いただいたものの中に、地味目の羽織がありました。
今日は日差しがあったので、玄関で解きました。
表地は弱りがあって、ちょっと縫い目を引っ張ったら裂けてしまうところもあって…。
こんな羽織です。わかりづらいのですが、ところどころにごく薄いピンクがさしてあります。
そのピンクをちゃんと見たとしても、かなり地味。
今の時代なら私くらいの年代でしょうね。
その羽裏が、トップ写真のものです。もう一度出します。
かわいいでしょう?おもちゃ尽くし(尽くしというほどたくさんありませんが)
おんまさんは「春駒」、首の下から出ている細い棒の先には、小さな車輪がついています。
首をもって棒にまたがり、ハイヨーと…自分が走るわけです。
左下は花の形ですが「独楽」、そして左上と右上にちょっとずつ出ているのは、
でんでん太鼓です。
この羽織自体が、長着を繰り回したものと思われます。
返しがたっぷりなので、羽裏は量が少ないです。
たぶん、羽裏も子供のものを取っておいて、これにつけたのでしょう。
少ないがために返しを多くして、羽裏がちいさくてもなんとかなるようにした…
着物の繰り回しのワザをかいまみせてもらいました。
昔の羽裏は、いまよりずっとハデめで華やかです。
裏勝りの文化は女性にももちろんありましたから、若いかたの羽裏は、
表地よりもさらに華やかで、だいたいが赤、ピンク、黄色に緑、青…と、
色の洪水のようなのも、しかも柄は大きくて華やか。
子供のものはひたすら愛らしいとか、男の子のものなら勇ましいとか。
この羽裏は、色はかわいいですが、使われているのが春駒に独楽ですから、
男の子のものだったのでしょうね。
羽織は元々、着物よりは若い色柄でもいけるものですが、羽裏はもっと際限ナシ。
羽織は脱がないもの、脱がなくていいもの、というくくりのなかで、楽しんだのですね。
いつのころからか、羽裏もじゅばんも、なんだかメリハリのない、
ただ色がきれいですね…みたいなものにかわってしまいました。
みたとたんにドッカーンときて「やられたぁ」と思うようなものに出会わなくなったのも、
今の時代の不幸だなぁと思っています。
久しぶりの解き仕事でしたが、なんとも今度はハサミの具合がよくありません。
使いたくないリッパーのお世話になりました。
さてさて、あっというまにもう1月も終わりです。
今年は節分が1日早いのだ、たった1日でも春がちょっと早く近づくような気がしてます。
まぁ今年の桜も、静かに通り過ぎるだけのお花見かもしれませんけれど、
逆にこんな時でもちゃんと芽吹き、花咲く植物の強さを見習いましょう。
いただいたネモフィラも、寒さに負けず育っています。
羽裏、そうですよね〜。
まさに今 探しているのですが、なかなか私がトキメクお品に巡り会えなくて、コートや羽織も来シーズンに着れるかな… って感じです😢
お越しいただきありがとうございます。
羽裏は「これっ」という出会いがなかなかありませんね。
だからと言って見えないからこれでいいや…はいやだし。
しっかり楽しく悩んでください。