【手塚治虫/ガラスの地球を救え 二十世紀の君たちへ・P113より】
なにが必要な情報か、ということですが、ぼくはとどのつまり、生命の尊厳を伝える情報が最も必要でかつ重要な情報だと思います。
現在の暴力非行や、親子の断絶や、生命の軽視は、こどもや若者たちがこれまで育ってきた期間に得た情報吸収、蓄積によってもたらされた結果です。大人たち、あるいはこどもの身の回りや社会に繰り返し行われる暴力や犯罪、享楽的な性描写などの情報が、こどもを倫理的に麻痺させてしまったことは確かです。
これが十倍、百倍になって嵐のように襲う時、どうしようもない人間性喪失の社会が実現してしまうでしょう。
政治的な規制もなく、自主的に、生命の尊厳といきるということの価値を情報によってこどもたちに与える態度をとることが、ぼくたち大人の高度情報化社会に対する何よりの心構えではないかと思います。
なにが必要な情報か、ということですが、ぼくはとどのつまり、生命の尊厳を伝える情報が最も必要でかつ重要な情報だと思います。
現在の暴力非行や、親子の断絶や、生命の軽視は、こどもや若者たちがこれまで育ってきた期間に得た情報吸収、蓄積によってもたらされた結果です。大人たち、あるいはこどもの身の回りや社会に繰り返し行われる暴力や犯罪、享楽的な性描写などの情報が、こどもを倫理的に麻痺させてしまったことは確かです。
これが十倍、百倍になって嵐のように襲う時、どうしようもない人間性喪失の社会が実現してしまうでしょう。
政治的な規制もなく、自主的に、生命の尊厳といきるということの価値を情報によってこどもたちに与える態度をとることが、ぼくたち大人の高度情報化社会に対する何よりの心構えではないかと思います。