「東京十社」なるものがあると、たまたま見つけた高校の同級生のfacebookで知った。検索してみると、公式サイトがあるわけでもなく、ウィキペディア情報くらいではなはだ心もとないが、それを全部回ってみようと思う。昨年の「都バスで五色不動めぐり」同様、今回も1日乗車券(500円)を使って、都バスだけで。10社もあると1日じゃ回り切らないだろうな、「前編・後編」で2日に分けることになるんだろうな…と、すでに弱気。
9:38 こうして見ると、都心の交通の要衝というよりただの巨大な工事現場にしか見えない渋谷駅。
【渋谷駅―(田87)→魚籃坂下】
例によって、都バスの案内図(しかも、自宅にあった「2007年4月版」)だけを頼りに、乗り継いでいく。スマホで効率的な乗り継ぎルートを調べながら…なんてことはしない。仕事じゃないんだから、「正解」はいらない。現場で行き当たりばったり。なるようになるしかならない、しない。
10:12 魚籃坂下バス停。ここでの乗り継ぎは10分ちょっと。この待ち時間は今日の乗り継ぎのうちでいい方なんだか、悪い方なんだか。いかにもビル街らしい、様々な音がかき混ざったゴーッ…という騒音の中で、チリンチリンと季節はずれの音がする。向かいのマンションのベランダに、洗濯物に混じって風鈴が下がっている。…しかし、見上げると空は青いな。
【魚籃坂下―(反96)→御殿山】
その名の通り、なかなか由緒正しき住宅街という佇まいの御殿山界隈を抜け、山手線・京浜東北線などを跨ぐ橋を渡る。奥は品川駅。
10:39 1社目。品川神社。風に靡く幟がちょうど広がって「品川神社」と綺麗に読めるぞ、とシャッターを切ろうとすると、別の風がふわっと起こって裏返しになる。…まあ、そんなもんだな。「品川」は裏返っても「品川」だけど。
本殿でお参りを終えると、脇に「東京十社」の看板が。ウィキペディア情報だけじゃなく、公式にこれで「売り出されて」るのね。
この神社に小高い山の「ミニ富士」があるのは、『ぶらり途中下車の旅』か何かで見て知っていた。いや、そもそも、自分は仕事の出先ついでにここに来たこともあった。登り始めからすでに「3合目」の石柱まで見えている。お手軽富士山。
5合目までくると頂上もすぐそこ。
頂上。前を第一京浜と京浜急行が走る。昔は海だったであろう場所に、富士山より高いビルがたくさん建ってるよ。
品川駅へ向かう途中。品川のビル群。手前の八ツ山橋のS字急カーブを、京浜急行の列車がそろりと通過する。神社からここまで小走りで来た。時間を無駄にしたくないというのもあるが、寒いので体を温めたいというのもあって。そう言えば、まさにこの道を、何日か後に大学駅伝が走るわけだな。
【品川駅―(反96)→古川橋】
駅前などのターミナルに限らず、バスの接近表示が設置されているバス停が結構あった。古川橋。次のバスの位置は「0停前」。つまりすぐに来たということ。順調に乗り継ぐ。
【古川橋―(都06)→大門駅】
11:37 2社目。芝大神宮。バックに東京タワー。今日寄った神社はどこも、大型の賽銭箱を用意していたり、混雑時の参拝の順路表示を出していたり、「迎春」みたいな幟を掲げていたり、さまざまなテントが建てられていたり、「初詣スタンバイ完了」という感じだった。大混雑だったら来たくないな。へそ曲がりの自分には、閑散とした今の時期の参拝が合っている。新しいことを祈るよりもまず、今年の穢れを落としたい、というのもあるし。
【大門駅―(都06)→新橋駅―(業10)→月島三丁目―(門33)→門前仲町】
新橋から乗ったバスが築地を通ると、町全体が人の多さで騒然としている様子が窺えた。年末の買い出しか。バスにも発泡スチロールの箱を持った客が乗ってくる。ほぼ待ち時間ゼロで2本乗り継いで、門前仲町へ。商店街に、いまどき珍しい、鳥かごだらけの店。
12:33 3社目。富岡八幡宮。ここにも「10社」の看板が立っていて、「詳しくはしおりをご覧ください」と書かれているが、「しおり」はどこに置かれているのかわからない。どこにありますかとわざわざ神職さんに訊くほど勉強熱心でもない。
お腹が空いたので門前の焼肉店へ。「ひとり焼肉」仕様、カウンターに焼き台が並ぶ。牛ハラミとバラの定食。800円。美味かった。力がついた。
「江東区ゼロメートル地帯」って今でも言うのかな。川の水面が高い。
【木場駅―(業10)→緑3丁目】
緑3丁目バス停。10分ほどの乗り継ぎ。…俺はこんな所で何をしてるのかね?最近家の掃除をサボっていて、フローリングのところどころに埃の玉が舞っている。本当は家で大掃除でもしているべきではなかったの?
