昨日までの、あのさわやかな秋の佇まいは、一変して、
今日は朝から秋雨がしとしと降り続きます。明日は立冬です。
ヴェランダの、軒下に吊るした外気温度計は14.5℃。いつもの
朝晩の気温なのに、雨の所為か、とても寒さを感じます。
森までの細道のそよ風も、木々の色づきも、か細い野鳥の
さえずりも、去りゆく秋の名残りを惜しむ心で、昨日は
4521歩も歩きました。ヘンリ・ライクロフトになりきって・・・
それだから今日は、心おきなく雨読の日に決めました。
青空文庫から、萩原朔太郎の”僕の孤独癖について” 。
読むに従って、自分がモデルであるような、少しだけ違うような
理解者に逢っているような、なんだかとても心休まる随筆です。
ああ、この数カ月、甲賀三郎、コナン・ドイル、夢野旧作等
の探偵もの、ミステリを、それこそ夢中で読みあさりました。
何のことはない、わたしの主治医に処方していただく精神安
定剤 セレナミンを飲まないがための法便です。 作品を読んでいると、
鬱鬱した気分の時間がもったいなくての、お薬絶ちです。
その副作用か、物忘れの度合いがずいぶん減りましたって。
この頃、彼らの作品を大凡読み終えたので、次なる作品は、
薄田泣菫の、随筆や、中原中也の散歩生活、萩原朔太郎、
といった、気の向くままの作品を気楽に、丁寧に、ゆったりと読む
んでおります。
いよいよ来年。鬼に笑われるのを覚悟で、鈴木道彦訳
「失われた時を求めて」の3度目の通読に入りたい。
大好きな人物は、シャルリュス男爵。 テーマはフランス式ハーブティー。
私の大好きな詩人長田弘氏の、”猫がゆく”で述べた、一生一遍だけを
読み続けようため、の長編を、その本に決めてあるからです。
ずいぶん間を置きすぎたブログの更新になってしまいました。
朔太郎氏の言葉に従えば、強迫観念は、老齢期に入ったおかげで
かなり快癒しだした気配を、自分なりに感じます。人間づき合いは
まだまだかなりうっとうしいけれど、 ひとりの世界、本の世界に
もぐっている限り、よけられますから。コンビニと、森と、車通りの
少ない郊外の道路を選んで、気楽に平均寿命を全うしたいな・・・