お友達のブログで、若いころの草履の記事を拝読しました。お友達は経年劣化をご心配でした。
そう、草履って長く履かないと、接着剤などが劣化して底がはがれたり、鼻緒がばらけたり、
糸が弱って前坪の止め糸が切れたり…といろいろ起こるんです。
我が家にもあるんですよ、私の若いころの「どこまで赤いんだ」というのが…。
草履は靴ほど大きさが厳密ではありませんから、未使用のものや、余計な鼻緒癖がなければ、
どなたかにお譲りすることも可能ですが、玄関出る前に底が取れちゃったわよっ…なんてことになったら
申し訳ありませんからね。まずは劣化具合を調べてみることです。
はがれたら接着…ですが、使うなら「皮用接着剤」を使います。
今回は、履けるけど色が…というような感じの時の「再生」で、色を変えてみようと思います。
テストに使うのはこちら…
明るく映っていますが、地はこんな感じ。ツルツルではなくすこーし凹凸があります。
父方の祖母のものです。いわゆる形見分けの中の一つだったのですが、
いやもぅジミさに驚く…私、たとえ祖母と同じ90すぎたとしても、絶対履かないタイプの色だから…。
祖母からはほかに櫛かんざし、裁縫箱などももらっていますので、これを「テスト」に使わせてもらうことにしました。
おばーちゃんごめんねー…。
ではでは染め替えのお話。染料のお話はあとで書きます。
最近の鼻緒は、草履でもちりめんだったり、またとても太いタイプのものが多いのですが、
昔の鼻緒は細いうえに、アクセントカラーを使って、真ん中だけ違う色が入っていたりします。
こんなのがポピュラーでした。普段用ほど細いです。
祖母のものは、いわゆる中高年向きですからよけいに細い…。
二重になっているというよりは、折りたたんでヒダをとっている感じ。
めくれているのははがれているのではなく、折りたたんでずらしてあるだけです。
昔の草履の鼻緒が細いということ、はっきりしたことは言えないのですが、和服で草履を履く、というのは、
かつては「おでかけ」の為が多かったわけです。着物で暮らしていても、そのへんに出かけるときは「下駄」。
暮らしが変化して、着物には草履…となったとき、細い鼻緒は「たぶん」ですが、足元がスッキリ見えたのではないかと、
私はそんな風に思っています。実際例えば小紋や紬の街着に、ちりめんなどのあんまりふっくらした太い鼻緒は、
若い方ならともかく、私たちにはちと違和感があります。少し太めだとしても、厚みはなく幅が広い程度がいいですね。
布の鼻緒はあたりが優しくていいし、今の方は草履や下駄を履き慣れていませんから、
今は太目、柔らか目の鼻緒がいいかもしれませんし、それが受けているのでしょうね。
で、祖母のものは、鼻緒は細いけれど、乾燥して割れたりとか剥けていたりもありませんし、
昔タイプの細い鼻緒、というだけでほとんど問題はないのですが、どうせいろいろやるならと、ちょっと実験。
これから塗る色は明るいので、折りたたんだ鼻緒の真ん中部分だけ、マスキングテープでカバーして、
色柄を残してみようと思いました。
マステはペンキ塗り用の普通のものもあるのですが、今回幅の狭いのがあったので、
それを使ってみました。マステはあとではがしますから、キレイに貼れるかどうかではなく、
ちゃんとカバーできてるかどうか…です。貼り重ねてもいいので、溝などもちゃんと埋め込むように、
丁寧にマスキングします。
矢印の先、これだとしみこんだりしますので、千枚通しなど使って押し込むようにきっちり入れます。
両方貼ったらこんな感じになりました。あら、こんな柄でもいいじゃない?ははは、紙だってば…。
さぁ、やっと染料のご紹介です。
こちら「染めQ」という皮をそめるのに人気のある染料です。スプレータイプ。
アマゾンだとこちら
染めQ エアゾール 264ml ブラック | |
クリエーター情報なし | |
染めQテクノロジィ |
これは大きいサイズのものですが、私の買ったのは70ミリリットルの小さいもの、草履一足なら十分です。
アフェリエイトしようと思ったら、出てこない…ので私のはこちら。802円でした。
価格は色で違うようです。この「染めQ」いろんな染料が出ています。
うっかり忘れていてまだ届いてないのですが、ベースコートもあるし、コーティングもあります。
今回ベースコートはなし、あとでコーティングの予定です。
(追記…70ミリリットルで草履一足十分、と書きましたが、残った感じでいくと、片方1本のほうが安心です)
また余計な話が長くなりますが…
実は以前、靴やかばんの角などが傷んだり、しわが汚くなったりして、何回か染め直しをしました。