【緑3丁目―(錦27)→亀戸駅通り・亀戸駅―(上26)→亀戸天神】
13:53 4社目。亀戸天神。太鼓橋の上から東京スカイツリーと本殿を望む。
先日観た『男はつらいよ 寅次郎夢枕』で、寅さんが八千草薫演じる美容院の千代を呼び出していたのが、まさにこのかぎ状に曲がった橋だったなあ。寅さんは「とらや」に下宿する内気な大学助教授・岡倉(米倉斉加年)の代わりに千代にプロポーズするのだが、千代はそれを寅さんからのプロポーズと勘違いして承諾。寅さんはその誤解に気づいて慌てる…というくだり。
『寅さん』には東京のこの眺めは決して出てこない。空にそびえるスカイツリー。
亀戸天神から再びバスに乗ろうとすると、ちょうど目の前で出て行ってしまった。バスなんか走れば追いつくよ、信号にはすぐ引っかかるし、今日はこれまで2度、車椅子の乗客の乗り降りでバス停に長く停まったりもしたし、そういうことがまたあるよ…と思って、次の停留所へ先回りしようと、走って追いかけるのだが、こういう時に限って、バスは絶妙に先へ先へ行く。停留所3つ分走って断念。走りながら横目に見えた「賛育会病院」、なんか聞き覚えある名前だなと思ったら、最近ニュースになった、「60年前に他の新生児と取り違えられた」って60歳の男性に訴えられた病院だな。
【横川3丁目―(都08)→東武浅草駅】
全速力で走った後で暖かいバスに乗ったら、咳が止まらなくなった。しかもなぜか、歯茎がうずくような感じもする。ずいぶんヤワになっちまったな、俺。ふと窓の外を見ると、真横にスカイツリーが。
14:28 東武浅草駅前のバス停。10分ちょっとの待ち時間。浅草にいるが、浅草寺に行くでも、仲見世を歩くでもない。不動産屋の店頭のモニターから流れるCMソングをひたすら聞かされている。持ってきた鹿島茂『悪の引用句辞典』を読む。1章が4ページずつまとまっているので、こういう細切れの時間の中で読むにはちょうどいい(結局、今日のこういう待ち時間の積み重ねの中で、読み残しをすべて読み終えた)。
【東武浅草駅―(草64)→王子駅】
都バスの女声自動アナウンスは、正直言ってあまり上手くないと思う。「素人が丁寧に読んでいるだけ」という感じ。発声にプロフェッショナルな技術を感じない。「新三河島駅前」を「新三河島・駅前」ではなく「新・三河島駅前」と読むのも変だろう(前に乗った別の路線でもやはり、「新豊洲駅前」を「新・豊洲駅前」と読んでいた)。浅草から王子までは、今日一番の乗車距離・乗車時間。それに安心して、途中から眠りに落ちる。ほどよい揺れと暖かさで、幸せなうたた寝だった。バスを降り、飛鳥山の坂を登る。横を都電が行く。
15:13 5社目。王子神社。これまでの4社は確実にお参りしたことがあった神社だったけど、この王子神社は、来たことがあったかどうか、定かでない。
【飛鳥山―(草64)→西巣鴨―(草63)→白山上】
15:58 6社目。白山神社。場所がわからなかったのでバス停前の信号でおばさんに尋ねたら、「私もそっちの方に行くから」と、途中まで一緒に歩いてくれた。表通りからは奥まった場所にある。ここは間違いなく初めての訪問。
本殿前の門松と猫。
16:11 7社目。根津神社。白山神社からここまでは、わざわざバスを使う距離でもないので、徒歩で移動。ここも初めての訪問。想像していたより境内が広い。
唐門、その奥に本殿。それにしても、こういう僕が言うのもなんだが、こんな時期のこんな夕方にお参りしに来ている人というのは、どんな目的があるのだろう?境内には結構参拝客がいる。
そう言えばこの神社はつつじが有名だった。この木々はみんなつつじかな。上に建つ家、都会ではなかなか得難い環境にお住まいで。
境内には鳥居が立ち並ぶお稲荷さんもある。
【本郷追分―(茶51)→御茶ノ水駅】
16:56 すっかり日も暮れた。8社目。神田明神。ここは以前初詣に来たことがある。仕事始めの日で、周辺の企業だろうか、スーツ姿の「社用族」で境内が埋め尽くされていて、げんなりしたことを覚えている。
