宮川彬良とアンサンブル・ベガが
昨年に引き続いてりゅーとぴあにやってきた。
僕も昨年に引き続いて足を運ぶ。
今年の初コンサートです。
宮川彬良の説明は不要かと思うが、一応。
あの宮川泰の息子。芸大作曲科入学。
劇団四季をはじめ、数々のミュージカル、ドラマ音楽を手がける。
03年よりNHK教育テレビ「クインテット」の音楽を担当、自身も出演。
04年には、あの「マツケンサンバⅡ」が大ヒット。
新潟では、りゅーとぴあのミュージカル「ファデット」「家なき子」、
能楽堂シェークスピア・シリーズ「マクベス」「リア王」などの音楽を担当。
新潟にゆかりが深く、非常に売れっ子の作曲家である。
アンサンブル・ベガは、宝塚市の室内楽専用ホール
「宝塚ベガ・ホール」からの全国への情報発信を目的に
98年結成。プロオケのトップ奏者で構成され、
ポップスとクラシックを融合させたコンサートを行っている。
宮川彬良+8名のメンバー構成。
当日電話して席を確保。1階10列目が空いていて、
客入りを心配したが、昨年より入っている。
暗転の中、登場。チューニング。
演奏開始。F・デーレ作曲「すみれの花咲く部屋」。
りゅーとぴあ、僕は実はあまり1階で聴かない。
サウンドに慣れない。ヴァイオリンが遠く聴こえる。
ホールの上のほうに抜けていく感じ。
1曲目は耳が馴染む前に終わる。
L・アンダーソン「プリンク・プランク・プランク」、
騒々しい物音、又は弦をはじく音のこと。皆さん聴いたことのある有名な曲。
軽快に演奏+ハエたたきを持った彬良さんのパフォーマンス付き。
「愛の挨拶」「私のお父さん」に続いて、
上記ミュージカル「ファデット」から。
ファデットの仲間たち大勢の合唱とともに。
ミュージカルに造詣は深くないが、
明るい輝かしい音を鳴らしていた。
これに陰影が出るともっといいと思う。
第2部は、「歌」の発祥について、
ちょっと強引な!?解説を含めパフォーマンス。
続いてビートルズ。これが良かった。
練られたアンサンブル。各演奏者、関西の方が多く
結構アクも強い。けど、みんな生きつつ生かしつつ。
そしてアニメ「ブラック・ジャック」の音楽。
これを聴くと、宮川彬良のメロディーセンスが
いかに優れているかが分かる。
キャッチーだが印象深いメロディー。決して安っぽくない。
作品は宇宙的な音の広がりも感じ、盛り上がって終了。
客席は去年より明らかに盛り上がっている。
「ファデット」で歌った人たちが客席にいたのもあるが、
拍手が大きい。
アンコールはニューイヤーのための自作。
これは、ウイーンフィルで言うところの「ラデツキー行進曲」の役割。
作風も意識している。
すぐに客席から手拍子が。
そして2曲目は1分で終わる「クインテット」のオープニング曲。
これも手拍子。客席は最高潮。
そしてラストは「マツケンサンバⅡ」でクライマックス。
大きな拍手の中幕を閉じた。
そう、後半は特に良かったと思う。
僕が耳に慣れたからかもしれないが。
アンサンブルと個々の主張が両立していて、
聴いていて楽しかった。
そして個人的には、クラリネットに聴き惚れていた。
とてもやわらかいサウンド。不純物がない。
ファゴットとのユニゾンなど、もうあまりにも美しい。
至上の喜びだった。
宮川彬良はたぐい稀なるメロディーセンスの持ち主だと思う。
「マツケンサンバⅡ」は、そのキャラの濃さからも
振付師の真島茂樹ばかりが目立っていたが、
宮川彬良の存在を忘れてはいけない。
それプラス、音楽を聴く人のことをよく考えていると思う。
魅せ方、聴かせ方が分かっている。
新年1発目から極上のエンターテイメントに触れ、
満足して帰路についた。
皆さんもぜひ聴いてみてください。
クインテットはCDが出ているので、そちらもどうぞ。