ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

伸子張りができる~

2010-05-02 14:22:39 | 着物・古布
準備しようかなと思って外を見たら、こんなお客様が…。
見えますか?私のカメラでは、これが限界なのですが「蜂さん」です。
黒っぽいし、足が見えないし、ズングリさんですから「アシナガ」ではありませんけれど。


        


春から夏は、鉢植えの花やらご近所さんの花を目指して、
蜂がやってくるのは珍しくないのですが…。
この蜂さん、なんというか「偵察?斥候?」それとも「休日のモデルハウスめぐり?」
いやもう私のブログ名そのままに「ホバーリング」したまま動かないのです。
時々ちょいっちょいっと、縦横に流れるのですが、
我が家のちょうど二階の軒あたりをじーっと見ている感じなのですよ。
やがて右90度、左90度、と見渡したりして…。
ひょっとして「ここの軒先におうち作るかなぁ」なんて考えてんじゃないだろーかと。
思わず「ここは日当たり不良、吹きっさらしで風アタリ強し、
前の電線は鳥さんたちの休憩所ッぽいし、敷金も礼金も高いよっ!」(蜂蜜とるぞって?)
みつけてからしばらく見ていて、カメラを取りに行って、何枚か写して、
それでもまだいたんです。蜂さん苦手なので、伸子張りは後回しになりました。
蜂さんオネガイッ!新居はべつに探してね!


というわけで、せっかくのお日様には午後からお手伝いいただいたのですが、
今回も「ふのりナシ」…だはは。それというのもこれは羽裏だけが目的でしたので。
表はそのまま丸めてまたあとで…と思っていたのです。
ところがイザ解こうとしてよくよく見たら、なんともシャレた薄い縞でして。
「絽」ではありませんが、うすい…。トツプ写真をもう一度…こんな感じで透けます。
下の棒みたいなのは、コンクリートに映った雨よけ屋根の影、
左側は日差しの強さで真っ白にハレーション…です。


       


ちょっと傷があったりして、こんな生地ですから、
ちょっとした糸のツレ傷がけっこう目立つのです。
でももったいないし、とりあえず洗うだけ洗ってみるか…と、やってみたわけです。
水はもぉこげ茶色でした。染めの色の落ちもありましたが、
なにしろ解いていてちょっとひっぱると、縫い目からホコリが立つ…すごかったです。
とりあえず、さっぱりさせてみてチェックですね。
袷の仕立てですが、こんなに薄くて軽いなら「単羽織」の方がいいかなと。
紋は入っていませんでしたから、ちょっと柄なんか描いてもらうといいかな~。

で、こちらがはずした羽裏、例の「二人袴」です。


   


これを解くために畳んで置いてある時に、呉服屋さんの奥さんが立ち寄られました。
「なにしてんの」のお話しで、これを解いて羽裏を洗う…といったら、
「お願いだから、羽裏はうちで洗わせてちょーだい」と…。
「こんな珍しい柄はいまもうないから、シミもちょっと調べてきれいにするから」とおっしゃる。
よーするに「アンタがガシガシ洗ってダメになったらどーすんのよ」という、
「信用されてない」って話しですな。
というわけで、これは呉服屋さんでお風呂に入ります。
もう一枚も、以前ご紹介したもの。緞子の羽裏です。
イマドキはドンパはもう作るヒトもいない…んですよね。
珍しいねぇとこれも「自分で洗うなビーム」をガンガン飛ばしながら、
奥さんは帰っていかれました。洗っちゃうもんねぇ…。


   


ドンパは光るのでフラッシュがたけないとか、ホワイトバランスいろいろやっても
真っ暗とか、もうほんとに写しにくいんです。暗くてスミマセン。
着物の下にあるのは「香」を焚き染める道具と思われます。
これからおでかけでしょうかねぇ。

玄関先で、日の入り加減があいまいなもんですからちゃんと映ってませんが。
色は上の写真の方がホンモノに近いです。
小袖には青海波や菱模様が細かく織られています。軍配柄、豪華ですね。


   