御茶ノ水駅の上に架かる聖橋を渡る。ちょうど5時のチャイムが響き渡る。残すは2社。御茶ノ水駅前から出るバスは30分後。今日一番の待ち時間だが、お腹も空いたので、近くの豚骨ラーメンの店に入る。これが美味かった。しかも、替え玉1回無料で500円。さすがは学生街だな。結局のところ、こんなこと言ったらミもフタもないけど、荘厳な神より、温かい食事の方が、僕を殊勝にさせる。
【御茶ノ水駅―(東43)→東京駅丸の内北口】
17:46 東京駅界隈では「ミチテラス」(なんともひねりのないネーミングだ)というライトアップイベントが行われていたようだが、そちらにはもちろん見向きもせず、次のバスを探す。
【東京駅丸の内南口―(都04)→銀座4丁目―(業10)→新橋】
18:19 昼間に一度通った新橋に再びやってきた。ここから乗るのは「都01」系統。いかにも都バスの「主要幹線」っぽい名前。新橋から六本木を経由して渋谷を結ぶ。都知事を追われた猪瀬直樹の肝煎りでつい先日運行が始まった深夜バスが走るのもこの系統。本数も多い。
【新橋駅―(都01)→溜池】
18:38 9社目。日枝神社。本殿はすでに閉じられていた。それでも形だけお参りし、この石段で都バスの路線図を見ようとすると、2007年からの折ったり広げたりの使い込みに耐えられなくなったのか、一部がバサッと切れて落ちてしまった。今度新しいのを貰おう。
日枝神社から最後の氷川神社までは徒歩移動。赤坂の町の一角に、廃業したラブホテルが。廃墟にも年は暮れるなり。
18:59 10社目。氷川神社。ここも本殿は閉ざされていた。境内も周辺も真っ暗で、とても都心部とは思えない。お参りを済ませると、バス停のある六本木まで歩く。アメリカ大使館宿舎の脇を通る。レースのカーテンがちらっと動き、アメリカ人の子どもが顔を覗かせる。どことなく異国めいた部屋のインテリアの佇まいが窺える。
【六本木駅―(都01)→渋谷駅】
19:31 渋谷駅に戻る。乗ったバスは19本。神社は10社と数は多かったものの、6寺の五色不動より回りやすかったようだ。
9:38 こうして見ると、都心の交通の要衝というよりただの巨大な工事現場にしか見えない渋谷駅。
【渋谷駅―(田87)→魚籃坂下】
例によって、都バスの案内図(しかも、自宅にあった「2007年4月版」)だけを頼りに、乗り継いでいく。スマホで効率的な乗り継ぎルートを調べながら…なんてことはしない。仕事じゃないんだから、「正解」はいらない。現場で行き当たりばったり。なるようになるしかならない、しない。
10:12 魚籃坂下バス停。ここでの乗り継ぎは10分ちょっと。この待ち時間は今日の乗り継ぎのうちでいい方なんだか、悪い方なんだか。いかにもビル街らしい、様々な音がかき混ざったゴーッ…という騒音の中で、チリンチリンと季節はずれの音がする。向かいのマンションのベランダに、洗濯物に混じって風鈴が下がっている。…しかし、見上げると空は青いな。
【魚籃坂下―(反96)→御殿山】
その名の通り、なかなか由緒正しき住宅街という佇まいの御殿山界隈を抜け、山手線・京浜東北線などを跨ぐ橋を渡る。奥は品川駅。
10:39 1社目。品川神社。風に靡く幟がちょうど広がって「品川神社」と綺麗に読めるぞ、とシャッターを切ろうとすると、別の風がふわっと起こって裏返しになる。…まあ、そんなもんだな。「品川」は裏返っても「品川」だけど。
本殿でお参りを終えると、脇に「東京十社」の看板が。ウィキペディア情報だけじゃなく、公式にこれで「売り出されて」るのね。
この神社に小高い山の「ミニ富士」があるのは、『ぶらり途中下車の旅』か何かで見て知っていた。いや、そもそも、自分は仕事の出先ついでにここに来たこともあった。登り始めからすでに「3合目」の石柱まで見えている。お手軽富士山。
5合目までくると頂上もすぐそこ。
頂上。前を第一京浜と京浜急行が走る。昔は海だったであろう場所に、富士山より高いビルがたくさん建ってるよ。
品川駅へ向かう途中。品川のビル群。手前の八ツ山橋のS字急カーブを、京浜急行の列車がそろりと通過する。神社からここまで小走りで来た。時間を無駄にしたくないというのもあるが、寒いので体を温めたいというのもあって。そう言えば、まさにこの道を、何日か後に大学駅伝が走るわけだな。
