時のしずく

COCCOのフォトダイアリー

東博に初詣 2015年 (その1 羊がいっぱい編)

2015年01月03日 20時57分16秒 | 美術・工芸

あけましておめでとうございます(^^♪

1月2日は毎年恒例、東博に初詣に行ってきました。博物館の前庭で行われる太鼓の演奏が楽しみなんです(笑)

今年は女性の創作太鼓のグループ『婢弥鼓(ひみこ)』の演奏でした。さいたま市を中心に活動しているそう。軽やかなリズムの太鼓で、今まで聴いた太鼓のグループの中では、一番演奏している人たち自身が楽しそう。

自分たちがデザインしたと思われる衣装で、髪をなびかせて叩く姿は男性の和太鼓とは違って、本当に、本当に楽しそう!!!体にずんずんくる野太い太鼓もいいけど、こんな軽やかな女性の太鼓も良かった。正直、泣けてきました。自由な感じにやられちゃったようです。


本道の博物館のほうは、最近すごくはまっている茶碗をたくさん見ました。中国、韓国、日本の古い茶碗たち、本当に綺麗でした。また、シャッター押した後で、何回も「綺麗」って呟いてしまいました。ちょっと、ハイテンション!茶碗の写真は画像処理してからアップします。ごめんなさいm(__)m

今年も干支の羊にまつわる品々がたくさん展示されていたので、その写真をアップします。


※2014年の東博の初詣の様子はコチラ

 

●瑶銭樹:中国四川省出土 後漢時代


●羊頭部形垂飾:地中海東部もしくはカルタゴ出土 BC7~6世紀

 可愛い!ペンダントトップのように使われていたらしいけど、東博で復刻してミュージアムショップで売ってほしい!


●十二神将立像(羊神):日本、鎌倉時代 13世紀

●日本の絵巻物の一部だけど、詳細不明ですm(__)m


●羊:韓国江原道、朝鮮時代 18~19世紀


「生誕120年記念 濱田庄司展」に行ったよ♪

2014年08月23日 23時15分11秒 | 美術・工芸

先週、日本民芸館で「生誕120年記念 濱田庄司展」を見てきました。

濱田の作品はおおらかで力強く、それでいて品があって大好きです。特に、「流し掛け」の器にはいつも感嘆させられます。

このひしゃくで釉薬をかける「流し掛け」の技術に、「わずかな時間しかかからないのに、高価なのはなぜか?」と問われた濱田が「これは15秒プラス60年と見たらどうか」と答えたという有名な逸話がありますが、これは瞬時の釉がけに、陶芸人生の全てが入っている、と言わんとしたのでしょう。

陶芸教室に少し通ったことがありますが、ひしゃくで釉薬をかけるのは簡単だけど、結果を出すのは超難しいことが良くわかりました。(そんなのやる前からわかるって!15秒プラス0年にはそれなりの結果しかでません。)

昨年、濱田の窯があった益子に行ったのですが、また今年も行きたくなりました。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 民芸館の搬入口にムクゲの花がたくさん咲いていました。

この花は以前にも書いたように民芸運動にゆかりのある韓国の国花ですが、この美しいピンクの花を見ていたら、若い時に見た濱田の作品を思い出しました。

若いころ、旅行でご一緒したご夫婦にご自宅に招かれたことがあるのですが、そのご夫婦が濱田と親交があり、直接益子の濱田を訪ねて求めたという蓋付きのスープボールを見せてくださいました。半径25cmくらいはあったでしょうか。

これが、なんと、全体が美しいピンクだったのです。ちょうど、このムクゲの花の色のように明るくって、それでいて深い奥行きのあるピンクだったんです。「この色はもう出せない。」って濱田さんが言ってたんだよ。とご主人から伺ったのですが、その時はまだそんなに焼き物に興味もなかったし、そっけない返事しかしなかったような記憶があります。

濱田の作品をたくさん見てきたほうだと思いますが、濱田のピンクの作品はあれ以外に見たことがありません。今回の展覧会にもありませんでした。

あの時はその貴重さが分からなかったけれど、今思い返してみれば、濱田のピンクの作品・・・しかもあんなに大きな作品は、民芸館の学芸員や研究者にも見ていただきたいくらい珍しい作品だと思います。

幻の濱田のピンクをもう一度見たい。


最近のいろんなこと  -美術展・映画- 

2014年08月07日 02時41分27秒 | 美術・工芸

いろんなことをブログに書きたいのだけれど、今、それどころじゃないです。でも書き残しておきたくって、とりあえずこんな感じでまとめておきます。

●『台北 國立故宮博物院 神品至宝』展---あこがれの汝窯

東京国立博物館で開かれている『台北 國立故宮博物院 神品至宝』展を見てきました。書や絵画、工芸品等たくさんあり、どれも貴重な作品ばかりでしたが、私は陶磁器を見るのに時間をさきました。大好きな汝窯の作品が来ていたからです。

