ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

マイ・インターン

2017年12月25日 | 激辛こきおろし篇


『プラダを着た悪魔』の続編かと思いきや、共通点は、ファッション業界が舞台ということと、Wメインキャスト(ロバート・デ・ニーロ&アン・ハサウェイ)というだけで、本作はまったくの別物だ。

大手メーカーがボコボコと倒産している米国アパレル業界のお寒い事情を反映しているのか、ネットショップ社長のジュールズ(アン・ハサウェイ)以下女優陣のファッションもかなり抑え目で、デ・ニーロ演じるインターン=ベンのスーツ&ネクタイが最も高価そうに見えるトホホな衣装内容だ。

肝心のシナリオについても、コメディといえるのは、デ・ニーロの恋人役で登場するレネ・ルッソの逆エロ・マッサージ・シーンぐらい。本筋とは関係のないメール誤送付事件のドタバタ・シークエンスも苦笑を誘うのがせいぜいといったところ。

何せ登場人物がみんないい人すぎて、ストーリーにリアリティが感じられないのだ。唯一育メンの仮面をかぶったゲスの極み夫が登場するのだが、何故か最後には改心しめでたしめでたしで締めくくるあり得ない設定。

“2兎追うものは2兎を得る”お伽噺に、結婚適齢期の未婚率60%の現実を、これでもかと突きつけられている日本の女性のうち何%が共感しえるのだろう。

そんな状況下でもしも、さんざん甘い汁を吸ってきて人生逃げ切りをはかっているポマード臭いオヤジがあなたの部下で再雇用されてきた時、忙しい合間をぬってFacebookの登録の仕方など懇切丁寧に教えてあげるでしょうか。

結婚氷河期世代の慰めになるかどうかはわからないが、2030年頃に地球規模での氷河期到来がまことしやかに囁かれており、結果20億人程度人口が減少(死亡)するらしい。

もはや仕事だのお金だの、結婚だの子供だのと言っている場合ではなくなり、生き残ることが全ての時代に間もなく突入するというのだ。信じるか信じないかはあなた次第です。

マイ・インターン
監督 ナンシー・マイヤーズ(2015年)
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