【品川駅―(反96)→古川橋】
駅前などのターミナルに限らず、バスの接近表示が設置されているバス停が結構あった。古川橋。次のバスの位置は「0停前」。つまりすぐに来たということ。順調に乗り継ぐ。
【古川橋―(都06)→大門駅】
11:37 2社目。芝大神宮。バックに東京タワー。今日寄った神社はどこも、大型の賽銭箱を用意していたり、混雑時の参拝の順路表示を出していたり、「迎春」みたいな幟を掲げていたり、さまざまなテントが建てられていたり、「初詣スタンバイ完了」という感じだった。大混雑だったら来たくないな。へそ曲がりの自分には、閑散とした今の時期の参拝が合っている。新しいことを祈るよりもまず、今年の穢れを落としたい、というのもあるし。
【大門駅―(都06)→新橋駅―(業10)→月島三丁目―(門33)→門前仲町】
新橋から乗ったバスが築地を通ると、町全体が人の多さで騒然としている様子が窺えた。年末の買い出しか。バスにも発泡スチロールの箱を持った客が乗ってくる。ほぼ待ち時間ゼロで2本乗り継いで、門前仲町へ。商店街に、いまどき珍しい、鳥かごだらけの店。
12:33 3社目。富岡八幡宮。ここにも「10社」の看板が立っていて、「詳しくはしおりをご覧ください」と書かれているが、「しおり」はどこに置かれているのかわからない。どこにありますかとわざわざ神職さんに訊くほど勉強熱心でもない。
お腹が空いたので門前の焼肉店へ。「ひとり焼肉」仕様、カウンターに焼き台が並ぶ。牛ハラミとバラの定食。800円。美味かった。力がついた。
「江東区ゼロメートル地帯」って今でも言うのかな。川の水面が高い。
【木場駅―(業10)→緑3丁目】
緑3丁目バス停。10分ほどの乗り継ぎ。…俺はこんな所で何をしてるのかね?最近家の掃除をサボっていて、フローリングのところどころに埃の玉が舞っている。本当は家で大掃除でもしているべきではなかったの?
【緑3丁目―(錦27)→亀戸駅通り・亀戸駅―(上26)→亀戸天神】
13:53 4社目。亀戸天神。太鼓橋の上から東京スカイツリーと本殿を望む。
先日観た『男はつらいよ 寅次郎夢枕』で、寅さんが八千草薫演じる美容院の千代を呼び出していたのが、まさにこのかぎ状に曲がった橋だったなあ。寅さんは「とらや」に下宿する内気な大学助教授・岡倉(米倉斉加年)の代わりに千代にプロポーズするのだが、千代はそれを寅さんからのプロポーズと勘違いして承諾。寅さんはその誤解に気づいて慌てる…というくだり。
『寅さん』には東京のこの眺めは決して出てこない。空にそびえるスカイツリー。
亀戸天神から再びバスに乗ろうとすると、ちょうど目の前で出て行ってしまった。バスなんか走れば追いつくよ、信号にはすぐ引っかかるし、今日はこれまで2度、車椅子の乗客の乗り降りでバス停に長く停まったりもしたし、そういうことがまたあるよ…と思って、次の停留所へ先回りしようと、走って追いかけるのだが、こういう時に限って、バスは絶妙に先へ先へ行く。停留所3つ分走って断念。走りながら横目に見えた「賛育会病院」、なんか聞き覚えある名前だなと思ったら、最近ニュースになった、「60年前に他の新生児と取り違えられた」って60歳の男性に訴えられた病院だな。
【横川3丁目―(都08)→東武浅草駅】
全速力で走った後で暖かいバスに乗ったら、咳が止まらなくなった。しかもなぜか、歯茎がうずくような感じもする。ずいぶんヤワになっちまったな、俺。ふと窓の外を見ると、真横にスカイツリーが。
14:28 東武浅草駅前のバス停。10分ちょっとの待ち時間。浅草にいるが、浅草寺に行くでも、仲見世を歩くでもない。不動産屋の店頭のモニターから流れるCMソングをひたすら聞かされている。持ってきた鹿島茂『悪の引用句辞典』を読む。1章が4ページずつまとまっているので、こういう細切れの時間の中で読むにはちょうどいい(結局、今日のこういう待ち時間の積み重ねの中で、読み残しをすべて読み終えた)。
