安曇総合病院が今後どのような方向に舵をむけるのか。
本当に脳卒中や心筋梗塞の急性期医療をおこなえるように救急を強化し、ICUをつくり、がん診療連携拠点病院をめざすのか。
病院内でも話し合いがはじまっている。
地域医療の方向性を考える地域医療部会でも各部署から有志があつまりブレインストーミングをおこなった。
大きな方向性として
「高齢者の医療(自分からは動けない人・・。長期にわたる医・福祉・支援を必要とする人。緩和ケア、リハビリテーション、精神医療、予防医療、慢性疾患)を少ない資源を利用しながら先進的に組み立てていきたい」
ということを訴えていきたいということになった。
突然とってつけたような急性期医療を、唐突につくるというのも無理がある。
急性期と言っても遠方の長野市、松本市から患者が来るわけではない。この地域の高齢者が来るのである。
整形外科と内科(+外科)と精神科を3本柱とする安曇総合病院は、内科医がまだ少ないが地域の高齢者を支えるのにそこそこバランスのとれた陣容となっている。
待てない救急医療をどこまでやるかということはあるが、一次的な我慢をすればキュアを目指せる人は、人口集積地の大病院なりに行ってもらい、回復期リハビリテーション、生活期、緩和ケアなどをしっかり支えることのできる体制をつくるのが良いのではないか。
そのために、もう少しそれぞれの部署、チームが今の延長線上でレベルアップをすることが必要だろう。
がん拠点病院を目指して、がんの放射線治療機器をいれるというのと、今にも崩れそうな地震がくれば壊れる、水漏れする病棟を治そうというのは次元の違う話しである。
招聘するとしても放射線治療医よりは一般内科医のほうがどう考えても先だろう。
また、がん検診や心房細動に対する抗凝固療法の導入や糖尿病のコントロールなど、とりうる予防策をとらないでいて、脳卒中や心筋梗塞など急性期だけを求めるのもおかしな話しである。
脳神経外科や循環器内科医も専門だけやるというつもりでは来ては活躍できる場が少なく困惑すると思う。
多少高度医療、急性期医療に振ったところで若い人が専門的な研修にくる規模な病院でもない・・。
それと「再構築」という言葉はあまり使わない方が良いと思う
全てが、いっぺんに変わるような印象をあたえるが、あまりに漠然として何を指すのかがわからず実感がわかない。
職員も自分も関係のあることだという意識を持ちにくい。
目指すべき理想像や方向性を打ち出すのは良いと思うが、改善では何故いけないのか。
背景人口の少ない地域での中途半端な急性期展開は乏しい医療資源を有効活用する集約化の流れに反する。
地域エゴを優先すると、結局、地域にとって不利益につながる。
つくづく政治家や現場を離れたものがみているものと、現場でみえているものは違うのだと感じる。
その意味で選挙の人であり地元の人である政治家と、本来的によそ者であり免許の人である医師は対立しがちである。
医師は有限な医療福祉資源を優先順位をつけて分配することを役割として求められている。
広い意味でのトリアージといえるだろう。(レーショニングともいうらしい。)
限られたリソースを優先順位をどうつけて使うか考え、しっかりと地域住民に対して訴えていくのも医師の役割であろう。
(もっとも本来政治家もそういう役目のはずなのだが・・。)
「あたたかな急性期」というコンセプトで急性期シフトした諏訪中央病院は諏訪日赤が高度化されてきわめて、極めて中途半端な状態になってしまった。しかし総合診療方式にシフトし地域の病院、臨床研修病院としてまずまず成功している。
同じく諏訪地方、長野と山梨の県境にある富士見高原病院は規模の割には急性期医療も頑張っているが、富士見医療福祉センターと高齢者福祉へのシフトを明確に打ち出している。
病院の理念は「遠くの親戚より、近くの高原病院」だそうで、グループホーム、老健などを次々と展開している。
(富士見高原病院)
大北地域の課題は高齢者には居住福祉の不足であり、施設が利用者を選んでおり、病院には身体的、社会的に問題をかかえた人が取り残される。社会構造の変化で若い人には働く場所がない、障害をかかえている者ならなおさらだ。
病院の理念である「安曇野ホスピタリティ」も悪くはないが、あまりに漠然としていて意味がよく分からない。
「地域と患者のニーズに向き合い、地域とともに歩む、なげださないていねいな医療。」くらいが良いのではないか。
それを実現するためのコンセプトとして「地域循環型医療」というのを提案したい。
実際には地域一体型カルテ(PHR、お薬手帳からの発展)、アウトリーチ、在宅訪問診療のシステム化などを推進し、この地域に多い淡々と医療をおこなっている町医者的な開業医の先生と地域医療のレベルの底上げをおこなうのが良いと思う。
また安曇総合病院と大町総合病院の連携、協業、統合をすすめていくべきだ。
同じ地域で医療を支えているんだと言う雰囲気をつくるために人を増やし、全体のレベルアップ(職種、職域、地域シームレスに)、手を変え品を変えた勉強会の開催(大町病院、医師会、多職種)していくのが良いだろう。
一方で医療を通じて地域自体の活性化に貢献することも必要だ。
目指すのは老いても障害をおっても安心して暮らしていける「福祉の街づくり」だろう。
