アスファルトの隙間に空を眺めつつ伸び来て今日を咲けるタンポポ
門倉さとし氏の詩に「たんぽぽ」とふものあり
この詩に堀越浄氏が曲をつけたれば
人の美しく生きる姿と重なりて 胸に熱き血潮の迫りくる歌となりぬ
雪の下のふるさとの夜 冷たい風と土の中で
青い空を夢に見ながら 野原に咲いた花だから
どんな花よりたんぽぽの花をあなたにおくりましょう
高い工場の壁の下で どれだけ春を待つのでしょう
数えた指を優しく開き 空き地に咲いた花だから
どんな花よりたんぽぽの花をあなたにおくりましょう
ガラスの部屋の薔薇の花より 嵐の夜を見つめつづける
あなたの胸の想いのように 心に咲いた花だから
どんな花よりたんぽぽの花をあなたにおくりましょう
*画像:野田庭園のタンポポ 2007.3.19 14:30 撮影