伊豆高原シニア・ライフ日記

「老い」を受容しながら自然の恵みに感謝しつつ「残躯天所許不楽復如何」の心境で綴る80老の身辺雑記 

変形性股関節症の克服 (「三金会雑記」98号の原稿)

2011年12月02日 | 三金会雑記

12月2日(金)

足腰にはそれなりの自信があった。この年齢では山登りは流石に無理だが、多少の坂があっても二万歩くらいならさほどの疲れを感じることなく歩くことができていた。

(それでも昨年春には天城連峰の「万二郎岳」を越え最高峰「万三郎岳」の頂上を極めた。しかし、それが限界であることをその時に思い知らされた。)

2010年6月6日 天城の万二郎・万三郎岳登山

 そんな私が突如「変形性股関節症」に悩まされ、歩くことへの自信をすっかり喪失してしまったのである。

これまで歩くことなど当たり前に思っていたが「歩くこと」に難渋するとは! 私にとって全く想定外の事態の到来である。 

ことの起こりは今年の六月「大室高原歩こう会」である。 

この日のコースは、源氏再興の挙兵をした頼朝が石橋山合戦に敗れ、土肥実平の手引きで隠れ潜んだという「しとどの窟」がメーンで、その後土肥城址から延々と続く長い下りの舗装道路を、途中で休憩することなくひたすら湯河原駅まで歩き続けたのがいけなかった。
(この日、歩数計が記録した総歩数は一万六、七二九歩)

2011年6月16日「大室高原歩こう会」

の日は脚に多少の疲れ残った程度で収まったと思っていたら、翌朝になったら右脚に違和感を覚えるようになり、日を経るにしたがって右太腿部・膝頭やお尻あたりに軽い鈍痛を感じるようになった。

はじめの頃、この痛みは数日で治まっていたが、再発するようになり鈍痛は右脚の付け根あたりに集まってきて歩くと右脚を引きずる無様な姿になってしまった。

 そのうちさらに進んで、立ち上がりや歩き初めの時に脚の付け根に痛み走り、すぐには脚を前に進めることができなくなる変形性股関節症特有の「始動時痛」の症状が出て、立ったり座ったりの日常生活に支障さえ生じるようになってしまった。

このような「変形性股関節症」は、加齢により股関節の軟骨が擦り減っていたところに無理をしたことから発症するとのことで、高齢者によく見られる病気だという。

 当地に来て二〇余年、「歩くこと」「園芸作業をすること」「パソコンを弄ること」を趣味として生きてきた私にとって、これは大打撃である。

 歩けなくなるということは、「トレッキング」はもとより「散歩」もダメ、園芸作業もほどほどにしかできないということであり、残るはパソコンのみ、私の老後生活の楽しみが二つながらに失せ、先行き暗澹たる想いですっかり落ち込んでしまった。

このさき、この脚は一体どういうことになるのであろうか?

インターネットを使って「変形性股関節症」に関する情報を徹底的に調べてみた。

そこから知ったことは、事態が予想していた以上に深刻なものらしい。

変形性股関節症には「前期」「初期」「進行期」「末期」という段階があって、年単位で段階を追って慢性的に進行していくという。

そして、痛みも少しずつひどくなり末期になると動きは大幅に制限されついには寝たきりになるというのである。

私の場合、痛みは歩行時のみで「持続痛」までには至っていず、脚の動きからみても「前期」の段階にあるらしいが、加齢により発症したものの治癒ははなはだ難しいという。

この病気に対する抜本的な治療法を探ると「手術療法」しかないようで、痛みのある患者に対してはほとんどの医者は手術を勧めるらしい。

手術そのものは二時間くらいで済むようだが、その後にリハビリをかねて数週間の入院生活が必要であり、自宅療養になった後も通院でリハビリを続け、治癒したとしても半年に一度の定期検診は欠かせないという。

「手術療法」でない場合は、できるだけいい状態を維持して進行を遅らせる「保存療法」で対処するほかないとのこと。

「保存療法」は、理学療法(リハビリ)が中心で、杖・装具の使用による股関節にかかる負担の軽減、体重のコントロール(減量)、筋力増強訓練(ストレッチ・ウオーキング・水中運動など)で展開され、負荷を減らすため歩く距離の限界をよく見極め決して無理をしないことなど、極言すれば現状維持の消極的な対策でしかないようである。

