米兵性的暴行情報 ３年超一度もなし

沖縄県議会　瀬長氏質問に県答弁


（写真）質問する瀬長美佐雄議員＝１８日、沖縄県議会

　在沖米軍人・軍属による相次ぐ女性暴行事件を巡り、２０２１年５月以降で３年以上も県警や沖縄防衛局から県に対して性的暴行事件の情報提供は一度もなかったことが１８日、分かりました。日本共産党の瀬長美佐雄県議の議会一般質問で県が明らかにしました。

　瀬長氏は、沖縄の米軍関係者による性的暴行事件をめぐり、県への通報体制について質問。今回、報道などで相次ぎ発覚した女性暴行事件が県にいずれも通報されなかったのを踏まえ、過去の事件での通報との比較、検証結果を明らかにするようただしました。

　県の溜政仁知事公室長は、１６年３月の米海軍兵による準強姦（ごうかん）事件の際、事件発生当日に県警と防衛局から県に通報があり、県として翌日に日本政府への抗議要請を行っていると指摘。２１年４月の米軍属による強制性交等未遂事件でも逮捕当日に通報があったとした上で、「２１年４月の事件を最後に情報提供はない」と答弁しました。

　瀬長氏は「事件の隠蔽（いんぺい）は明らかだ」と強調。「公共の安全」などに影響を及ぼす事件が発生した場合に米側が情報を得た段階で、速やかに通報すると日米両政府が交わした１９９７年合意の完全履行を、県として政府に迫る立場に立つよう求めました。

※１９９７年の合意が守られ、今回の事件も報告されていれば、先の県議選情勢が変わった可能性は大いにあります。今回の瀬長議員のような質問をされると都合が悪い米軍や日本政府が隠蔽した疑惑が濃厚です。