情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

法テラスに「健全な」拒否反応~契約してしまった人も再考されたい

2006-09-02 20:29:24 | 適正手続(裁判員・可視化など)
検察官が牛耳る法務省管轄下の日本司法支援センター「法テラス」が担当国選弁護人を決めるという新制度設計に反発して,法テラスの下での国選弁護は受けないという人が増えている件について(ここ参照←クリック),8月末までに,東京弁護士会では,国選登録者は,現制度の国選弁護人のわずか3割の764人,新しく導入される起訴前国選(被疑者国選)にいたっては,類似の現行制度である当番弁護の登録者に26.5%の364人しかいないという。この傾向は,第一東京弁護士会,第二東京弁護士会でも同様で,特に第二東京弁護士会では,国選登録者は,現行の15%だという。このままでは,各弁護士会がノルマを達成できそうもない。

【法務省設置法附則第4項は、「当分の間、特に必要があるときは、法務省の職員(検察庁の職員を除く。)のうち、百三十三人は、検事をもってこれに充てることができる。」と定めている。この規定に基づき、法務省の要職(官房長・局長レベルを含む。)は検事が、検事としての官職を保持したまま兼任、併任(ともに法務事務官の官職に付される)又は充職(法務事務官の官職を付されない)の形で占める例が多い。ただし、法務事務次官については、検事出身者が、一時的に検事の官職を解かれて就任するのが慣例である。 】(ウィキペディア)という実態の法務省管轄下の法テラスに国選弁護人を指名させることの異常さは,とっても分かりやすい。

各会の執行部は,法テラスとの契約を行うよう,ビラを配布するなど必死だ。私はむしろ,すでに契約をしてしまった方々に,弁護人としての倫理を考慮し,契約を取り消すよう呼び掛けたい。



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調停委員の国籍条項問題,共同が配信~いま,歯止めを掛けなければ…

2006-09-02 08:39:52 | 適正手続(裁判員・可視化など)
共同通信が,調停委員の国籍条項問題を取り上げ,多くの地方紙が掲載した。【調停委員に国籍の壁 在日弁護士拒否相次ぐ】という見出しのもと,以下のような記事となっている。

■■引用開始(北海道新聞←クリック)■■
 弁護士でも日本国籍がないとの理由で、離婚などの仲裁役を務める家事調停委員や、裁判官の手助けをする司法委員になれないケースが各地で起きていることが31日、分かった。

 こうした採用拒否は法律上の明文規定がなく、各地の弁護士会は事態を重視。日本国籍の有無にかかわらず採用を求める意見書を裁判所側に提出するなどしている。

 これまで明らかになったのは▽神戸家裁が韓国籍の女性弁護士の家事調停委員採用を拒否(2003年)▽東京地裁が韓国籍の男性弁護士の司法委員採用を拒否(05年)▽仙台家裁が韓国籍の男性弁護士の家事調停委員採用を拒否(今年)-の3ケース。

 いずれも弁護士会が、候補者として推薦したが、日本国籍がないことを理由に裁判所が採用を拒んだという。

■■引用終了■■

破産管財人との比較をした日弁連会誌の記事(ここ←クリック)を一度引用したことがあるが,一般紙でも取り上げられたことで多くの方にこの問題を考えてもらえるのではないでしょうか?

昨日も触れましたが,杉浦正健法相が人権擁護委員を日本国籍を持つ者に事実上限定する案を提出しようという動きを見せている状況を考慮すると,ここで何とか歯止めを掛けないと外国人排斥が当然のようになってしまう…。外国人を差別するような時代遅れの国にしていいのでしょうか?





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