静かな生活  微睡の 私記

 
さりげなく 簡素に生きたい。傍らに コーヒーがあって
とっておきの本たちがあれば それだけでいい
 

’月夜とメガネ’を聴きながら、ついうつらうつら…

2017-11-22 01:29:17 | 日常



    
   今夜も 小川未明さんの ”月夜とメガネ”

  を聴きながら 眠りにつきます。

    
   わたしは すっかり 物語の中のお婆さんになりました。


    時は春 緑のころ 月夜の晩に 街はずれにひとり暮らす

   おばあさんは いつも窓辺に、ランプの明かりで 

   お針のお仕事を 楽しみます。遠く過ぎ去った想いを

   穏やかな気分で あれこれ述懐します。思いだすのは

   なんといっても 遠くで暮らす 


   お孫たちや 身内のひとたちの 安否…や…

   お婆さんの眼は すっかり霞んで 不自由で、糸は針の

    目処に通しずらい…丁度

    素敵な月の今夜 窓の下を訪れた サングラスをかけた 

   メガネ売りの男は お婆さんに とても具合のいい眼鏡を

   選んでくれました。‥それから‥お婆さんを訪れたのは



   …野バラの香りを纏うた 髪の長い綺麗な少女でした。

   小さな指を 傷つけて、血を流して、痛がっています。

   おばあさんは 早速 さっきの眼鏡をかけて 叮嚀に診て…

   少女を 胡蝶の化身だと、知りました!

    優しく 労わりながら お婆さんは きれいな少女を

   戸外の 野ばらの咲くお庭に 導きました。

   いつの間に 少女は 音もなく そっと・・・

    静かに 野ばらのて我が家へ 消え去りました…

    さて わたしも寝よう…お婆さんもお家に戻りました。
 

    しずかに ’庭の千草’は 優しく流れています。
 

    独りぼっちなお婆さんのわたしも 本当に心地よく 

     寝てしまいました。わたしは今、心からおだやかです。



    いつの間にか 吾が愛器 ギャラクシーS4も

   暖かいお布団の上の 夢の世界へ‥‥放浪中…



    数日前から 東京の夜空は お星さまがとても綺麗でした!
   

    でも・・・今夜あたりから、雨の予報です…

    わたしは 雨も好きです… 雪は もっと好きです。


     皆さま ぐっすりおやすみなさい・・・





森の岸田衿子さん

2012-06-05 15:17:07 | 日常
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 2012年6月5日

  ようやく心地いい居場所に、また戻ってこれました。
かれこれ一年半もの、長かった逃亡・・・。心は何時も、戻りたいのに、
きっかけが、言い訳が、できなくて。

人生は所詮失敗の積み重ねでできているから、
そのすべてを素直に認めましょう。現に今、またかつての場所で、
あの頃の日常を、
取り戻したのですもの。
夢と現の、区別をしなくていい、心の世界で自由に読んだり、
自由に想ったり。


  薄曇りの、少しだけ風のそよぐ、とっても快適な今朝、
いつものように、森の辺りへお散歩です。しっかり聴こえる右の耳で、
森の小鳥のさえずりを聴きながら、 急がないお散歩です。

 あれれ? 昨日まで不器用に囀っていて、あれが鶯のつもり?
 それとも?変よ。変調な囀りも、今朝はしっかり鶯声です! あの子、
上達したのだ。
この場所は、あの子のテリトリーかもしれない…一羽だけらしいけれど。

 森は不思議な場所です。六月の小道は、香りを、
それぞれに独占します。
林もそう。フィトンチットを、いくら吸い込んでも、森の精は寛大です。

 今、わたしは、岸田衿子さんに夢中です。衿子さんは少しお姉さま。
お付き合いして間が浅いので、わたしは少し遠慮がち、になりました。
 途中、少し疲れたので、一度だけ、路傍の敷石に腰かけて、
木々の幹を伝いながら、お散歩はようやくおしまいです。

  わたしの苫でアッサムの蜂蜜ミルクティーとチーズトースト、これって
老齢者用の骨訴訟症治療食、のつもり、の遅めの朝食です。
 岸田衿子さんの御本は ”あかるい日の歌” にします。
 わたしたちの時間は、延々と、延々と続きました。

 


わたしの不二山でお抹茶を点てます。

2010-04-01 16:12:52 | 日常

  

