春の夜や虹を手中に収めたく
七色の入浴剤や春の雷
毎日が過去になりゆく草若葉
昨年までの生活体系がすっかり変わった今年。
長生きしてくれた伯母は、もう居ない。安否確認の電話もしなくていい。
しなくていいという空虚。
一年半、我が家に暮らした小学生の孫は、中学生になり、新居のある町の学校へ通学するようになった。
我がじじばばの家には、それでも週一泊まりに来る。
思い返せば大変な一年半だった。
だけど今大半は忘れてしまった。
どんな風にやってきたのだろう。
神経質で怖がりの孫中心、最優先してきた生活体系ではあった。
とにかくこの子を安心させ、いつも側にいるよ、あなたが一番大切なのだ、と孫自身が感じ取ってくれなければ意味がない。を心がけた。
眠れなかった子。徐々に睡眠の質も良くなっていった。
その後のこの子の家族の事は今は割愛するけれど。
昨秋転居した新居が気に入り、今は学校もそれほど嫌では無さそう。
部活も期待したほどではないけど嫌いじゃない。と言う。
本音は、やはり小学校の仲良しグループとじじばばの、裏に住む親友と一緒に居たい。
心から笑える楽しい時間を共有できる友だちは、未だ以前の友だち…。本心はそうみたい。
週一じじばばの家に泊まるのは、一番落ち着く、理由は安心して眠れるからだそうだ。
先週土曜日、
お風呂に、虹の入浴剤を入れてはしゃぐ子、だけど全部溶け群青色になったお風呂に、「怖い!海みたい。底が見えない!」と。
ばあばは呆れて絶句。だけど深層心理として、又不安を抱え始めたな、を感じる。
お風呂から上がって、そそくさと二階へ上がり、しばらく、「さくらももこ」を読書したかと思えば早、うとうと。
うとうとしながら「ばあばんち、落ち着くんだー。夜はいつもここで寝て、朝目覚めたら、うちにいるって事にならないかな、」
などと言いながら、もう寝息。その寝顔はまだ子供。
そして、私の家事は四月新学期が始まってから夕方四時から夕飯を作り、孫たちの新居へと運ぶ。という任務が。
母親(我が娘)が帰宅するのは七時。
それからの夕飯作りでは八時過ぎになるだろうから、と孫可愛さ不憫さに、ばあばが申し出た夕飯作って宅配するという「仕事」
これが思った以上に大変だった。
甘くみていた。我が料理下手、要領の悪さが日増しに強くなる…感じがする。ちっともスムーズにいかない。
献立作りも悩みの種。寝る前に大体の明日の料理を決め、買い物も頭の中にメモ、するのだが、計画通りにいまだ出来た試しなし。
なによりこの生活。正直あまり楽しくない。
余裕がないのだ。時間に追われ、調理途中途中睡魔にも襲われるという…(笑)体力が随分衰えた。気力も。
去年は、実に最悪の年だった。
悔やんだり、ちょっと人を恨んだり…は正直な気持ちだが、だがもう過去のこと。
そして今日のことも、もう過去になりゆく。
きっと数年後、懐かしい思い出に変わる。あの頃は良かった、と。
一難去れば又一難、を繰り返し。
それが人生というもの。