このほか関節の血行を良くするための温熱療法、痛みには消炎鎮痛剤の薬物療法といったものも掲げられている。

私の場合は、その症状からみて、当面は手術の必要性は薄いが、いずれにしてもこれから先のことを考えると大変なことになった。

八〇歳を超えた超高齢者だから、当然体力が落ち回復力は弱まっていようし、これから先の生きる時間も限られていることを思うと、手術・リハビリ・検診といったQOLを低下させる長期間にわたる「手術療法」の選択肢は考えられず、「保存療法」に頼るしかないと考えた。

そこで、更に詳しくインターネットで「保存療法」に関する情報を探ってみた。

そこには現代医療のみならず代替医療を行う病院や治療院・施療院での各種各様の療法(基本的理念に大差ないが)が紹介されていた。

そんな中で、特に注目したのが、東洋医学・代替医療・メンタルケアのサポートをする「日本東洋医学財団」の「KIK療法」である。

難病請負人」を自称する中村司理事長が

「私は変形股関節症については日本一詳しいと思っている」「変形性股関節症は決して難しい病気ではない」「一日七分の運動(「KIK療法」)を続ければ、股関節症の痛み、運動の制限はなくなる」

Youtubeの中で公言しているのである。

その確信に満ちた言動に感銘をうけ、この「KIK療法」に賭けることにした。いや、賭けるというよりこれ以外に私の頼るところはないと思ったのである。

「日本東洋医学財団」が治療法の選択基準として掲げる「八つの基準」も気に入った。

最善の治療とは、「①薬を飲まなくていい ②手術をしなくてもいい ③経済的に安い ④早く効果が感じられる ⑤気持ちよく続けられる ⑥無理なく毎日できる ⑦患者本人が一人でできる ⑧自宅で簡単にできる」だという。

早速、変形性股関節症の治療方法「KIK療法」を解説するDVDを一万二、八〇〇円で購入した。たかがDVDにしては値が張るとは思ったが、健康のためお金を惜しんではならない。 

そのDVDによると「KIK療法」の所要時間は「仙骨位置修正体操」が二分、「KIK体操」が四分で、「仙骨位置調整体操」は一日二回、「KIK体操」は一日一回で、一日たった七分(二分×二回プラス四分)でできるという超簡単なもの。
全く拍子抜けするほどシンプルな体操で、果たしてこれで効果があるのかと心配になった。 

 しかし、驚くべきことにすぐにその効果が現れた。九月三日にDVDを注文し、その説明に基づき「仙骨位置修正体操」と「KIK体操」を始めたのだが、月末には効果らしきものが確認できたので、すっかり気を良くし毎日一回でなく数回繰り返し行うようになった。 

 以来、三か月たつ現在も怠りなく続けた結果、股関節の痛みをあまり感じなくなり、一日一万歩くらいなら歩いても翌日に悪影響が出ない程度に改善してきている。

もっとも、「始動時痛」は軽くなったものの完全にはなくなっていないが……。

「日本東洋医学財団」に対する信頼が高まったことから、同財団が推奨する「血行を良くする温熱医療機器「超こだわりホットパック」も購入することにした。

これは遠赤外線の温熱効果を利用した治療器で四万九、八〇〇円とやや高価なものであったが、使ってみてまことに具合がよろしい。

(インターネットでこれに類する遠赤外線治療器を調べてみると高いものは数十万円するものもあれば数千円というものもある。)

これを身体に当てて寝るとまことに気持ちがいいのである。これまで冬になると使っていた電気あんかの熱と全く違った暖かさである。至極気持ちのいいやわらかなぽかぽかした暖かさで、これで血行をよくし股関節の痛みを改善するだけでなく、そのほかいろいろな病気にも効くというのだから、医療器具であるとともに暖房器具としても十分役立つ。

 長年「変形性膝関節症」を持病として悩んでいた家内(最近は随分良くなってきているが)にも試しに使わせてみたら、すっかり気に入られてしまい、なかなか返してくれない。

そんなことで別にもう一台購入する羽目になってしまった。

現段階ではまだ「変形性股関節症」を完全に克服したとは言い難いが、この年齢で「完治」が難しいというのであれば、痛みがなく、脚の動きに制限がなくなり、一万歩以上を自由に歩くことができれば、それで十分である。

これからあと一年くらい「KIK療法」を励行し「ホットパック」で身体を温めることを続けたら、「変形性股関節症を克服した」といえると思う。

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