風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
比べて面白い 比べて響き合う 比べて新しい発見がある

大いなる 高浜虚子(比歌句 49 左)

2018年08月10日 | 和歌

大いなるものが過ぎ行く野分かな 高浜虚子(たかはま きょし)

 

暴風に晒されたが、どうやら台風は過ぎ去るところだ。ひっきりなしに荒れ狂っていた風の音が、時折聞こえて来る程度になった。

そんな状況の中で、虚子は台風を巨大な生命体のように感じ、畏怖している。

<吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ>は、嵐が治まった後の挨拶だが、虚子は自分の安堵感を句にしたのだと思う。