またまた指先は腫れあがり、腕はかぶれて かゆい思いを。
酒器に塗った、漏れ止めの本漆を耐水ペーパーで研いだだけなのに。
乾燥していれば、かぶれない漆ですが、完全に乾いていなかったようです。
水を含んで、みるみる本来の恐い漆に豹変します。
まだまだ漆を甘〜く見てました、指をテレピン油で拭いて、よく洗ったのに2回目の洗礼です。
水を満たしては、漏れがないか調べます。
漏れるたびに砥の粉漆で目止めし、乾燥、研ぎを繰り返します。
この日は、金つくろい部を輝かせるために「鯛牙(たいき)」を作ります。
「鯛牙」とは、鯛の歯ですが、相当大きな鯛でないと大きな「鯛牙」は作れません。
早速、スーパーをまわり「大きな鯛のかぶと」を探します。
やっと40㎝もあったろうか鯛のかぶとを見つけました。
牙を抜くとまあまあの大きさです。
筆の柄を加工し、自作の「鯛牙」完成です。
我ながら上手く出来ました。
せっせと磨いている私を見て、つれあいはあきれ顔です。
さて残った「鯛のかぶと」はどうしましょ〜か。
明日の夕ご飯のために、煮つけにします。
ウロコを取り、湯通しして臭みや血合いを取りのぞき、甘醤油でゆっくり煮てひと晩寝かします。
ご飯にもお酒にもあう「桜鯛の絶品かぶと煮」の完成です。
向かいを見ると満足顔で食べてます。
ガラスの割れに挑戦します、透明なので接着部が見えてしまいますが、細い銀書きでつくろいます。
線引きも絵付のようになりました。
東急ハンズで道具を買い足して
次の繕いは、絵皿です。
「ほつれ」 かけらが見つからない欠損部を修繕します。
つれあいが友人からいただいた大事な「ペルシア色絵樹下美人鉢」。
長い間、桐箱の中に眠っていたお皿。
使い続けることが出来て喜んでいます。
「割れ」 細かく割れた「白磁酒器」も復活しました。
これにお酒をそそぐのが楽しみです。
※酒器完成品写真 のちほど公開します。
歳も重ねると、器や皿を買い足すこともめっきり少なくなり
慣れ親しんだお気に入りの器を
永〜く永〜く使いたくなります。
ちょっと欠けたぐらいなら「金継ぎ•金つくろい」をほどこせば、なおさら愛着を感じます。
割れた器にふたたび命を吹き込み、
つくろいの跡を新たな表情として愛でます。
遊び心とおおらかさに満ちた、
そんな先人の粋な感性の「いいとこ取り」をして、
日々の暮らしをちょっぴり彩ります。
震災時に割れたお皿を取っておけばよかったと悔やまれます。
かぶれは もう こりごり
お付き合い ありがとうございます。