佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

結果と過程考~考えることのススメ~

2009年07月03日 20時04分30秒 | 日記・エッセイ・コラム
 
 以前少し書いたかもしれませんが。。。
 
 
 結果を求める、結果が出ることにおいて、
過程(プロセス)が大事だと思います。
 
 
 何事もそうだと僕は思っているのですが、
皆が必ずしもそうではないようです。
僕が考えすぎる人間だからかもしれませんが、
悩んでいたり、迷っていたりする人に対して、
「考えていてもしょうがない」という人がいます。
もちろん、全く考えるなという訳じゃないでしょうし、
考え過ぎているから行動もした方が良いという
アドヴァイス的な視点だとは思います。
 
 
 まあでも、物事において簡単に結果が出るということは、
とても危険なことだと僕は思っています。
プロセスがいかにしっかりしているか、ということが
非常に大事だというのが、今日のコラム?の内容です。
 
 
 で、世の中、考えるということが、
ともすると良くないという風潮が増している、
そんな気がします。
ポピュラーソングを例えに使いますが、
いつからか、ヒップホップ系などの曲、それ以外にもありますが、
「みんなありがとう、友達ありがとう、家族ありがとう」
みたいな歌詞のものが増えてきました。
ブームといってもいいかもしれません。
 
 
 周りの人たちに感謝するということが大切なことであることは
言うまでもありません。
ただ、そういう曲を聴くと、
時折、中身の薄さみたいなものを感じるのは僕だけでしょうか。。。
それは、「大切だ」という結果にいたるプロセスが脆弱だから、
そういう風に聞こえるのではないかと、
そう思うのです。
物事の過程で生じる悩みとか苦しみとかという部分を、
敢えて省いているというよりは、
もしかしたら通過していないんじゃないか、
そんな気がするのです。
曲を作ること、
それを制作してプロとして世に出すということは、
生みの苦しみとかあるとは思うんです。
でも、こうした楽曲を声を通して歌詞を聞いたときに、
中身が薄いと感じることが多々あるのです。
 
 
 なんでもそうだと思うんです。
環境破壊のこととか、平和のこととか、
「環境を破壊してはいけない」
「戦争をしてはいけない」
「平和が大事だ」
そう思います。
でも、現実にそうじゃないことが存在し、
そんな簡単なものじゃないと思うんですね。
若干逸れますが、資本主義の世の中、パイは決まっています。
だから、誰かが豊かになるということは
誰かが損をしたり豊かじゃなくなる、
強いものが弱いものから搾取するということなんですよね
(敢えて搾取という言葉を使いますが)。
そう考えると、平和ってなんだろうとか、
環境破壊って何だろうとか、考えてしまうんですね。
ただ平和が大事と唱えるということは、
あまりに脆弱なことではないかと。
 
 
 大事なんです。当然です。
でも、過程(プロセス)がないということは、
芯がないということです。
過程が無いということは、説明が出来ないということです。
「平和が大事」その言葉しか出てきません。
何が言いたいかというと、
何かがあったときに、容易に影響を受けて、
本人が考えた結果が変わって、
どこにでも転がってしまう可能性があるということです。
 
 
 歌という媒体でメッセージを伝えるとき、
プロセス自体を伝える必要はないのかもしれません。
でも、ありとあらゆることを考え抜いて至った結果と、
そうでなく至った結果、
結果が同じでも中身は全く違う、意味が全く違う、
僕はそう思います。
 
 
 というのも、
テレビという媒体だったり、
携帯やパソコン、ネットという媒体だったり、
短い言葉で伝えることが良いこと、分かりやすいこと、
という風潮があると思います。
政治で言えば小泉純一郎がそうでしょうか。
この辺はまた別で書きますが、
要は、結果だけを大事にすると、そこに至る付属するもの、
つまり過程(プロセス)がどこかへいってしまう、
そういう言葉を聴いて、作品を聴いて、
今度は受け手のほうがまた過程(プロセス)を経ないで
安易に共感してしまう、
そういうところがあるのではないかと思うんですね。
 
 
 僕は、なんでもそうですが、
もっと考えるべきだと思っています。
考えずに安易に出した結論は、
脆弱であり危険ですらあると思います。
それは、例え「平和が大事」という結論であっても、そう思います。
過程(プロセス)がないということは、容易に揺らぐということです。
そういう意味では、極論すれば、それは
「平和は大事じゃない」と考えることと同じくらい
危険をはらんでいる、そう思います。
発信する側としても、受け手側としても、
もっとたくさん考える必要がある、
考えることのススメ、ということです。
 
 
 異論反論あるかもしれませんが。。。
いろいろなものが、安易に流れてしまうことの
怖さをここしばらく感じるわけで、こんなことを書いてみました。