ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ブルータリスト

2025年02月22日 | 映画館で見たばっかり篇

さも実在の人物のように思わせるため、ありもしなない建物や椅子のパンフレットまでこさえて観客に配っていた、まったくのフェイク・ムービーである。アニメ声優を監督にすえていることからして、なにやらいかがわしい雰囲気を感じてはいたのだが、ここまで露骨なプロパガンダ映画とは思いもよらなかったのである。エイドリアン・ブロディ以下出演俳優の皆さんや、本作をほめちぎっている評論家の皆さん、そして配給元のA24も、今後DOGEの標的になりかねないので注意が必要だ。

主人公の(DSのスポンサージョージ・ソロスと同じ)ハンガリー系ユダヤ人ラースロー・トートは、マルセル・ブロイヤーという実在のユダヤ人モダニズム建築家をモデルにしているようなのだが、実際収容所送りになったこともなければ、映画で描かれているような“反ユダヤ主義の犠牲者”ではけっしてなかったようなのである。劇中唐突に流れる、まるでアジア系日本製鉄のUSスチール買収を阻止するために作られたようなプロモーションビデオは、トランプのMAGAに対する嫌味だったのかもしれない。

バウハウス出身のトートに目をつけた大富豪ハリソン・ヴァン・ビューレン(ガイ・ピアース)が、イタリアのカッラーラ採石場で真っ白な大理石に頬擦りするシーンには、白人至上主義に対する明らかな嫌悪が感じられるからだ。金銭のピンハネはもちろん、同性愛者からのレイプ、社会保障(奥さんの杖)さえ削られてきた私たちユダヤ人は白人社会の犠牲者なんです。アメリカは腐っている、だから私たちのシオニズムは正当化されるべきだという結論に至るのは、いくらなんでも乱暴(ブルータル?)すぎる気がするのだ。

この度大統領に返り咲いたトランプ政権が目標に掲げるDSの解体とは、つまるところ世界を今まで支配してきたユダヤ人既得権益の解体に他ならない。ホロコースト犠牲者を隠れ蓑に、金融、メディア、医療、社会福祉、司法、教育等を牛耳ることによって、アメリカ社会をゆすり転覆をはかり続けてきた彼らユダヤ人の鉄壁なスキームが、わずか8人というイーロン・マスク率いるチームDOGEにバラバラにされそうな勢いなのである。そこに危機感をおぼえたユダヤ人たちが、お得意の“フェイク・ニュース”によって一矢を報いようとしたプロパガンダ、それがこの『ブルータリスト』なのであろう。

「恐怖や悪意に満ちた(反ユダヤ)思想が世界を再び覆っても、私の建築はびくともせず残り続ける」みたいなことを、大富豪ハリソンに語るトート。その“ブルータリスト”たるユダヤ人は、「山や岩がただそこにあるように」何も主張せずただ(イスラエルに)存在したいだけらしい。しかしDSの支援を受けたバ◯デンが政権につくやいなや、あっちこっちで紛争がまきおこり世界的インフレを招いた以上、そんな御託を並べてももはや意味がない気がするのだ。「ガザをアメリカが所有する」とトランプが語った時の、ネタニエフの呆気にとられた表情が全てを物語っている。

ブルータリスト
監督 ブラッディ・コーベット(2024年)
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