2015年 2月14日(土)
港区 畠山記念館にて
バレンタインデーに女友達と「THE 琳派展」に行ってきました。
畠山記念館は荏原製作所の創立者の畠山一清氏が集めた茶道具のコレクションを中心に展示している小さな博物館です。白金の静かな住宅街にあり、建物も日本庭園もどれも趣味が良くって、都内のお気に入りの場所の一つです。
それに小さくて収蔵品の数は少ないのに国宝をはじめ素晴らしい物が多い博物館!畠山一清氏が素晴らしい数寄者であり、その精神が引き継がれているからでしょう。
この畠山記念館が開館50年を記念して、琳派コレクションの展覧会「THE琳派」を開催しました。
14日は1点1点を約1時間かけてキュートな女性の学芸課長が解説してくれました。解説の時間はものすごい人でごった返していました。前週のTV日曜美術館でこの展覧会が取り上げられた影響もあると思いますが、茶道具や日本画等々を鑑賞するには多すぎです。でも、上野の美術館などで人がごった返すのとは雰囲気が違って、あんまり嫌な感じがしませんでした。
今回の展覧会も私の好きな「下絵・俵屋宗達、書・本阿弥光悦」の作品がありました。重要文化財に指定されている「金銀泥四季草花下絵古今集和歌巻」で、これもまたすばらしかったです。巻物の中段が見られるようになっていたのですが、小さな蕾のついている梅の枝がすっ、すっと伸びている絵に、細く早い筆でさらっと和歌が書かれ、なでしこの花の絵に変わったところで、太い筆跡に変わります。(私に和歌の教養があれば、もっと深く理解できるのに・・・と悔やみますが、しょうがない。)本当に、絵を見ていると音楽が聞こえてくるのです。もし、この巻物を手に取って、巻きながら見ることができるのなら、よけいそう感じると思います。(できるなら、そんなことしてみたい!)
この「下絵・俵屋宗達、書・本阿弥光悦」の作品はいくつか作られていますが、これらの作品群を学芸員の方たちは『若松』と愛称で呼んでいるということでした。これからは、私も学芸員の方のように『若松』と愛称で呼びたい。
展示されていた茶道具の中では、なんてたって、重要文化財に指定されている本阿弥光悦の「赤楽茶碗 銘 『雪峯』」が圧倒的な存在感でした。構台が小さかったらしく、焼いている途中で割れたお椀を金で継いで完品とした本阿弥光悦はすごい感性の持ち主だと思いました。(茶道具は割れを面白さとして見るのがこのころから始まったらしいのですが・・・)
美意識は時代によって変化するのに、この時代を超えて共感できるのはどういうことなんでしょう? 永遠の美と言うのがあると信じても良いのでしょうか?
●畠山記念館
(畠山記念館HPから)
●赤楽茶碗 銘 雪峯 本阿弥光悦作
腰から胴にかけて丸く張り、鞠のように円満な姿をしているこの赤楽茶碗は、「光悦七種」の一つに数えられる。全体にやや厚めで、内側に抱え込むような口縁から胴、高台にかけて、太くて大きな火割れがあり、いずれも金粉漆繕いが成されている。「雪峯」の銘は、一方の口縁から胴にかけてなだれるようにかけられた白釉を、山嶺に降り積もる白雪に、また火割れを雪解けの渓流になぞらえて、光悦自ら命銘したといわれる。(畠山記念館HPから)
●重要文化財《金銀泥四季草花下絵古今集和歌巻》本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵
本阿弥光悦と俵屋宗達が共同制作した金銀泥下絵和歌巻は、京都国立博物館の重要文化財《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》などが知られていますが、こちらも極めて質が高い逸品です。
下絵の宗達は、線を描かずに濃淡だけで描く「没骨法(もっこつほう)」で、四季を表現。光悦は古今和歌集から十九首の和歌を選び、絶妙なリズムで文字を配しました (畠山記念館HPから)