が出演したもよう。メリハリのある話し方と知的好奇心に満ちた瞳。上品なのに滑稽な顔立ちはわたしは好きだなあ。
でもライブとか寄席で観た感じでは・・・落語は・・・・いまひとつなので・・もう少し
ところで「我輩は猫である」は漱石が鬱のためにリハビリとして書き始めたとのことだった。これは初耳でしたがどう読んでも躁状態としか感じられない文章だがそんなものか。
とりわけ、なかでも花禄さんが「猫」は落語そのものでこの部分は特に好きなところ・・・
と朗読された部分は真夜中なのにひそひそ笑ってしまった。
「我輩」が三味線のお師匠さんの飼い猫の三毛子ちゃんと会話するシーン
以下青空文庫「我輩は猫である」より引用。
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……御師匠さんはあれで六十二よ。随分丈夫だわね」六十二で生きているくらいだから丈夫と云わねばなるまい。吾輩は「はあ」と返事をした。少し間(ま)が抜けたようだが別に名答も出て来なかったから仕方がない。「あれでも、もとは身分が大変好かったんだって。いつでもそうおっしゃるの」「へえ元は何だったんです」「何でも天璋院(てんしょういん)様の御祐筆(ごゆうひつ)の妹の御嫁に行った先(さ)きの御(お)っかさんの甥(おい)の娘なんだって」「何ですって?」「あの天璋院様の御祐筆の妹の御嫁にいった……」「なるほど。少し待って下さい。天璋院様の妹の御祐筆の……」「あらそうじゃないの、天璋院様の御祐筆の妹の……」「よろしい分りました天璋院様のでしょう」「ええ」「御祐筆のでしょう」「そうよ」「御嫁に行った」「妹の御嫁に行ったですよ」「そうそう間違った。妹の御嫁に入(い)った先きの」「御っかさんの甥の娘なんですとさ」「御っかさんの甥の娘なんですか」「ええ。分ったでしょう」「いいえ。何だか混雑して要領を得ないですよ。詰(つま)るところ天璋院様の何になるんですか」「あなたもよっぽど分らないのね。だから天璋院様の御祐筆の妹の御嫁に行った先きの御っかさんの甥の娘なんだって、先(さ)っきっから言ってるんじゃありませんか」「それはすっかり分っているんですがね」「それが分りさえすればいいんでしょう」「ええ」と仕方がないから降参をした。吾々は時とすると理詰の虚言(うそ)を吐(つ)かねばならぬ事がある。
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そのあとの対談は寝てしまったので覚えていなひ。
なんと千駄木~本郷の町並みがでてきて柳家花禄と知らない年配の男性が対談していた。
この男性はどうやら漱石のお孫さんをお嫁さんにもらったらしい。けんど
名前は知らない。大学の先生か作家のようだ。途中から理解できたが、テーマは「漱石と落語」 漱石は寄席好きで「小さんは天才である」と言っていたので、ゆかりの若手落語家の花禄が出演したもよう。メリハリのある話し方と知的好奇心に満ちた瞳。上品なのに滑稽な顔立ちはわたしは好きだなあ。
でもライブとか寄席で観た感じでは・・・落語は・・・・いまひとつなので・・もう少し
ところで「我輩は猫である」は漱石が鬱のためにリハビリとして書き始めたとのことだった。これは初耳でしたがどう読んでも躁状態としか感じられない文章だがそんなものか。
とりわけ、なかでも花禄さんが「猫」は落語そのものでこの部分は特に好きなところ・・・
と朗読された部分は真夜中なのにひそひそ笑ってしまった。
「我輩」が三味線のお師匠さんの飼い猫の三毛子ちゃんと会話するシーン
以下青空文庫「我輩は猫である」より引用。
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……御師匠さんはあれで六十二よ。随分丈夫だわね」六十二で生きているくらいだから丈夫と云わねばなるまい。吾輩は「はあ」と返事をした。少し間(ま)が抜けたようだが別に名答も出て来なかったから仕方がない。「あれでも、もとは身分が大変好かったんだって。いつでもそうおっしゃるの」「へえ元は何だったんです」「何でも天璋院(てんしょういん)様の御祐筆(ごゆうひつ)の妹の御嫁に行った先(さ)きの御(お)っかさんの甥(おい)の娘なんだって」「何ですって?」「あの天璋院様の御祐筆の妹の御嫁にいった……」「なるほど。少し待って下さい。天璋院様の妹の御祐筆の……」「あらそうじゃないの、天璋院様の御祐筆の妹の……」「よろしい分りました天璋院様のでしょう」「ええ」「御祐筆のでしょう」「そうよ」「御嫁に行った」「妹の御嫁に行ったですよ」「そうそう間違った。妹の御嫁に入(い)った先きの」「御っかさんの甥の娘なんですとさ」「御っかさんの甥の娘なんですか」「ええ。分ったでしょう」「いいえ。何だか混雑して要領を得ないですよ。詰(つま)るところ天璋院様の何になるんですか」「あなたもよっぽど分らないのね。だから天璋院様の御祐筆の妹の御嫁に行った先きの御っかさんの甥の娘なんだって、先(さ)っきっから言ってるんじゃありませんか」「それはすっかり分っているんですがね」「それが分りさえすればいいんでしょう」「ええ」と仕方がないから降参をした。吾々は時とすると理詰の虚言(うそ)を吐(つ)かねばならぬ事がある。
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そのあとの対談は寝てしまったので覚えていなひ。