その時使ったのは「ダイロンの液体染料」(これしかありませんでした)で、刷毛で塗るタイプ。
かつて、靴と言えば黒とか茶とか決まった色しかなかった時代に「黄色」を見つけました。
デザインもよかったのでお気に入りだったのですが、黄色は汚れやすくまた薄汚れが目立つのです。
細かいしわなどまで懸命に汚れ落としをしましたがダメで、デザイン捨てがたくそれで染め替えをしたわけです。
前が着物の打ち合わせのようなデザインだったので、打ち合わせの下になるところを黒、
外側やベルト部分はミルクココアのような色。黄色よりずっと素敵になって長く履きましたっけ。
そのあと調子に乗ってバッグもやって、これは失敗。エナメルのバッグだったため、
表面がつるつるで、刷毛目がどうしても消えませんでした。
草履って、マットなものよりエナメルとか表面があまりザラザラしていないものが多いですよね。
今回テストしたものはその中間、つるんとしてもいるけれど、柄もあってわずかにざらつきがある…
なので、スプレータイプを使ってみようと思ったわけです。
スプレータイプのものは、今までにも木などに使っていますので、だいたいわかっているのですが、
実はあまり好きではありません。だってほかに飛んでしまう量も多いから、ムダがあるわけだし、
均一に塗るためには、同じ速さで缶を動かさなければなりません。うっかり「あ、ここ薄い」なんて、
そこだけかけると、逆にそこだけ厚塗りになっちゃったり…。
でも今回は、一つには「皮用」というのは、普通のなめし皮のようなものにもエナメルでも大丈夫なのか、
重ね塗りすれば、色むらはなくせるか、そしてなにより実際使用しての耐久性はどうか…、
それを考えて、確かに簡単に塗れるスプレーを使ってみようと思ったわけです。
それと、塗るタイプより、色数が多いような気がしました。
今回は、元とできるだけ違う色、明るい色(ついでに私の年でも穿ける色!)で、ライトブルーにしました。
大変身…になるといいんですが。
さぁいよいよ…やってみました。
結論…やりかただねね、これは…当たり前なんですが…。
最初に要注意、すごい匂いです。もちろん説明にも「換気」が書かれていますが、
最初から外でやることをお勧めします。草履は汚れを落とし、裏の細かい土などもブラシで落とします。
新聞を広げ、真ん中にラップを50センチくらいカットしたものを置いて、その上に草履を置きます。
ラップは底あたりに流れた染料がくっついて、新聞紙がつかないようにです。
草履を手に持ってスプレーするより、自分が草履の周りを回ること。
一度に全体は塗らないで、最初は上の面から。
そしてスプレーはちょっと量が多いと流れてしまうので、何度か塗り重ねるつもりで、
最初は「サーッサーッ」という感じで、ムラはあまりきにせずに塗り、あとはしっかり乾かすこと。
3度塗りで、上の面はこんな感じになりました。多少の凹凸があるので、うまくのったようです。
これは横の画像ですが、上を済ませて、横1回目のスプレー。気を付けていたのに上から流れたものが
垂れてしまっているのがわかりますね。
これだけ垂れて濃淡がありますが、2回目のスプレーでここまでになります。
鼻緒の前坪などや鼻緒の裏側は厄介ですが、このときはラップの上に乗せてもちあげ、
ごく短時間スプレーボタンを押して、シュッシュッという感じで、こまかいところを塗ります。
実は今回はじめてだったのとテストということで、きちんとやると手抜きのところ、両方やってみました。
結果ですが、マステをしっかり貼った後も、さらにこまかいところをチェックした方がいいです。
失敗しているところのアップ。一番上はマステをしっかり押さえなかったところ。
真ん中は向こうの鼻緒の内側、見えないところなので手抜きして塗っていません。履いてしまえば問題なしです。
一番下は、横を塗った時縫い目にはいったのをそのままにしたところ。面倒でもこういうところは、
塗ったらすぐつまようじなどで、すくいとるようにとってしまうときれいに仕上がりますね。
面倒ですが、1回どこか塗るたびにしっかり乾かします。スミマセン、ちゃんと時間を計っていませんが、
気温や湿度によっても乾燥時間が変わります。
先に横の写真をだしてしまいましたが、上を全部仕上げたらしっかり乾かし、
横を塗るときは、ラップの上に草履を横にして立てます。
太いマステか、ラップで上部分にスプレーがかからないように保護してから
草履を動かさず、自分が移動して後ろのかかとまできっちり塗ります。
1度塗りではムラムラですから、どこも2度塗り3度塗りのつもりでやります。
