にわかに積乱雲が立ち込めて、これでもかというゲリラ豪雨の合間に、
「都電荒川線」のチンチン電車の音が間近に聞こえてくる、終点の「三ノ輪駅」。
アーケードが色鮮やかな「ジョイフル三ノ輪商店街」で雨やどりします。
商店街の中ほどに、由緒ありそうな古い建物を発見。
1804年に麹町で創業し、大正元年にこの地にきた「南千住砂場」。
ここだけが、別空間を漂わせています。
お店のまわりを眺めてみると、いろいろと興味深いものがあります。
店のかどに置かれた、石表示。
繊細な千本格子の下に竹柵に書かれた店の名、砂場(すなば)。
大坂(大阪)を起源とする老舗蕎麦のひとつです。
蕎麦屋の老舗といえば、「更科、藪、砂場」の3つがあります。
玄関前の桶にも、江戸時代使われたものでしょうか。
お昼も過ぎた2時ころ、小腹が空いたので入ってみることにします。
白のれんをくぐります。
ここは、全国に150店舗ある「砂場」の「総本家」だそうです。
江戸時代からの創業です。
現在も営業しているのは、虎ノ門の「巴町砂場 閉店」の2軒だけです。
ちょうどいい時間です。
お昼の喧騒もなく、静かな時間が流れています。
天井を見上げると高い、傾斜のある船底天井、
店内はやや暗いが、歴史の重みがあります。
お店の中は、ちょっと雑然としています。
窓際を見ると、70年台に流行した「VAN」のステッカーやボタンダウンシャツ、 なんと私も持ってたアイビーボーイ図鑑、懐かしいですね~
鉄道模型もあったりと、なんか不思議なお店です。
蕎麦前に菊正宗のぬる燗を一合もらい、厚みのある板わさを貰います。
お酒には、私の好きな蕎麦味噌も付いてきました。
さて、もりそばをもらいます。
蕎麦は、ニハぐらいでしょうか。つゆは濃くて甘い。
しめのそば湯は濃くて、どろりとして美味い。
さて、雨も止んだでしょうか。
また濡れる前に帰ることにします。