情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

警報を出した理由!-治安悪化なんてしてない

2005-08-08 20:57:22 | 適正手続(裁判員・可視化など)
昨日、スイスアーミーナイフの件を書きましたが、治安が悪化したと騒ぐ実態はこんなもの、つまりこれまではまったく検挙していなかったスイスアーミーナイフ所持を検挙するようになった、なんていうことなのです。
いま、警察は、裏金疑惑(捜査費)や不祥事で叩かれています。捜査費の予算はどんどん削られています。どうにかして予算をとらないといけない。そのためには、不安を煽るのが一番の方法。ということで、ナイフを街中で持ち歩いている危険な奴ということにして、次々に検挙することにした…というように傍目には見える。
取り締まりに当たっている警官は真面目にこなしているのだろうが、中には、幹部の腹が分かっている人も多いはず…。嫌々、取り締まりさせられるほど、辛いことはないだろう…ほんと、同情します。

スイスアーミーナイフ所持者に警戒警報!

2005-08-07 21:36:58 | 適正手続(裁判員・可視化など)
犯罪行為を予防するための警鐘は行うべきだと考えるので、書いておきます。いま、いわゆるスイスアーミーナイフに代表される便利ナイフ(はさみとかドライバーが付いているもの)を街中で持ち歩くともれなく軽犯罪法違反で、取調を受けることになります。刃渡りがいかに短くても違反は違反ですので、言い逃れのしようがありません。警察は、風体から「こいつは持っていそうだな」っという人には次々と職質をかけています。普通の人はなかなか職質を拒むことはできないし、そもそもスイスアーミーナイフが違法だとは思っていないから、あっという間に、警察行き。山登りしたり、キャンプしたりするという特別な用事がない限りは、自宅に置いておきましょう。へたに抵抗したら、逮捕されちゃうよ…。

東京新聞が同趣旨の特集を!

2005-08-06 21:58:32 | NHK番組改編事件
東京新聞が8月4日特報面で、自民党の取材拒否を批判していた。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050804/mng_____tokuho__000.shtml

【自民党の強硬姿勢について、立教大学の服部孝章教授(メディア法)は「報道機関を広報機関ととらえ、都合のいい情報しか公開しようとしないおごり」とみる。そのうえで「政権政党が批判を受け入れるのは民主主義のルールだ。それを平然と蹂躙(じゅうりん)するのは歴史に汚点を残す行為であり、公党としての資格はない」と切って捨てる。】

【権力者による特定メディアの取材拒否は海外にもあるのか。「メディア先進国ではあり得ない」と立教大学の門奈直樹教授(比較マスコミ論)は断言する。】

【小泉首相が昨年、北朝鮮を訪問した際、首相官邸が「二十五万トンのコメ支援で最終調整」と報じた日本テレビを同行記者団から排除しようとしたことは記憶に新しい。当初、飯島勲首相秘書官は「ニュースの情報源を明かせば同行を許可する」などとどう喝にも等しい要求を日テレ側に突きつけていたが、こうした横暴がまかり通るのは、「それを許すメディア界、社会のあり方にも問題がある」と門奈教授は指摘する。】


ここ数年、東京新聞が良識派として頑張っている。ぜひ、ご一読ください。

炎上パターン2

2005-08-06 06:03:16 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
以前、炎上の一つの手法を紹介しました。http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/0adcd45eb08cc3a6fa71fbe896aa0156

新たな手法を紹介します。いわゆるH系の広告サイトの中にリンク先の一つとして、つくる会の教科書の主権の定義について述べた記事http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/4642fbfaa4197452bad734ec0983a329が挙げられているのです。3つもそんな頁をつくっているようです。

結構手間がかかりそうな感じですが…。

自民党に撤回要求声明!

2005-08-05 19:55:06 | NHK番組改編事件
【共同】NHK番組改編問題の報道に絡み、自民党が朝日新聞に記者会見以外の取材拒否を通知したことについて、弁護士や学者ら30人が5日、「報道、表現の自由や国民の知る権利に対する乱暴な挑戦だ」として、撤回を求める抗議声明を出した。
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20050805/20050805a4910.html

声明文は下記のとおりです。記者発表後、総裁、幹事長に郵送しました。
                                     

緊 急 声 明
2005年8月5日
新聞各紙の報道によれば、自民党は、今月1日、NHKの番組改変に関する朝日新聞社の取材記録とされる資料が月刊現代9月号に掲載されたことを問題として、事実関係が明らかになるまで同党役員が朝日新聞社の取材(記者会見を除く)を拒否する旨を表明するとともに、同社に対し、同党国会議員が個別取材を拒否する旨の通知書を送付した。
自民党の上記対応は、民主主義の根幹である報道・表現の自由及び市民の知る権利に対する乱暴な挑戦であり、看過できない重大な問題である。そこで、言論・表現の自由及び知る権利の危機を憂慮するジャーナリスト・学者・弁護士有志は、自民党に対する緊急声明を発表する。

