風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
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久方の 正岡子規(比歌句 50 右)

2018年08月13日 | 和歌

久方のアメリカ人のはじめにしベースボールは見れど飽かぬかも 正岡子規(まさおかしき)

 

俳句や短歌を詠む人は、なかなかスポーツを貶せない。それは、子規が野球が大好きだったからだ。虚子や碧梧桐も子規の勧めで野球をやったことがあるようだ。

“久方の”天や空に掛かる枕言葉だが、アメリカに掛ける自由奔放さ。だけれども、船でしか海を渡れなかった時代、確かにアメリカは久方にある国だった。

それにしても、子規の愛した野球は将に草野球だった。

 

ベースボールの歌から

打ち揚ぐるボールは高く雲に入りて又落ち来きたる人の手の中に

いやあ、外野フライですね。しかし、のどかに楽しんでいる打者、外野手、そして歌人。

 

どの本に書いてあったのか失念していて申し訳ないのだが、「野球」という言葉も子規の考案らしい。しかも、“野”と“球(ボール”を合わせてノボール・・・升(のぼる)、つまり子規の本名だということだ。

子規は笑いが大好き。駄洒落が大好き。そうでなければ、秀吉以来最高の“ひとたらし”にはなれなかったのだろう。

 

ミットより熱砂へ突き出す指二本 風天