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永井くーん、僕がなんでくんづけで君のことを呼んだのか理由がわかるかい。年下でしかも亜人としてのキャリアもずっと短い君のことを。えっ僕が礼儀正しいからって?何言っちゃってんの永井くーん、全然わかってないようだねぇ。
ジョン・ウィックのアクションをそのままパクリ倒した僕の動きは君にバレバレだったみたいだけど、僕の心の中までは読めなかったようだね、永井くーん。本当はね“クロちゃん”を2体も3体も呼び出すことができる君のことがうらやましくてしょうがなかったんだよ、永井くーん。
「やるねー」「すごいよー」とかいいながら、僕は内心君にジェラシーメラメラだったんだよ。でもね永井くーん、僕には君より大人だよって虚栄心があるわけ。ライバルである君の能力を認めることができるほど度量の広い僕ってすごいよねっていう、これは一種の自己慢なのさ。
これすなわち仏教でいう卑下慢のことなんだけど、理系の永井くんにはちと難しかったのかもしれないね。ただねこの卑下慢、昔は美徳として敬われてはいたけれど、最近は違うねー。アメリカでも(ホワイト)セイバーとかネーミングされて、ネオコンがリベラルを攻撃する時のネタにされちゃってるんだよ。
慇懃無礼な態度がはなにつく日本の官僚や政治屋なんかもそのうちネトウヨの餌食になって、イエロー・セイバーと言われる日が近いのかもしれないね。最後になったけど永井く-ん、いくら僕が嫌いだからってB層のように体制側に寝返るのはいただけないなぁ。あいつら心の底から僕たちを軽蔑していてケツの毛まで搾り取ることしか考えていないからね。
亜人
監督 本広克行(2017年)
[オススメ度
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