 今回問題となった資料は、2000年12月8日から12日にわたって東京で開催された「女性国際戦犯法廷」(以下「国際法廷」という)をNHKが外部の制作会社の協力の下に取材・制作し、20001年1月30日に放送された番組について、政治家の圧力による改変があったとされる問題に関して、朝日新聞社が圧力を受けたとされる松尾武NHK放送総局長(当時)及び圧力をかけたとされる中川昭一・安倍晋三両衆院議員を取材した際に録音された媒体を再現したものだとされる。これまで、朝日新聞社は、録音した媒体の存在を明らかにしていなかった。

 新聞各紙の報道によると、自民党は、取材拒否の理由について、1)朝日新聞記者が被取材者をだまし、隠れて無断で録音し続けている可能性があり、そうだとすれば、報道機関としての存在資格も大きく揺るぎかねない大問題である、2)朝日新聞社自身が流出に深く関与している可能性があるが謝罪をする意思がない、などの点を挙げている。

しかし、そもそも、報道機関が公人の社会的に非難される可能性のある行為をについて取材する場合、その公人もしくは行為に関係ある者に質問する際に、承諾を得ずに会話を録音することは、発話者を秘匿しなければその後の取材・報道が困難となる場合(いわゆる「取材源の秘匿」となる場合)を除いて、当然、許される行為である。なぜなら、その公人の行為は主権者たる国民が知るべき情報である一方、取材後に、取材した相手が言を翻して、報道内容を批判したりするおそれがあり、そのような場合には、報道機関としては主権者である国民から負託された知る権利にこたえて真実に迫る使命を果たすことが困難となるからである。

また、朝日新聞自身が保有する情報が外部に流出したこと自体は、情報管理の問題として、朝日新聞自身によって検証されるべき問題である。しかし、公人が取材を受けた内容が、当初予期した以外の方法で公表されたとしても、公表方法に国会議員が寄せる期待は国民の知る権利に勝るものとはいえない。本件の場合には、テープ録音があるのであれば、その反訳を朝日新聞自身が公表すべきであったともいいうるのであり、月刊誌に掲載されたことを被取材者が非難できる立場にはない。
 
 「国家の意思は統治される市民の意思によって決定される」とすることが民主主義の基本原則である。すなわち、国会議員や政党は、その意見を国民に常に提示してその信を問うことにその存在根拠があるのである。
 そして、今日のような情報化社会の中では取材力・報道力をもつ報道機関を介しての情報提供が非常に有益である。国会議員、政党自身が報道機関のその役割を排除するような姿勢を取ることは民主主義の原則を軽視するものであり、国民の権利を侵害するものである。さらに、本件の自民党の対応には、批判的な言論を封じようという意図があるという見方さえできる。
よって、私たちは、自民党に対し、朝日新聞社に対する取材拒否を撤回することを要請する。

【賛同者30人】

匿名実名の判断を警察にゆだねてよいのか?

2005-08-05 06:06:36 | 匿名発表問題(警察→メディア)
犯罪被害者等基本計画検討会の骨子案がこのほどまとまった。その骨子案のなかで、警察が被害者を匿名で発表することを認める文言が盛り込まれた。
その文言とは以下のとおり。

(2) 犯罪被害者等に関する情報の保護
エ警察による被害者の実名発表、匿名発表について、犯罪被害者等の匿名発表を望
む意見と、マスコミによる報道の自由、国民の知る権利を理由とする実名発表に対
する要望を踏まえ、プライバシーの保護、発表することの公益性等の事情を総合的
に勘案しつつ、個別具体的な案件ごとに適切な発表内容となるよう配慮していく。
http://www8.cao.go.jp/hanzai/suisin/kihon/6/3/naikaku.pdf
http://www8.cao.go.jp/hanzai/suisin/kihon/gizi6.html

確かに全て実名で「報道」することが望ましいとは思わない。しかし、匿名で「は発表」されてしまうと、メディアが被害者に接触することさえできない。これは非常に危険な状態である。これまで警察の失態で被害に遭った例があったが、そのような警察の失態がまったく表沙汰にならなくなってしまう可能性がでてくる。権力を監視する機能を十全たらしめるためには、実名「発表」は堅持されなければならない。そのうえで、実名「報道」をするかどうかは、メディアが責任をもって決定すればよい。

月刊現代9月号で政治圧力の存在が決定的に!