【東武浅草駅―(草64)→王子駅】
都バスの女声自動アナウンスは、正直言ってあまり上手くないと思う。「素人が丁寧に読んでいるだけ」という感じ。発声にプロフェッショナルな技術を感じない。「新三河島駅前」を「新三河島・駅前」ではなく「新・三河島駅前」と読むのも変だろう(前に乗った別の路線でもやはり、「新豊洲駅前」を「新・豊洲駅前」と読んでいた)。浅草から王子までは、今日一番の乗車距離・乗車時間。それに安心して、途中から眠りに落ちる。ほどよい揺れと暖かさで、幸せなうたた寝だった。バスを降り、飛鳥山の坂を登る。横を都電が行く。
15:13 5社目。王子神社。これまでの4社は確実にお参りしたことがあった神社だったけど、この王子神社は、来たことがあったかどうか、定かでない。
【飛鳥山―(草64)→西巣鴨―(草63)→白山上】
15:58 6社目。白山神社。場所がわからなかったのでバス停前の信号でおばさんに尋ねたら、「私もそっちの方に行くから」と、途中まで一緒に歩いてくれた。表通りからは奥まった場所にある。ここは間違いなく初めての訪問。
本殿前の門松と猫。
16:11 7社目。根津神社。白山神社からここまでは、わざわざバスを使う距離でもないので、徒歩で移動。ここも初めての訪問。想像していたより境内が広い。
唐門、その奥に本殿。それにしても、こういう僕が言うのもなんだが、こんな時期のこんな夕方にお参りしに来ている人というのは、どんな目的があるのだろう?境内には結構参拝客がいる。
そう言えばこの神社はつつじが有名だった。この木々はみんなつつじかな。上に建つ家、都会ではなかなか得難い環境にお住まいで。
境内には鳥居が立ち並ぶお稲荷さんもある。
【本郷追分―(茶51)→御茶ノ水駅】
16:56 すっかり日も暮れた。8社目。神田明神。ここは以前初詣に来たことがある。仕事始めの日で、周辺の企業だろうか、スーツ姿の「社用族」で境内が埋め尽くされていて、げんなりしたことを覚えている。
御茶ノ水駅の上に架かる聖橋を渡る。ちょうど5時のチャイムが響き渡る。残すは2社。御茶ノ水駅前から出るバスは30分後。今日一番の待ち時間だが、お腹も空いたので、近くの豚骨ラーメンの店に入る。これが美味かった。しかも、替え玉1回無料で500円。さすがは学生街だな。結局のところ、こんなこと言ったらミもフタもないけど、荘厳な神より、温かい食事の方が、僕を殊勝にさせる。
【御茶ノ水駅―(東43)→東京駅丸の内北口】
17:46 東京駅界隈では「ミチテラス」(なんともひねりのないネーミングだ)というライトアップイベントが行われていたようだが、そちらにはもちろん見向きもせず、次のバスを探す。
【東京駅丸の内南口―(都04)→銀座4丁目―(業10)→新橋】
18:19 昼間に一度通った新橋に再びやってきた。ここから乗るのは「都01」系統。いかにも都バスの「主要幹線」っぽい名前。新橋から六本木を経由して渋谷を結ぶ。都知事を追われた猪瀬直樹の肝煎りでつい先日運行が始まった深夜バスが走るのもこの系統。本数も多い。
【新橋駅―(都01)→溜池】
18:38 9社目。日枝神社。本殿はすでに閉じられていた。それでも形だけお参りし、この石段で都バスの路線図を見ようとすると、2007年からの折ったり広げたりの使い込みに耐えられなくなったのか、一部がバサッと切れて落ちてしまった。今度新しいのを貰おう。
日枝神社から最後の氷川神社までは徒歩移動。赤坂の町の一角に、廃業したラブホテルが。廃墟にも年は暮れるなり。
18:59 10社目。氷川神社。ここも本殿は閉ざされていた。境内も周辺も真っ暗で、とても都心部とは思えない。お参りを済ませると、バス停のある六本木まで歩く。アメリカ大使館宿舎の脇を通る。レースのカーテンがちらっと動き、アメリカ人の子どもが顔を覗かせる。どことなく異国めいた部屋のインテリアの佇まいが窺える。
【六本木駅―(都01)→渋谷駅】
19:31 渋谷駅に戻る。乗ったバスは19本。神社は10社と数は多かったものの、6寺の五色不動より回りやすかったようだ。