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精神科医師のブログ。
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こんにゃくゼリー法律で禁止?余計なお世話だ!

2008年10月13日 | Weblog
形は国が決める? こんにゃくゼリー 自民、議員立法へ 消費者行政迷走(産経新聞) - goo ニュース

こんにゃくゼリーはゼリーではなくコンニャクです。
高度な嚥下(えんげ)障害の時に用いる、ゼリー形態の食事に一見似ているというのがダメなのかもしれませんね。
乳幼児のおやつにも一見よさそうですし・・・。
高齢者医療の現場では、嚥下障害の患者さんに対して嚥下食の指導の時にはこんにゃくゼリーはダメ。という話は必ずするようにしていますが・・・。

もっとも自分の場合は高齢になってからなら、「おじいちゃんたら、最期まで食い意地が張って・・。」などといわれながら、正月にモチを詰まらせてなくなるのが理想の死に方の一つなので・・・。
意思表示ができなくなってから、家族の言い訳のため、あるいは年金などの定期収入を、合いにも来てくれない家族にもたらすために強制栄養をされて生きながらえるよりは・・。

閑話休題。
しかし、固くてやわらかくて崩れない、あの独特の食感がこんにゃくゼリーの魅力なのです。
僕も好きな食べ物の一つです。

法律で国が規制してしまうなどというのはやりすぎでしょう。
余計なお世話です。

コンニャクはどうなるんですか?モチは危険なので食べるな!とはさすがにいえないでしょう?
振り込め詐欺が横行しているからATMは廃止にしましょうなどという話はでてきませんよね。
危険だというのなら、よっぽど危険な、タバコやお酒や自動車も、海や川泳ぐのも、夜道を歩くのも、盛り場に行くのも全て禁止にしたらどうですか?

知らずに食べて窒息してしまった方は気の毒ですが、すでにパッケージにも大きく書いてあります。

こんなことが法律になるくらいなら、どんどん窮屈な世の中になります。
リスク(責任)と自由はトレードオフです。

もっとも自分で気をつけるということができない人(子供や高齢者)には周りが気を使う必要がありますね。
こんなことは親が気をつけるべき問題でしょう。

そのために、パッケージやCMでしつこいくらいにアピールし、医療や母子保健、福祉現場からも発信して、みんなでもっと気をつけるようにすればいいだけのことです。カラフルな色をやめてコンニャクの色にすればアピールになりますかね?

そのうちモチと同じように「窒息しやすい食べ物だ。」ということが、認識されるでしょう。
でも、モチだって危険だとわかっていて窒息する人は毎年大勢いるわけですから・・・。
子供にとってもボタン電池やピーナッツなんかのほうが、よっぽど危険です。(これは常識になっているのでしょうか?)

そもそも、すべてのリスクをゼロにしたり悲劇をなくしたりするなんてことはそもそもムリなのです。
半ばあきらめながらも、そこそこのところで妥協しつつ、なんとかしていくというものでしょう。

縄文時代に最初に河豚に当たってなくなったときにも同じような議論がまきおこったのでしょうかね?

注意すれば問題のないこんにゃくゼリー会社をいじめて、個人の注意努力ではどうしようもない汚染米や産地や賞味期限の偽造を放置しているなんて本末転倒です。(医療の現場でも同じ構図は、しょっちゅうみられます。)

ま、こんなことは、しょせんおつむの悪い政治家のウケをねらったパフォーマンスでしょうな。
自らの頭の悪さをアピールしているだけと、気づくことはあるんでしょうか?

世の中、こんなことばっかでつくづくいやになります。

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1179983.html
↑2chでも、わりと面白い議論になっています。