本当に脳卒中や心筋梗塞の急性期医療をおこなえるように救急を強化し、ICUをつくり、がん診療連携拠点病院をめざすのか。
病院内でも話し合いがはじまっている。
地域医療の方向性を考える地域医療部会でも各部署から有志があつまりブレインストーミングをおこなった。
大きな方向性として
「高齢者の医療(自分からは動けない人・・。長期にわたる医・福祉・支援を必要とする人。緩和ケア、リハビリテーション、精神医療、予防医療、慢性疾患)を少ない資源を利用しながら先進的に組み立てていきたい」
ということを訴えていきたいということになった。
突然とってつけたような急性期医療を、唐突につくるというのも無理がある。
急性期と言っても遠方の長野市、松本市から患者が来るわけではない。この地域の高齢者が来るのである。
整形外科と内科(+外科)と精神科を3本柱とする安曇総合病院は、内科医がまだ少ないが地域の高齢者を支えるのにそこそこバランスのとれた陣容となっている。
待てない救急医療をどこまでやるかということはあるが、一次的な我慢をすればキュアを目指せる人は、人口集積地の大病院なりに行ってもらい、回復期リハビリテーション、生活期、緩和ケアなどをしっかり支えることのできる体制をつくるのが良いのではないか。
そのために、もう少しそれぞれの部署、チームが今の延長線上でレベルアップをすることが必要だろう。
がん拠点病院を目指して、がんの放射線治療機器をいれるというのと、今にも崩れそうな地震がくれば壊れる、水漏れする病棟を治そうというのは次元の違う話しである。
招聘するとしても放射線治療医よりは一般内科医のほうがどう考えても先だろう。
また、がん検診や心房細動に対する抗凝固療法の導入や糖尿病のコントロールなど、とりうる予防策をとらないでいて、脳卒中や心筋梗塞など急性期だけを求めるのもおかしな話しである。
脳神経外科や循環器内科医も専門だけやるというつもりでは来ては活躍できる場が少なく困惑すると思う。
多少高度医療、急性期医療に振ったところで若い人が専門的な研修にくる規模な病院でもない・・。
それと「再構築」という言葉はあまり使わない方が良いと思う
全てが、いっぺんに変わるような印象をあたえるが、あまりに漠然として何を指すのかがわからず実感がわかない。
職員も自分も関係のあることだという意識を持ちにくい。
目指すべき理想像や方向性を打ち出すのは良いと思うが、改善では何故いけないのか。
背景人口の少ない地域での中途半端な急性期展開は乏しい医療資源を有効活用する集約化の流れに反する。
地域エゴを優先すると、結局、地域にとって不利益につながる。
つくづく政治家や現場を離れたものがみているものと、現場でみえているものは違うのだと感じる。
その意味で選挙の人であり地元の人である政治家と、本来的によそ者であり免許の人である医師は対立しがちである。
医師は有限な医療福祉資源を優先順位をつけて分配することを役割として求められている。
広い意味でのトリアージといえるだろう。(レーショニングともいうらしい。)
限られたリソースを優先順位をどうつけて使うか考え、しっかりと地域住民に対して訴えていくのも医師の役割であろう。
(もっとも本来政治家もそういう役目のはずなのだが・・。)
「あたたかな急性期」というコンセプトで急性期シフトした諏訪中央病院は諏訪日赤が高度化されてきわめて、極めて中途半端な状態になってしまった。しかし総合診療方式にシフトし地域の病院、臨床研修病院としてまずまず成功している。
同じく諏訪地方、長野と山梨の県境にある富士見高原病院は規模の割には急性期医療も頑張っているが、富士見医療福祉センターと高齢者福祉へのシフトを明確に打ち出している。
病院の理念は「遠くの親戚より、近くの高原病院」だそうで、グループホーム、老健などを次々と展開している。
(富士見高原病院)
大北地域の課題は高齢者には居住福祉の不足であり、施設が利用者を選んでおり、病院には身体的、社会的に問題をかかえた人が取り残される。社会構造の変化で若い人には働く場所がない、障害をかかえている者ならなおさらだ。
病院の理念である「安曇野ホスピタリティ」も悪くはないが、あまりに漠然としていて意味がよく分からない。
「地域と患者のニーズに向き合い、地域とともに歩む、なげださないていねいな医療。」くらいが良いのではないか。
それを実現するためのコンセプトとして「地域循環型医療」というのを提案したい。
実際には地域一体型カルテ(PHR、お薬手帳からの発展)、アウトリーチ、在宅訪問診療のシステム化などを推進し、この地域に多い淡々と医療をおこなっている町医者的な開業医の先生と地域医療のレベルの底上げをおこなうのが良いと思う。
また安曇総合病院と大町総合病院の連携、協業、統合をすすめていくべきだ。
同じ地域で医療を支えているんだと言う雰囲気をつくるために人を増やし、全体のレベルアップ(職種、職域、地域シームレスに)、手を変え品を変えた勉強会の開催(大町病院、医師会、多職種)していくのが良いだろう。
一方で医療を通じて地域自体の活性化に貢献することも必要だ。
目指すのは老いても障害をおっても安心して暮らしていける「福祉の街づくり」だろう。