我々は本当につながりを持たずとも生きていけるような社会を望んでいるのだろうか?
たとえば街の理容室。
たくさんのアルバイトの理容師でまわす、カットのみで1000円~1500円の安い店が増えている。
そんな店では客も理容師もコミュニケーションはもとめず、早くすますことのみを考えているようだ。
スナップ写真のようなその場限りの、自動販売機のようなワンパターンの、テープレコーダーのような個別性を無視した対応。
安さ、スピードという価値のみを重視したそのあり方は忙しい心を亡くした社会の象徴のように思える。
そんなコミュニケーションのない夢の無い理容の仕事がいやで、独立して自分でお店をもったある理容師さん。
予約制だから一時間に一組。
「独立してから一人ひとりといろんなことをはなせるようになってつながりができた。」と若い店主。
美容室や理容室に髪の手入れに行くときに我々は何を求めているのだろうか?
自宅や施設や病院に出張する福祉理容も広まっている。
高齢者も障がい者も髪を切り整えてもらうとイキイキする。
自分を多少なりとも知ってくれている人がいて、たわいのない会話をして・・・。
そういうことが精神障害のリカバリーには大変重要な意味を持つ。
「この世の中に居場所がある。自分も生きていていいのだ。」という自己肯定感を育むことができる。
幻聴や被害妄想、認知機能の障害で苦しむ統合失調症の青年。
「自分は勝ち負け、早い遅いを争ってはいけない人間なのかな?
もっと自分に優しくなろう、他人にももっと優しくなれるのかも?
俺の病気は、自分自身が家庭、世の中にでても何かしら自分の存在を中心にしたがるというか、自分が中心だと勘違いしている。
一匹狼。会話でも勘違いしている。
世の中みんなで支え合って回っているのに、自分の考えが少し通じないだけで悪循環の方へ回り出す。
被害妄想や幻聴があってなかなか難しい。
マイナス思考だけで考えがち。
何回も入院したならその経験をプラスに考えよう。
マイナスすぎではなく、プラスすぎではなくちょうどよいところをさがす旅かもしれないね。」
彼は私に統合失調症という病気や障害のことを教えてくれる師匠でもある。
頼りにならない主治医とともに、ぎこちない思考や不器用な行動と悪戦苦闘しながら旅の途中。
そんな彼はなじみの理容室に何年も通っている。
つきあいが長くなって自分の体験世界のこともはなせる関係だ。
時には愚痴もこぼす。
「幻聴は悪いこともあれば、いいアドバイスをくれることもある」ということを話したら、その理容師さんは「アドバイザーだね。」と返してくれたとうれしそうに話してくれた。
そんな場所が街の中に一つまた一つと増えていけば精神障害とともに生きるひとたちはどれだけ楽に生きていくことができるだろう。
たとえば街の理容室。
たくさんのアルバイトの理容師でまわす、カットのみで1000円~1500円の安い店が増えている。
そんな店では客も理容師もコミュニケーションはもとめず、早くすますことのみを考えているようだ。
スナップ写真のようなその場限りの、自動販売機のようなワンパターンの、テープレコーダーのような個別性を無視した対応。
安さ、スピードという価値のみを重視したそのあり方は忙しい心を亡くした社会の象徴のように思える。
そんなコミュニケーションのない夢の無い理容の仕事がいやで、独立して自分でお店をもったある理容師さん。
予約制だから一時間に一組。
「独立してから一人ひとりといろんなことをはなせるようになってつながりができた。」と若い店主。
美容室や理容室に髪の手入れに行くときに我々は何を求めているのだろうか?
自宅や施設や病院に出張する福祉理容も広まっている。
高齢者も障がい者も髪を切り整えてもらうとイキイキする。
自分を多少なりとも知ってくれている人がいて、たわいのない会話をして・・・。
そういうことが精神障害のリカバリーには大変重要な意味を持つ。
「この世の中に居場所がある。自分も生きていていいのだ。」という自己肯定感を育むことができる。
幻聴や被害妄想、認知機能の障害で苦しむ統合失調症の青年。
「自分は勝ち負け、早い遅いを争ってはいけない人間なのかな?
もっと自分に優しくなろう、他人にももっと優しくなれるのかも?
俺の病気は、自分自身が家庭、世の中にでても何かしら自分の存在を中心にしたがるというか、自分が中心だと勘違いしている。
一匹狼。会話でも勘違いしている。
世の中みんなで支え合って回っているのに、自分の考えが少し通じないだけで悪循環の方へ回り出す。
被害妄想や幻聴があってなかなか難しい。
マイナス思考だけで考えがち。
何回も入院したならその経験をプラスに考えよう。
マイナスすぎではなく、プラスすぎではなくちょうどよいところをさがす旅かもしれないね。」
彼は私に統合失調症という病気や障害のことを教えてくれる師匠でもある。
頼りにならない主治医とともに、ぎこちない思考や不器用な行動と悪戦苦闘しながら旅の途中。
そんな彼はなじみの理容室に何年も通っている。
つきあいが長くなって自分の体験世界のこともはなせる関係だ。
時には愚痴もこぼす。
「幻聴は悪いこともあれば、いいアドバイスをくれることもある」ということを話したら、その理容師さんは「アドバイザーだね。」と返してくれたとうれしそうに話してくれた。
そんな場所が街の中に一つまた一つと増えていけば精神障害とともに生きるひとたちはどれだけ楽に生きていくことができるだろう。