釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

67. 木(としぎ)樵(き)りつむ音ならし・・・

2012-02-20 12:44:08 | 釋超空の短歌
『木(としぎ)樵(き)りつむ音ならし。
      夕日となれる庭に かそけき  』

『歳木(としぎ)』とはなんだろう。ネットで調べてみた。

1 新年の燃料として、暮れのうちに用意したたきぎ。
2 戸口や門松のそばなどに置き、年神に供える木。節木(せちぎ)。若木。幸い木。

とある。今年は既に2月下旬になろうとしている。もう季節はずれの歌だ。
月と言えば、一月は睦月(むつき)、二月は如月(きさらぎ)、三月は・・・

私は大学受験時代に旧月を以下のように暗記したものだった。
むきやうさみふはなかしし

旧月名の最初の文字を並べたものだが、半世紀以上もたった今も覚えているのだから、暗記効果は抜群の、我が傑作だ。他にもある化学のイオン化傾向だ。いわく
かぁ、かる、なと、まぐ、ある、あえ、えふ、い・・・
Ka,Ca,Na,Mg,Al,Zn,Fe,Ni・・・
これも未だに覚えている。
***
閑話休題

作者は山里の近くの家の庭に佇んでいるらしい。夕方である。
遠くから木を切る音が聞こえてくる。聞こえてくるのはそれだけだ。
それを作者は聞くともなく聞いている。

おそらく作者の心の中に蠢(うごめ)くものはなにもない。
ただ、ぼんやりとした空虚感のみが漂っているのかも知れない。
この空虚感は換言すれば諦観に似たもののようだ。

私も作者のように山里近くの庭で遠くの山の音をぼんやりと聞いていたい。