2005-08-04 06:27:06 | NHK番組改編事件
月刊現代9月号、売り切れ店も出ているようですが、何とか入手して下さい。この9月号に再現された記事を読むと、政治家がNHKに圧力をかけたとの朝日の記事が根拠に基づいたものであることがよく分かる。

他方、この記事が出たことで、1)朝日が録音していたことが分かった、2)朝日が情報を別の媒体に横流ししたのではないか、という点が一部で批判されている。

しかし、その批判は、まったく的はずれである。
第1、取材対象は、常に監視するべき国会議員であり、そのような者に対する取材は、違法すれすれのことをしたってまったく構わない。勝手にテープをとったところでまったく問題ない。問題だという根拠は、信義に反するということだろうが、秘匿されるべき情報源でもなく、一般人でもない以上、そのような信義を守る必要はまったくなし。

第2、本来、社会に公表されるべき情報が報道機関の社内事情などで報道できない場合には、ほかの媒体にリークしてでも公表すると言うことは当然、必要なことである。社内事情でさせないままにしたのでは、権力監視機能は果たせない。

結局、この問題では、私人がプライベートなことを報道される場面と、政治家が追及される場面とをきとんと分けて考えないから、無断録音は駄目だなどという甘えた議論になるわけだ。いいですか、相手は巨大な権力を握っている国会議員ですよ、録音しないと取材する者は自分の身すら守れないでしょう。皆さん1人ひとりが国会議員の不祥事を追及する場面を想像すれば簡単なことですよね。

つくる会の主権とは…

2005-08-03 06:39:32 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
都立高校で採択されというので、扶桑社の歴史・公民の教科書を買ってみた。まだ、ざっとしか見ていないが、公民の国民主権の説明には驚いた。

「主権とは外国からの干渉を受けず、その国のあり方を最終的に決定する力のことであり、その中には憲法自体を改正する権限も含まれている。国民主権は主権在民ともいわれる。なお、この場合の国民とは、私たち1人ひとりのことでなく、国民全体を指すものとされている」

この説明は、故意に主権の意味をゆがめているとしか思えない。
主権には3つの意味(統治権、最高独立性、最高決定権)があるとされるが、国民主権でいう主権とは、国の政治のあり方を最終的に決定する力を指す。「外国からの干渉を受けない」というのは最高独立性としての主権に関する説明であり、まったく不適切な説明である。
さらに、最高決定権としての主権は、まさに、国民1人ひとりを指すのであり、国民全体を指すという考え方は非常に不適切である。

まさにナショナリズムを煽るための教科書ではないだろうか。国旗国歌に3頁も費やしている…。こんな教科書に学んだ次世代は、自分で考えることを放棄し、国家のためだと言って、何でもやらかす存在になっているのではないでしょうか。

今後、せめて採用反対運動を応援していかないと…ホントにおちおち年もとれない…。

自民党が取材拒否!-政党としての説明義務を放棄!!

2005-08-02 14:50:51 | NHK番組改編事件
自民党が朝日に対して個別取材を拒否するという。
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20050802/m20050802005.html?C=PT
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/seiji/20050802/K2005080104370.html?C=S
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/seiji/20050801/20050801a1290.html?C=S
http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/seiji/20050801/20050801i216-yol.html?C=S

【自民党は1日夕の役員会で、NHK番組改編問題に関する朝日新聞の取材資料とほぼ同じ内容の記事が月刊誌に掲載されたことを受けて、今後党役員は記者会見を除き朝日新聞の取材を受け付けないことを申し合わせた。同社に対しては「取材を自粛していただく」との通知書を送付した。
通知書は「(月刊誌記事によれば朝日)記者は被取材者をだまし、隠れて無断(録音)で記録し続けている」可能性があり、自民党議員が「万が一にも不当、卑劣な方法による取材で被害に遭うことがないよう相当の措置を講じざるを得なくなった」としている。
武部勤幹事長は役員会後の記者会見で「朝日新聞の資料流出と(月刊誌の)記事掲載の経緯が明らかになるまで、少なくとも自衛策として実行していく」と説明。安倍晋三幹事長代理は同日の講演で「取材記録を月刊誌に流出させた。横流ししているのかもしれない。報道機関としてあるまじき行為だ」と批判した。】

自民党の拒否は全く不当である。
そもそも、政治家相手の取材(情報提供元ではなく、取材対象として取材する場合)でテープに録音することは何ら、問題はない。(権力監視機能を十分に果たすためには当然必要な行為である)
次に、そのテープに録音された内容が別の媒体に掲載されることは、取材した媒体にとっては損害となるが、取材された政治家(取材対象者として取材される場合)が損害を被ったとは言えない。別の媒体がそのテープに録音された内容を掲載することで、国民の知る権利が充足されたに過ぎないからである。(本来、録音した媒体が掲載するべきであったのにそれがされなかったことは政治家にとって守られる利益ではない)

政治家は国民に対して説明責任があり、それはメディアの厳しい追及によって、より詳細に果たされることになる!

自民党のあり方は、国民への説明を拒否するものであり、まったく容認できない!!