こちらは今で言うところの「乱れ箱」に入っている、たぶん「掻取」、
関西では「うちかけ」、龍の正面ガオというすごい柄です。雲海もきれいですね。


   


これは羽裏でももちろんいいと思いますし、まだ使用可能ではあります。
ただ、緞子の羽裏は女物にはちと重さがあるのと、ハリがありますのでねぇ。
もったいないけどカットしてみたら…と、置くだけおいてみてみました。


       


帯にしたら、なーんか当たり前ですかねぇ。こりゃ却下…かな。
実は大きなシミがあるんです。シミばっかりはねぇ…洗って落ちる感じには見えますが、
緞子はこするとけばだったりしますから。
やっぱり「自分でやっちゃダメよ」かなぁ…と、弱腰になっています。

連休のお天気、ありがたいです。明日の仕事を今から準備…です。



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8 コメント

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またまた、良い羽裏 (otyukun)
2010-05-02 21:10:39
先日は残念、還暦のお祝いを言いそびれてしまいました。
逃がした鯛は大きかった。
ついでに元に戻って、布海苔を焚く水加減は水2リッターに布海苔25グラムが基本にしています。
濃いめが良いときは30グラム。
防腐剤を入れておけば冷蔵庫で長く使えます。

またまた、良い羽裏ですね。
ドラえもんのポケットの様に出てきます。
返信する
蜂さん (うまこ)
2010-05-02 22:48:11
この蜂さんはクマバチだと思います。
クマバチは熊ん蜂とあだ名される
スズメバチと違い、
おとなしい花専門の蜂です。
黒い光るおしりと羽に黄色いチョッキの
派手な出で立ちにぶんぶんうるさい羽音で
怖がられますが気にせず作業していれば
何事もありません。
間違っても追い払ったりすると
攻撃されたと思って、何かするかもしれませんので
完全無視で静かに作業されれば大丈夫です。
返信する
良い柄ですよねぇ・・・ (りら)
2010-05-03 06:02:33
上の「二人袴」も下の着物に香道具も。
いまやこういう風俗は無いとしても、歴史として残っているのですから、こういう柄を活かせば良いのに~。
これ、帯が素敵だと思いますけど・・・
何か使う先が見付かると良いですねぇ。

横レスで済みません!
クマバチと熊ん蜂の違い、知りませんでした!
ご教授、ありがとうございます。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-05-03 10:15:02
otyukun様

まだまだあるのです。
羽織で取っておくのは場所をとるので、
順次解いていくつもりです。
お楽しみに?!

ふのりの割合、ありがとうございます。
母の「自分で決めた容器」の割合も、
きっと同じようなものだったのでしょうね。
昔はなんでも「目分量」でしたね。
教えていただいた割合で、一度やって見ます。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-05-03 10:18:14
うまこ様

はい、上の方にいたので、チョッキが
見えなかったのですが、暑い季節にやってくる
「くまさん」だと思います。
おおむね「かまわなければ」と
知ってはいるのですが、父が刺されてまして、
あの「腫れ」をしっているものですから、
つい敬遠します。音もすごいですよね。
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Unknown (とんぼ)
2010-05-03 10:22:53
りら様

ほんとに「せめて絵で遺して」と思いますね。
これ、やはり左右両方揃っての柄だと思うので、
真ん中で切るのは、なんかもったいなくて。
広いままだと、特大のクッション?
お昼寝ぶとんみたいになりますね。
いろいろ悩んでみます。

「くまばち」と「くまんばち」、
私も大人になってから知ったんですよ。
けっこう混同してますよね。


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Unknown (陽花)
2010-05-03 21:27:58
私も蜂は何度か刺されているので
やっぱり怖いです。
なにもしない蜂でも、何処かへ消えるまで
気になって用事が出来ないです。イヤですね。

素敵な羽裏が何に変身するのか楽しみです。
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Unknown (とんぼ)
2010-05-04 20:44:03
陽花様

私はまだ一度も刺されていないのですが、
父が「いたいぞぉ」って言うんです。
突然やってくると、とにかくじっとして
そおっとさりげなく動いてますが、
ひやひやものですよね。

この羽裏、悩んでますー。どうしましょうかねぇ。
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