最後に鼻緒のマステをはがしました。比較のため、片方だけやってみました。いかがでしょうか。
ここまではOKなのですが、肝心な「耐久性」はどうなのか、こればっかりはなんどか履いてみないとわかりません。
なんだぁもぉぉ、ですが、ご了承ください。少なくともためしに履いて、玄関先を歩きましたが問題ありませんでした。
あ、忘れましたが、コーティング剤も買いましたのでたぶん、ツヤ出しになるかと思っています。
またやってみたら写真載せますね。
「皮を染める」というと、なんだか大変そうですが、けっこうできるものです。
最初に「小さいもの、あまり凹凸のないもの」例えばお財布とかで「コツ」を覚えるといいと思います。
今回、エナメルのようなつるんとしたものにも塗りムラ塗れるかどうか、と思って
刷毛目のつかないスプレーを使ってみましたが、元々苦手なので苦労しました。
上の写真くらいわずかでも凹凸のある地なら、刷毛で塗るタイプでもいいかもしれません。
なにより「細かいところ」は刷毛のほうが筆を使ったり、つまようじの先につけたりで小細工がききます。
鼻緒は面倒なので、いっそ付け替えた方が楽ですわ。
今回の草履はたまたま鼻緒も、元の色との折り合いもコントラストがついて、おかしくはありませんが…。
さて、いかがでしょうか。手持ちの草履、赤いなぁと思うもの、どうせ履けないのなら、
ダメ元でトライしてみては…、あ、失敗は自己責任でぇぇぇ。
草履に限らず靴でも本当に悩まされます。
草履は、お金を払って鼻緒を調整してもらえばきっと快適にはけるんだろうな~
と思いながら。。なかなか( ゚Д゚)
で、いつも履くのは流行りの?鼻緒が柔らかくてぶっといものw
何足か持っていてもいつもその草履に手が伸びてしまいます(笑)
細い鼻緒の物は、足の甲が締め付けられるような気がして。。。敬遠です。←だからすげ直してもらえってねww
でも、こうして、履けるのに色が。。というのなら染め替え。。良い案ですね^^
あります。全体に色を掛けるときにはスプレーは
便利ですが、細かいところは大変ですね。
それにしても綺麗に塗り替えられましたね。
私も甲高なので、大体の藻はキツイと感じます。
昔はお店で買いましたから、その場で治してもらえましたが、
最近はまず「履物屋さん」がありません。
草履持って、遠くまで行かなきゃならない…。
和服敬遠の影響ですね。
塗り替え染め替え、靴なんかは草履よりシンプルで
やりやすいですよ。
昔は地味な色しかなかったのに、
今のスプレーはすごいです。
どうも「イベント・ファッション」などに使われるようですね。
写真ではまぁまぁですか、こまかいところはちょっと…です。ははは。
草履染め直しとは。
昔服の染め直しはやったこありますが、靴とかは全然ないです。
で綺麗になりますねえ。
バックとかいけるかなあ。
一部はげたりとかしてるのです。余り外出とかもしないのですがね。
先日から雪降りました。初雪です。南の国ですが降るのですよ。
お山も初冠雪とか。
今日は鬼火焚きがありました。
昔と比べて人が少ないかなあ。
いつか分からなかったのでお飾りは塩でお清めして処分しちゃいました。
実は初詣でもまだなんですよ。
家でおこたの番(笑)
皮染めは「お試し」が必要だと、思っているんです。
過去に何度かやっていますが、
うまくいったりいかなかったり…。
ただ、おおざっぱに言えることは、普通の皮だったら
けっこううまくいく…です。
私がやったころは、塗るのが主流でしたから、
エナメルのようなつるんとしたものには向きませんでした。
元々、皮の表面に浸透させるわけですから、
普通の皮ならしっかり染まりますよ。
ただ、元の皮の色、つまり茶のバッグ…とかだと、
それとピッタリの茶があるかどうかです。
スプレーは色数多いのですが、塗るタイプはそれよりは少ないです。
自分で微調整しなければなりません。
なので、いっそ全部塗り直す…と言う方が楽なわけですね。
浸透して染まると、底が例えばよくシワになるところであっても、
けっこう剥げませんでしたよ。
私は記事に書いた「靴」が、結局はテストケースになったわけですが、
ご心配なら、古い財布など、小さいものでお試しをすると、
塗る感覚がわかります。
けっこう楽しいですよ。
関東は今年は雪が多いのではと思っていましたが、
雪は今のところナシ。それでも冷えますねぇ。
日本海側のドカ雪を見ていると、2月はこちらも、と、
心配しています。
お飾り、我が家もどんど焼きがあってもいけないので、
お塩かけて「ありがとございました」と、処分です。
様変わりですねぇ。
おこたの番、私かわりたいですー。