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    うららかな春の訪れです。 R2ライフです。青い空に

 ふかふか純粋の白い雲が綺麗です。空を見るためのR2ライフです。

 車窓から吹きこむ風は、陽に暖められて、肌に心地よくふれました。

 ここは西東京 の郊外、空気のとてもおいしい地域です。

  いつものように日常のお買いものを済ませて、ノルマはおしまい。

  午後、沖縄土産の黒糖アンダーギをお茶受けに、お抹茶をいただくことにしました。

 わたしだけのセレモニーは、何といってもお茶碗です。

 このお茶碗は、かれこれ20年も前に焼いた、信楽焼きです。 

 光悦の不二山に魅せられて始めた趣味の陶芸の初期の愚作品です。

  【光悦写し]  と、勝手に名付けました。

   今日はいい日です。 お茶がよくたちました。 湯加減がいいのか、

 お抹茶の、量が適量だったのか、・・・お茶碗の出来がいいのか…

     ・・・ フ フ フ ・・・

  アンダーギの適度な脂っこさは、お茶に適しているとつくづく思いました。

  これまで、つい粗末に扱ってきたこのお茶碗を、これから大事に使いましょう。


 小さな中休み

2009-04-29 12:57:53 | 日常

ひさびさのブログ更新です。ゴールデンウイークも真っただ中の、一人暮らしにとっては遊び疲れて一休みの今日です。あれこれ感動した経験も、時の過ぎゆくままに、セピア色に色褪せてしまうだけ。せめて、心に響き続けるあの界隈を振り返りながら、小さな花壇の雑草取りをします。周りには人っ子ひとりいません。好き好きに遠出をしたのでしょうか…

 ローズマリーが元気です。紫色の小さな花をこぼれるほどつけています。ラベンダーもきれいな穂をなびかせて、春は満開です。ひょろひょろと伸びた小枝と穂先を選定して、ささとひと洗いして茶きんに包み、ポケットにしのばせて、ほんのり草の香りを楽しみます。

 部屋に戻ると、なにかしら飲みたくなるものです。コーヒーにしよう。お湯を沸かしながら、ふと考えます。新しい豆の封を切ろうか。いいえ、ドリップオンがまだ三袋も、インスタントコーヒーも残っている。処分するなんて、無駄はいけない。簡素な暮らしを切望でしょ?

 結局、先ほどの茶きんをポケットから取り出して、ハーブティーにしました。のどかなゴールデンウイークの昼時です。林檎を一個食して、ひと眠りして、愛車R2で牛乳を買いに出かけましょう。ここは東京、それだから好みの銘柄は東京牛乳です。東京よ、活性化してください。

 こうしてブログを、身内に話しかけるつもりでしたためたのは、ずいぶん気楽に更新できそうな気がしたからです。つまるところ、自分に話しかけているのですね。


短く切られた楠

2008-09-02 15:55:52 | 日常

 樹齢三十年のわたしの楠、この四月末、アパートの住人の意向で、

異様に奇妙な形に切り詰められてしまった。

陽の光を遮るからと、あの深い緑をたたえた大木の枝が、葉を一枚も

残さずに、無惨に切りおとされてしまった。

 ヘルマン・ヘッセの詩の樫の樹は、金剛不壊だった。

わたしの楠も、九月の声を聴き、根気よく新しい葉を枝から出して、

今、やわらかく緑に萌えています !。背丈はすっかり低いまま・・・

根方にはこの三十年間、亡くした愛鳥たちの亡骸を預け続けてきた。

 樹には樹の精が宿る、と、わたしの郷に言い伝えがあって、庭の樹

を移したり枝を切るとき、お酒とお米と塩と水を供えて願かけをします。

それだから、どうぞ楠さんも 精霊を慰めてください。

 ケルトの国でも、樹に霊が宿ると何かで読みました。

そう聴くだけで、ほっとしてわたしの心は和みます。 

 朝は一番にミンミン蝉、次にジージー蝉が木陰の辺りから

聞こえます、雨の日は雀の雨宿り樹になって、彼らの恵み多い

場所です。

 はやく冬になるといいのに。雪が降ると枝々に雪を載せて、

見事な冬景色が待ち遠しい・・・・ 

 夢想しながら ベランダから、ぬれた楠の眺めはいいものです。