世界に70点くらいしか残っていない青磁の最高峰「汝窯」。その中でも「青磁輪花碗」は可憐な形と美しい色で人気がある作品です。私も台北で何回か見たのですが、まさか東京でも見られるとは思っていませんでした。(台湾故宮博物院の収蔵品は台湾と中国の関係がデリケートなので今まで日本には持ち込めなかった)汝窯の歴史や美しさについて、自分なりにまとめたいし、今回、日本に来なかった「青磁無紋水仙盆」のことも書きたい。・・・もしかすると猫好き男子だったかもしれない乾隆帝とこの「青磁無紋水仙盆」の逸話のことを・・・。でも時間がありません(泣)

台湾・故宮博物院のHPはとても充実していて、日本語バージョンもあり、3Dで作品も見られるのでお勧めです。

青磁輪花碗


 


●映画『SAYAMA みえない手錠をはずすまで

5月に八王子で見た映画SAYAMA みえない手錠をはずすまでについて、ちゃんとした感想を何回か書こうとしたけど、思いがあふれてしまって、まとめきれませんでした。

だいぶ昔になりますが、被差別のまちづくり(地域計画)に係って、被差別に半年間住み、住民の方々と話し合いながら計画を作ったことがあります。その後もいろいろあって、差別の問題は私のそれからの生き方に大きく影響しました。映画を見ていて、いろんなことを思い出したり、今後のことを考えたり・・・。

映画のテーマでもある狭山事件の犯人とされた石川一雄さんの無実の訴え。このような冤罪を作ってしまう差別が本当に早くなくなってほしいと思います。この映画は家族愛や差別を受けた人々の温かさも素敵に描かれた明るい映画なので、差別のことを知らないというたくさんの人たちにも見てもらいたいです。

それに、私もこれからの人生をもっと昔のようにアグレッシブに生きたい。 『人に熱あれ!人に光あれ!』です。



●『ボストン美術館、華麗なるジャポニズム展』---久しぶりに印象派に胸キュン

世田谷美術館で『ボストン美術館、華麗なるジャポニズム展』を見てきました。

学生の頃、印象派の作品がとても好きでした。研修旅行でパリに寄った時には時間に限りがあったので、ルーブル美術館に行かずに印象派美術館(今のオルセー美術館の前身)にずっと居たくらいです。年齢を重ねるごとに欧米の美術への関心が薄らいできて、最近は印象派の絵を見ることもなくなっていたので、久しぶりでした。

この展覧会はボストン美術館で公開しながら修復したというクロード・モネの『ラ・ジャポネーズ』、その修復が完成したのがきっかけで開催されたようですが、この作品は確かに迫力がありました。これ1枚だけ見るだけでも価値はあると思いますが、日本の浮世絵や工芸品などとその影響をダイレクトに受けた印象派をはじめとする欧米の絵画、工芸品、写真の比較がとても面白く、出品数も多くって見ごたえもありました。(時間があれば、何に印象派の画家たちがインパクトをうけたのか等々をまとめたいです。私が写真を撮る上でも参考になる構図のこととかetc.・・・。でも、時間がない。)

今回、とても好きな日本の作品と印象派の作品を交互に見比べていたら、不思議なことに、印象派の風景画に学生時代に感じたのと同じ胸キュンを感じました。10代の頃の気持ちを思い出せて最高でした。


 

また、マグカップを買ってしまいました↓ 


栗田美術館に行って来ました♪

2014年01月17日 03時39分43秒 | 美術・工芸
栃木県足利市にある伊万里や鍋島の陶磁器を展示している「栗田美術館」に行って来ました。

友人に誘ってもらうまで知らなかった美術館でしたが、わざわざ東京から行ってよかったと思える美術館でした。
小さな山も含めた3万坪という広~い敷地にたくさんの建物があって、庭も美しいし、神社や茶室もあるし・・・山草園までありました。ピクニック気分で来てもよさそう♪

「伊万里・鍋島を所蔵する世界最大級の美術館」と謳っているとおり、コレクションは個人が収集したとは思えないほどの充実ぶりです。資料館も、伊万里の歴史や作品の変遷などが分かりやすく展示されていて、見入ってしまいました(^O^)

伊万里というと、ヨーロッパ等にも輸出されたド派手で大きな「金襴手」の壺や皿などがインパクトがありすぎて、あまりいい印象がなかったし、「柿右衛門様式」の作品も赤の発色についての逸話が良く知られていますが、私には描かれている絵が力が弱い気がしてそんなに好みではなかったのですが・・・

