ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

おニューです。

2006-02-08 02:46:56 | 着物・古布

昨日、できあがってきました。
これは「道中着」です。元は「男物のじゅばん」です。
厚手の絹、ちょっと変わり織りの感じ。もう何年も前に
オークションで手に入れていたのですが、お財布の関係でずっとそのまま・・。
今年に入ってやっと形にしてもらいました。
オークションのときのタイトルが「ホイかごの長じゅばん」・・確かにね・・。
満開の桜の下、籠が二丁、右下は吉原の明かりです。
この下に「よしはらナントカ・・」と、流れるような文字で
粋な新内でしょうか、書いてあるのですが、
道中着にしたので、そこの部分は残念ながら裾裏にまわってしまいました。
下の写真が前です。僅かに字が見えてますが、前で合わせて紐を結ぶと
字は見えなくなります。かわりに黒いところはなんとかつながるわけですね。
白い小さいものが舞っているのは「桜の花びら」です。



これはかなり古いものでしたので、傷んでいるところもあり、
ダメなところはあきらめる、背中の柄さえ残ればあとはお任せ、
でお願いしました。穴とかシミはなかったのですが、
解いてみたら、すでに縫い目のところ、布力が少し弱ってきていたのです。
それで、男縫いでグシグシと強く縫うと縫い目のところから切れるといけない、と
あぶなそうなところはミシンで縫ってくれました。
そういえば先日、紐を作るのにちびっと男縫いしたら、足の裏がつるという
みっともないことがありました。寒かったから?いやいや慣れないことは
やるなという警鐘でしょう。すっごくイタカッタ!!

これを着るのはやはり「かるさん」の上、と決めています。
かるさんも黒っぽいのにして、着物はグレーの江戸小紋、帯も当然角帯ですが、
海老茶か、さび朱の「赤いもの」何か探してそれで作ろうと思っています。
献上があると一番なのですが、手元にないので・・。献上、高いしー!
これを縫ってくれた和裁師さんが「かわったものを着るかたですね」と
言ったそうで・・。ははは、まーそうかな。でもこんなのスキです。
昔の男物というのはじゅばんにしても、羽裏にしてもほんとに
おもしろい柄が・・あぁこれ、口グセになってますね。
今、仕事で頼まれて「羽裏のおもしろいもの」を集めているのですが、
布袋様、福禄寿、大名行列、弁慶・・いろいろあります。
もう羽織としては着られないものもありますし、
クリーニングすればというものもあります。もったいないなぁ・・と
毎度思いながらの仕入れです。今月中には、自由が丘のお店にお嫁入り。
いい人に買っていただいて、うまく使っていただきたいものです。
女性が男物の黒い羽織を着るのも粋なものです。
加賀紋かなんかに付け替えて、着てみたいと思っている私です。











コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« リクエストにおこたえして? | トップ | おもしろ柄です »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
着物学ですね (りさこ)
2006-02-08 14:01:13
とんぼさま♪

ご挨拶が遅れてすみません、リンクありがとうございます。こちらかもリンクさせて頂きますので、今後ともよろしくお願い申し上げますそれにしても、ご商売柄?とはいえ、とんぼさまの着物に関する知識は膨大なものがありますね大学で講義できるのではないでしょうか…着物学??
返信する
いいですね。 (ちょ~ちょ。(ちょうちょ改め))
2006-02-08 15:47:49
ホントに色々お知りになっていて、それに発想も豊かで、頭の中を覗いてみたいものです。

そして、少しでも分けていただきたい…なんて。



話は違いますが、HNとブログタイトルをちょこっと変えました。よろしく
返信する
これ、欲しい!と、つい、 (ぶりねぇ)
2006-02-08 21:38:23
口走りたくなりますが、やっぱり、やめときましょ。

病膏肓。。。
返信する
ホイ駕篭 (蜆子)
2006-02-08 21:42:09
ホイ駕篭、もしかして宝恵駕篭かも~と思ったのでした。宮川登美子さんの小説にでてくる、一番をはった芸妓が乗るという、凄絶な美しさの宝恵駕篭、あのはなやかな駕篭をいつか見てみたい、

でも本当にホイ駕篭、場所は吉原の堤のあたりとか、艶やかな若旦那でも乗っているのかな、新内でも聞こえてきそう



それにしてもそれを道中着にとは!

その相手がかるさんね、粋だね~

吉原の大門をその格好でくぐれば、どうでござんしょ。
返信する
ごめん (蜆子)
2006-02-08 21:50:13
もちろん、宮尾登美子さんでした。
返信する
わぁっ メッセージいっぱい! (とんぼ)
2006-02-08 22:12:54
りさこ様



こちらこそよろしくお願い致します。

私の知識は「好きなものだけ」「広く浅く」なんです。突っ込まれて聞かれると「わかんなーい!」とぶりっこして逃げますー!

自分の勉強にもなるので、これからもいろいろ書いていくつもりです。お立ち寄り下さい。



ちょ~ちょ様



こちらのHNの方が、ひらひらと優雅に舞っている感じですね。そうそう「アレコレ」読んでます。いいとこ切り抜いたりしちゃって・・。



ぶりねぇ様



今日、またすごくいい男物の長襦袢をゲットしました。一応頼まれ物なんですが、どーしよーかなーと思ってます。また3年ものくらいに寝かせて?みようかと。今日のは「こうもり」つき。届いたらアップしようかなと思っています。お楽しみに。



蜆子様



籠というのはけっこう揺れて、酔う人もいたとか・・。でもいつぺん、この道中着で乗ってみたいものです。途中で転げ落ちたりして!?
返信する
散ってるところがポイントでしょう! (萬屋千兵衛)
2006-02-08 22:24:33
私が思いますに、駕籠が二丁で返さずに待たせておりますし、(通常は返すでしょうから)月夜に桜の花びらが散っているという設定も意味深で、想像しますに、きっと大店(おおだな)の旦那が、15歳で元服した息子を伴って、吉原に繰り出し、裏の成人式をさせているところだと思います。

旦那は、馴染みの芸子とドンチャン騒ぎ、息子はしっかり、お勉強中という訳です。

桜の花びらの散る状況から、成人式も無事に済んだという事なんでしょうね!(笑)めでたし、めでたし!(笑)
返信する
なーるほど・・ (とんぼ)
2006-02-08 22:54:07
千兵衛様



「不純異性交遊」なんてぇ言葉のない時代、「援交」もボッタクリバーもない時代、大切なお勉強だったのでしょうねぇ。いや、これはひょっとして千兵衛様の思い出ばなし?ひとごとのよーに語ったりしてぇもぉ。
返信する
見たい (なぎさ)
2006-02-09 08:11:02
いいですねえ、お召しになった所を拝見したいです。

是非!!
返信する
ではいずれ写真を・・ (とんぼ)
2006-02-09 19:25:17
なぎさ様



一応目だちませんが「桜柄」なので3月に入ったら着てみようと思っています。誰かに写真を撮ってもらいましょう。とーーーぜん「後姿」ですが・・。そうそう「バック・シャン」のことを「一斗六合」というそうです。つまり後姿を見たとき「はっと(八斗)」して、前向いたら(見なきゃよかった・・で)またはっとするので、足して一斗六合・・。
返信する

コメントを投稿

着物・古布」カテゴリの最新記事