秋の彼岸に入る 日かたぶきたるとおもふやいなや日の沈みたるのいとはやきに 車を停めて 真木の上なる夕暮れの空をしばし眺めたる 西空にうすくかかれる鰯雲の沈む日が光をうけ 空の青きを背に薄櫻色に輝きたる いとうつくし みるみるうちに日は暮れ行き あたりの色なくなりゆけば 寂蓮法師の歌を思い出したり さびしさはそのいろとしもなかりけりまきたつやまのあきのゆふぐれ