展示を見ていると、これらを収集した栗田英夫さん(元衆議院議員・平成8年没)が、大作や名作ではない日常使いの器などにも無名の陶工の深い含蓄を感じて、これらを深く愛していることが良く分かります。私も素朴な初期伊万里や中期の伊万里の作品に、心打たれるものが多くありました。
そうそう、伊万里にも「青磁」や「白磁」の品があるんですね。台北の故宮博物館や東京国立博物館で見た龍泉窯の壺と似たものもありました。青磁も艶やかで品が良くっていいですね♥

それに、もともと大好きな鍋島もたくさんあって、ホント、嬉しかったです。
鍋島は、絵に独特な雰囲気があって、絵を見れば鍋島って私でもわかります。その絵はおおらかでのびのびしていながら、現代のモダンデザインにも通じるところがあって、とってもおしゃれ!
・・・なんとなく見ているとニッコリ(#^.^#)しちゃうんですよね~♪ 

帰りに、栃木県下都賀郡岩舟街にある「みかも山公園」の大温室に寄って、見慣れない南国の花も撮ってきました。
花の写真を撮るのは楽しい!

っていうことで、楽しい楽しい有給休暇の一日でした(^O^)

●栗田美術館の本館




●栗田美術館 陶磁会館(正面)とミュージアムショップ(右手)



●みかも山公園の温室にて ドンベア(アフリカ・マダガスカル原産 アオギリ科)


●タッカ・シャントリエリ(タロイモ科)




あっ、肝心の陶磁器の写真がありません。撮影禁止だったので・・・許されたしm(_)m










博物館へ初詣

2014年01月08日 03時00分23秒 | 美術・工芸
1月2日は東京国立博物館(トーハク)に初詣に行くのが、5年くらい前からの恒例になってます。
年を追うごとに来館者が増えているのは、お正月の博物館が楽しいことを皆も知ってきたからでしょう。

その年の干支にちなんだ展示品の特別公開などもあるのですが、実は、私の一番の楽しみは前庭で行われる和太鼓の演奏(^O^)
今年は秩父農工科学高校が秩父屋台囃子を演奏しました。

昨年までは創作作品を演奏する和太鼓グループだったので、「お囃子なんてつまんな~い」と思ったのですが、聴いてビックリ!
有名な秩父夜祭で演奏されるお囃子は、なだらかな場所を屋台が進む時の曲と、急な坂を行く時、方向転換する時など、すべて違う曲で、変化に富んでいて、聴いていてとってもワクワク。この演奏で2回も文化庁長官賞を受賞したそう。
伝統的で魅力的な若者の演奏って・・・なんてお正月の博物館にぴったりなんでしょう!

たくさん写真を撮りましたが、ふっと隣を見ると、ロマンスグレーのおじさまが、小さなスケッチブックでクロッキーを描いています。
素早く走らせている鉛筆の線が的確に動きを捉えているし、髪をなびかせて太鼓を打つ女の子を実物以上に魅力的に描き上げてます。シロートの趣味の絵じゃない気がしました。何枚もあっという間に描いてます。
ここは東京芸術大学が近所だし、美術館もたくさんある場所だし、もしかするとプロなのかも。
いいものを見ることもできました(^O^)

お正月のトーハクはこんな感じ↓でした。(説明の写真になってしまっていますが、しょうがないですね)


09 超大型の門松  



08 馬を切る (切り紙細工。お話がおもしろい。) 



03 若者と伝統 (秩父屋台囃子を演奏する高校生たち)


04 お正月 (こんな大きな生花を生けてみたい)


05 賑わう (人気の等伯の国宝・松林図屏風の絵にはこんな人だかり)


06 三彩の馬  (昔の物にしては派手な色合いがあまり好みではなかったのに、台北で出会った三彩の馬に急に涙が出てしまい困ったことがあります。足や首、顔の表情などから、生命力の強さを感じて感動したのだと、後で自分を分析しましたが、正直どうして涙が出たのかはわかりません。けど、それ以来、気になるヤツです。)


07 馬 


10 鍋島(鍋島の絵はおおらかさが感じられて好きです。鍋島藩のお殿様の好みだったのでしょうか?)



01 不動明王 (ウインクしているように見えます。この右目を見開き、左目は眇(すが)め、右下の牙で上唇を、左上の牙で下唇をかむのは、9世紀末に流行したスタイルだそう。)


02 アップ


ペルシャを思う (ガラスは人の心を捉えて離さない魅力があります。)