新築移転した特養に初めて訪問した。
もともとの雰囲気も残しつつ木もふんだんに使ったぬくもりのあるデザインで新しく広く個室も増えユニットケアとなっていた。
広いホールの周囲に個室を中心とした部屋が点在する造りのユニットが3つある造りだ。
しかしユニットをまたいで自由に動けなくなり、また似たような部屋がならび利用者が自分の部屋に帰れず迷ってしまっていた。
引越ししたばかりの利用者に聞くと「むつかしい」「さみしい」「広すぎる。狭い方がいい」「前のところに帰りたい」とあまり評判がよくない。
夜に「竹槍をもった知らない人が入ってくる」とせん妄になった人もいた。
まだ引っ越したばかりでリロケーションダメージがあるのは仕方がないが、だれもが個室やユニットケアがいいと言うのは壮年世代が考えた自世代中心主義であり、戦前に生まれた今の高齢者世代はお互いの気配を感じられるくらいの距離感がいいのかもしれない。
団塊の世代以降の人は完全個室を希望する人がおおいだろうが、今は病院の老年期エリアでも結局畳スペースが人気だ。
もちろん全館暖かいし、もともとは個室が少なくて声をあげる人や体温調節が難しい人がいられる場所がなかったりということは問題になっていたので新しくなって良かったとは思う。
天然採光をとりいれた平屋建ての建物で中庭の植え込みも整然としておりこぎれいなリゾートホテルのような雰囲気だ。(緩和ケア病棟などをもつ病院もこのような雰囲気かもしれない。)
これではショートスティとかでたまに来るにはいいかもしれないがずっと住むには生活感がなくいつまでもお客さんのような感じで落ち着かなくなりそうではある。
生活感をだしオリエンテーションをつけるために壁に絵などの作品を壁にならべたりするなどもう少し雑然とさせた方がいいだろうし、居室には個人の思い出の品などをもっと持ってくればいいと思った。
山の中の集落で半自給の生活をしていた方で認知症が進みHDS-Rが一桁くらいになっても近所の人に見守られながらほぼ自立の生活をされている方もいる。火さえ出さなければ、農村の暮らしは認知症の人にはやさしいのかもしれない。
こういった方が小洒落た施設に来ても落ち着かないだろう。
どんな環境で暮らして来た方が多い土地かと言うことを考えずに施主や設計者の好みで住みたいような施設をつくるのはいただけない。
こことは別の施設だが農村部の田舎の有料老人ホームで誰にも使われていないビリヤード台を見た時には驚いた。
まさに設計者の自世代中心主義、というか自分中心主義であろう。
一度作ってしまったら長く使われるのだから病院や施設など建物はあまり凝ったものにはせずにあとからでもいろいろ応用が効くようにシンプルなものにして、利用者と現場のスタッフが工夫できるようにするのがベストなのだろうと思う。
もともとの雰囲気も残しつつ木もふんだんに使ったぬくもりのあるデザインで新しく広く個室も増えユニットケアとなっていた。
広いホールの周囲に個室を中心とした部屋が点在する造りのユニットが3つある造りだ。
しかしユニットをまたいで自由に動けなくなり、また似たような部屋がならび利用者が自分の部屋に帰れず迷ってしまっていた。
引越ししたばかりの利用者に聞くと「むつかしい」「さみしい」「広すぎる。狭い方がいい」「前のところに帰りたい」とあまり評判がよくない。
夜に「竹槍をもった知らない人が入ってくる」とせん妄になった人もいた。
まだ引っ越したばかりでリロケーションダメージがあるのは仕方がないが、だれもが個室やユニットケアがいいと言うのは壮年世代が考えた自世代中心主義であり、戦前に生まれた今の高齢者世代はお互いの気配を感じられるくらいの距離感がいいのかもしれない。
団塊の世代以降の人は完全個室を希望する人がおおいだろうが、今は病院の老年期エリアでも結局畳スペースが人気だ。
もちろん全館暖かいし、もともとは個室が少なくて声をあげる人や体温調節が難しい人がいられる場所がなかったりということは問題になっていたので新しくなって良かったとは思う。
天然採光をとりいれた平屋建ての建物で中庭の植え込みも整然としておりこぎれいなリゾートホテルのような雰囲気だ。(緩和ケア病棟などをもつ病院もこのような雰囲気かもしれない。)
これではショートスティとかでたまに来るにはいいかもしれないがずっと住むには生活感がなくいつまでもお客さんのような感じで落ち着かなくなりそうではある。
生活感をだしオリエンテーションをつけるために壁に絵などの作品を壁にならべたりするなどもう少し雑然とさせた方がいいだろうし、居室には個人の思い出の品などをもっと持ってくればいいと思った。
山の中の集落で半自給の生活をしていた方で認知症が進みHDS-Rが一桁くらいになっても近所の人に見守られながらほぼ自立の生活をされている方もいる。火さえ出さなければ、農村の暮らしは認知症の人にはやさしいのかもしれない。
こういった方が小洒落た施設に来ても落ち着かないだろう。
どんな環境で暮らして来た方が多い土地かと言うことを考えずに施主や設計者の好みで住みたいような施設をつくるのはいただけない。
こことは別の施設だが農村部の田舎の有料老人ホームで誰にも使われていないビリヤード台を見た時には驚いた。
まさに設計者の自世代中心主義、というか自分中心主義であろう。
一度作ってしまったら長く使われるのだから病院や施設など建物はあまり凝ったものにはせずにあとからでもいろいろ応用が効くようにシンプルなものにして、利用者と現場のスタッフが工夫できるようにするのがベストなのだろうと思う。
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