「俺が100%バックアップするけん、頼むからアイツと別れてくれ。」
"アイツ"とは…
離婚した元夫であり、
3人の子供達の実の父親のことです。
当時中学1年の長男にそう言わしめてしまった。
母親としてはなんとも面目ない。。。
長男が父親を「アイツ」と呼ぶには、それなりの理由がありました。
この長男の一言から私の人生は大きく舵を切る事となり、
そこから起こるたくさんのいろんな経験が更に私を成長させてくれる事になります。
「…だよね。そう言いたくなるよね。
わかった。決めたから。すぐ動くね。」
子供達を守る為、
元夫にバレないようにアパートを探し、
引越しの日をXdayとして、大事な書類、捨てられては困る物等を、スキを見て実家に持って行き、粛々と準備を進めていました。
そんなある日、
「いつ離婚するん?!すぐ動くって言ったやんか!!」
目に涙をいっぱい溜めて訴える長男。
とうとう長男に限界が来てしまった。
というよりも、下2人の子供達も、私も、とっくに限界だったのです。
そして、これ以上元夫と一緒に生活する事は出来ないと思い、Xdayを待たずして、家を出る決心をしました。
決心した日の週末。
元夫が飲みに行くと出かけた。
今しかない。。。
心臓がものすごい速さで鼓動するのを感じながら、私は子供達を呼び集めました。
「今からおばあちゃんの家に行くからね。
ランドセルに教科書、ノート全部入れてね。
体操服や絵の具も持ってね。急いでね!」
子供達の当面の着替えをキャリーに詰め込み、
自分の荷物も詰めなきゃ…
時間がない…
「ママ、ジャックは?」
あーちゃんが愛犬を抱っこして聞きに来ました。
「連れてくよ」
心配そうなお顔に一瞬笑顔が戻ります。
いつものお出かけならお留守番のジャック。
ただならぬ雰囲気に、いつものお出かけじゃない事を感じ取ったのでしょう。
そして母に電話する。
「急遽、家を出る事にしたの。
予定より2週間ほど早いんだけど、2週間だけ居候させてもらえませんか?」
こんな風に心労をかけてしまう娘で申し訳ないと思いつつ、とにかく今は助けてもらうしかなく。。。
かくして、この日を境に、私達4人と元夫とが一緒に生活する事は無くなり、
と同時に、離婚するまでひたすら「辛抱」の日々の幕開けとなりました。
予定外に家を出た事で、まずは3人の子供達の担任の先生にご一報。
それぞれ連絡帳には書いたけど、読み手も驚くヘビーな内容なだけに、電話で補足します。
実はかくかくしかじかで…
父親が迎えに来ても引き渡さないようにお願いします。
恐らく気持ちも不安定になっていて、生活面にも現れるかもしれないので注視していただけたら助かります。
そんな事を伝えた気がします。
学童の先生にも同様にお願いして…
中学校、長男の担任の先生に電話する。
長男の担任の先生とは偶然苗字が同じで、入学式の日に「似た名前やなぁ〜」と大きな手で頭をポンポンとしながら親しげに話しかけてくださり、信頼できる印象を持っていたので、
"長男を助けてください"
そんな気持ちでお話ししたのを覚えています。
すると先生は、、、
「お母さん、ちょっと立ち入った事かもしれませんが、ご家庭がそのような状況になったのはいつ頃で、決心されて動き出したのはいつ頃ですか?」
「お恥ずかしい話ですが、実はずっとそういう思いを抱えていて、明らかに修復出来ないな、という状況になったのが7月ごろです。息子から悲痛な訴えがあったのは11月中旬でした。」
そう説明して、ブログの冒頭で紹介した男気溢れる長男の言葉を伝えました。
「あぁ…。
そうだったのか。全て合点がいきました。
長男くんのこれまでの学校での様子、全て一致します。
そうか、そうだったのか。」
電話の向こうで深く納得されたようで、
先生は2回"そうだったのか"を繰り返した後に、
「長男くんはきっとお母さんを守りたかったんですね。」
そう言われて、、
張り詰めていたものが一気に崩れ、電話口ではしばらく私の嗚咽だけが響いていました。
「お母さん、一緒に頑張りましょう。」
長男の担任がこの先生で良かった、今でもそう思います。
その2週間後、無事アパートに移り、私達4人の生活が始まりました。
何も無いけど、そこには確実な事が1つ。
「安心できる場所」
子供の福祉において、何より重視されるべき事項。
これを確保する為に、私は全力を尽くす。
アパートに引っ越して、まずは時計が無い事に気がつき、時計を買いに行きました。
優しい雰囲気の壁掛け時計です。
ここに小さくフレーズが載っています。
I can fly with you
アパートの小さなテーブルで宿題をしていた長男が、ふと時計のフレーズを読んで、どういう意味?と尋ねました。
「そうだなぁ。。。
直訳はわかるよね。
"私はあなたと飛ぶ事ができる"かな。
でも、お母さんの意訳は、、
"あなたとならなんでもできる"かな」
「ふうん…。」
長男は再び宿題に目を落とし、宿題の続きを再開。
私はそのフレーズをしばらくしみじみと噛み締めていました。
子供達がいれば、なんでも乗り越えて行ける。
ちょうど12年前の2月の出来事です。
先日25歳の誕生日を迎えた長男。
今年の目標は?とお正月に聞いたところ、
「結婚かな」
げっ お金無いのに結婚するの?
まぁそこは私の口出すところでは無いけれど、
ひとまず結婚に対してどうやら失望はしていないらしい事がわかったのでそこは良しとします。
今でも80%‥90%?バックアップしているのは私の方ですけどね?
でもあの一言が無ければ、ずっともがいていたのかもしれない。
元夫には、3人の子供達のお母さんにしてくれた事、ここの感謝に尽きます。
今話せる事は幸せだから、、本当にその通りです。渦中は物凄い空気を纏っていたのではと思いす。これからもっともっと人生楽しまなくちゃですね(๑˃̵ᴗ˂̵)
長男さん凄い!!
男の子って頼もしいですね。
私も同じ様な経験が有り、荷物を纏めて実家に向かおうとした時に、お父さんには言わないでほしいけど、貴女達、絶対に帰ってこないで!!私の人生を奪わないで!!
母から言われて断念した事が有ります(・・;)
娘2人ですが、息子が居たら変わったかも知れません。それも含めて今話せる事は幸せだから話せるのかなぁとも思います♪
お互いに自分の人生も楽しみましょうね٩( ᐛ )و
干支が一回りする間に本当にいろんな事がありすぎて😅 人の何倍もの人生歩いている気分です。また少しずつご紹介させていただきますね!