年の瀬には欠かせない「年越し蕎麦」
日本の文化であるこの風習には、人一倍のこだわりがあります。
毎年31日になると父の蕎麦打ちが始まります。
見よう見まねで受け継ぎ、24年前から短めのボソボソの田舎蕎麦を打ち、つゆを作り、縁起を担いで大晦日を迎えます。
本来ならば、乾燥椎茸で戻し出汁をとり、醤油、砂糖、味醂で作りますが、今回は直伝のつゆを作ります。
準備は1ヶ月前から始まります。
醤油と砂糖を合わせて熱を入れ、冷蔵庫で30日寝かした「生かえし」。
かけ蕎麦の汁の甘汁(かけづゆ)は、頂いた「日高昆布」と「厚削りの本鰹」の一番出汁と二番出汁に「生かえし」を混ぜて作ります。
「鰹節削り器」も使い、本鰹の旨味を出しつくします。
冷たい蕎麦の辛汁(つけづゆ)は、「厚削りの本鰹」の出汁と生かえしを混ぜて作ります。
甘汁も辛汁も「上野藪蕎麦屋」直伝の江戸前のつゆです。
お蕎麦は、毎年粉まみれになって打っていますが、今回はふる里から頂いた「南阿蘇久木野 石臼挽き製粉の粗挽きそば」を使います。
まずは、そば前に静岡県小笠郡大東町の「冷やおろし 開運」をちびり、アテは玉子焼きと板わさにさび付けて。
まずは、冷たい蕎麦を… 辛汁で皿蕎麦をたぐります。
次は、熱い蕎麦を… アツアツのかけづゆに、海老天とみかんの皮をのせて、フーフーしながら食します。
父とよく行った「南阿蘇久木野」の蕎麦を亡き3人の写真の前に手向けます。
もう一つの我が家の風習を準備します。
「屠蘇散(とそさん)、 元旦に服用する延命長寿の漢方薬。
山椒・防風・白朮・桔梗・桂皮などを砕いて調合」、
ひと袋を大晦日の夜に「熊本千代の園酒造」の
「極上 赤酒」の中に浸して、正月三が日の邪気を払います。
幸福の年を迎える儀式として、朝のお祝いに盃を廻し飲みます。
朱塗りの「屠蘇器」があれば良かったのですが、
父の郷里鹿児島の燗付器「黒千代香(くろじょか)」を使います。
正月の朝は、早起きして「東京スカイツリー」の天望デッキ・回廊から初日の出を眺めに行きます。
オレンジに染まる朝焼けを全身に浴びてきます。
さて来年は、旅に 仕事に 趣味に 学習に 運動にと
あっという間に1年が過ぎていくんでしょうね。