昼ごろ乗った地下鉄。ロングシートの真ん中4人分くらいを占領して30代くらいの男が眠りこけていた。
…あー、酔っ払いか。
忘年会シーズンのこの時期は、電車での酔っ払いとの遭遇率が本当に高い。
車両の向こうの床は、汚物なのか、何かの飲み物でもこぼしたのか、床一面が黒く汚れている。
電車は徐々に立ち客も多数出るほど混んできたけど、
寝ている男の周りだけはぽっかり空いている。
このざわざわした状況でも眠り続けられるとは、もしかして死んでるのか?
…あっ、ちょっと目元が動いた。どうやら生きてるようだ。
まあ、別に死んでてもいいけどさ。
「見境のなくなる酔っ払い」は僕が大嫌いなものの一つで(「可愛らしい酔っ払い」は大好きだが)、
そういう奴ら相手ではどこまででも冷淡になれる。
ゴミ箱抱えてゲーゲーやり始めるような奴らが出てきた荒れた宴会では、
その場でカバンとコートをひっつかんで、静止を振り切って構わずにタクシーに乗って帰ったこともある。
正気を失うまで浴びるように飲みたきゃ、また、飲ませたきゃ、家の中でやれっての。
「羽目をはずすこと」自体が自己目的化した飲み会など、ちっとも楽しくない。
挙句の果てに、帰り道に痴漢をしたとか、物を壊したとか、暴行をはたらいたとか、新聞沙汰になる。
その記事はなぜか最後に、わざわざこう注釈をつけるんだよね。
「容疑者は当時酒に酔っていたという」
この注釈の意味って何なんだろう?
「だから酒の飲み方には充分気をつけなさいね」という戒めの意味合いもあるのかも知れないが、
それ以上に、「悪いのは酒。容疑者自体は悪くないので…」という言い訳に聞こえる。
「まあまあ。飲酒の上での行為であって、彼の人間性に根差すものではありませんから、
大目に見てやってくださいよ…」という、“寛容さの強要”。
僕はこんな注釈はやめるべきだと思う。
痴漢であれ器物損壊であれ暴行であれ、素面だろうが酒を飲んでいようが関係なく、
そいつの責任はそいつが全人格で引き受けるべき責任。
酒に責任を転嫁するなっての。酒に罪や恥をかぶせるなっての。
「容疑者は当時酒に酔っていたという」
酒飲みの愚行に「免罪符」を与えるかに見えるこの一文、記者はもう、無自覚に使うべきではない。
…あー、酔っ払いか。
忘年会シーズンのこの時期は、電車での酔っ払いとの遭遇率が本当に高い。
車両の向こうの床は、汚物なのか、何かの飲み物でもこぼしたのか、床一面が黒く汚れている。
電車は徐々に立ち客も多数出るほど混んできたけど、
寝ている男の周りだけはぽっかり空いている。
このざわざわした状況でも眠り続けられるとは、もしかして死んでるのか?
…あっ、ちょっと目元が動いた。どうやら生きてるようだ。
まあ、別に死んでてもいいけどさ。
「見境のなくなる酔っ払い」は僕が大嫌いなものの一つで(「可愛らしい酔っ払い」は大好きだが)、
そういう奴ら相手ではどこまででも冷淡になれる。
ゴミ箱抱えてゲーゲーやり始めるような奴らが出てきた荒れた宴会では、
その場でカバンとコートをひっつかんで、静止を振り切って構わずにタクシーに乗って帰ったこともある。
正気を失うまで浴びるように飲みたきゃ、また、飲ませたきゃ、家の中でやれっての。
「羽目をはずすこと」自体が自己目的化した飲み会など、ちっとも楽しくない。
挙句の果てに、帰り道に痴漢をしたとか、物を壊したとか、暴行をはたらいたとか、新聞沙汰になる。
その記事はなぜか最後に、わざわざこう注釈をつけるんだよね。
「容疑者は当時酒に酔っていたという」
この注釈の意味って何なんだろう?
「だから酒の飲み方には充分気をつけなさいね」という戒めの意味合いもあるのかも知れないが、
それ以上に、「悪いのは酒。容疑者自体は悪くないので…」という言い訳に聞こえる。
「まあまあ。飲酒の上での行為であって、彼の人間性に根差すものではありませんから、
大目に見てやってくださいよ…」という、“寛容さの強要”。
僕はこんな注釈はやめるべきだと思う。
痴漢であれ器物損壊であれ暴行であれ、素面だろうが酒を飲んでいようが関係なく、
そいつの責任はそいつが全人格で引き受けるべき責任。
酒に責任を転嫁するなっての。酒に罪や恥をかぶせるなっての。
「容疑者は当時酒に酔っていたという」
酒飲みの愚行に「免罪符」を与えるかに見えるこの一文、記者はもう、無自覚に使うべきではない。