農林水産商工常任委員会の県外調査は塩竈市役所から始めました。福祉生活病院常任委員会から配属替えになり、初めての県外調査です。
塩竈市役所では小山浩幸産業環境部長から話を聞きました。名刺には日本ソムリエ協会のシニア・ワインエキスパートという肩書きもあり、期待が高まります。
小山部長は「東日本大震災から発災から874日目。塩竈市は周囲4キロの小さな市域だが、1万3333戸が浸水するという大きな被害を受けましたが、9000枚の毛布を鳥取県から送っていただき、ありがとうございました」と挨拶された後、今回の調査目的である漁港荷捌き場の「高度衛生管理基本計画」について説明を受けました。以下はその概要です。
塩竈市の沖に4つの島があり、ここは10メートルを超える津波となったが、この島々が防波堤のような役割を果たし、4メートルくらいの津波となった。水産業の復興については、2回の公募で8社を選定。水産物の鮮度保持施設や加工処理施設を建設中だ。商業・観光では約60店舗あった海岸通地区が12店舗を残してなくなった。ここには低層の商店街、ホテル、駐車場からなる再開開発ビルを建築する。浦戸諸島の復興、避難道路の整備を進める。
漁港荷捌き場の「高度衛生管理基本計画」に話題は進みました。
塩釜地区の魚市場は昭和40年に建てられ、相当老朽化していた。水産庁の高度衛生管理基本計画は、全国に13港ある特定第3種漁港が対象。市をを挙げて取り組み、枕崎と共に平成22年に指定された。計画の内容は①陸揚げから搬出までを一方向化する②人と一般車両の入場管理③囲壁による鳥獣類の侵入や糞尿等の異物混入の防止④電動フォークリフト導入による排ガス汚染防止⑤床面の抗菌処理⑥海水冷却装置等による温度管理の徹底⑦水産物や水質の定期検査などに取り組むことだ。
計画の策定にあたっては現状の問題点を抽出した。現在の荷さばき所は開放型なのでカモメなどの侵入を許している。敷地内に車道を走ったトラックがそのまま入れる。魚が直置きされているなどが問題点として浮かび上がってきた。
平成24年に水産庁が公示し、設計に入った。A棟(マグロ類)とB棟(その他の魚)を建設する。この予算は52億円。荷さばき所補完施設は復興交付金を使って建てる。こちらの事業費は8億円。食堂や会議室、さらには現在の荷さばき所の二階に入居している仲買の事務所もこちらに移転する。
市役所から現場に移動し、現在の荷さばき所を見学しながら、質疑に移りました。津波の影響で建物などが流され、荷さばき場だけが残っているというような感じです。
Q 現在、市場の運営費はどれくらい。県の補助は。
A 市場は市営です。一般会計から特別会計への繰入は約1億円。ここは県の土地を借りているので、建物がある部分は賃借料をお支払いしているが、県からの補助はない。高度衛生管理を導入するとトラックの入出管理も必要となるが、敷地として区分されるので、敷地全部の賃借料を払って欲しいとの県からは言われているが、これは勘弁していだこうとお願いしているところだ。
Q 現在ある建物は
A 順次取り壊し、新築し、置き換えていく。
Q 工事中のあの大きな建物は
A 製氷や冷凍の民間事業。いまだと8分の7の補助が国から出る。しかし、それでも、水産会社の経営は厳しく、なかなか復興は進まない。
Q 高度衛生管理を導入するにあたっての課題は
A 一番の課題は、働く人たちの意識改革。魚を直接置かない、市場に入る時は消毒するなど求められる項目は多い。くわえタバコで作業というわけにはいかなくなる。加えて、ランニングコスト。今でも大変なのにさらに費用がかかる。太陽光発電を導入して売電輸入を得るなどの工夫を考えている。
歪んだままの岸壁もあり、震災の傷跡はしっかり残っていました。
停泊しているのは高知の船でした。マグロでは塩竈にブランド力があるので、他県や他港の漁船の入港も多いそうです。
ここで、意外な話を聞きました。
魚市場の水揚げですが、マグロの延縄が一番多く、5316トンで390億円、次いでマグロ・カツオの施縄で、1235トンで105億円などがメインですが、貨物自動車という項目があり、これが1万7156トンで850億円と一番多いのだそうです。
塩竈漁港ではなく、港湾である塩竈港、それに仙台港などに荷揚げされた海外からの魚のすり身をトラックで運んできたものが、これなんだそうです。塩竈は、かまぼこなど練り製品の生産が日本一でしすが、その原材料は輸入に頼っているのだそうです。「水産加工会社がハイテクパークにもあります。排水施設さえあれば内陸でも生産は可能なのんです」とお聞きしました。地元の魚でこその特産品だと思っていましたが、そうではないようです。長年の加工技術こそが、特産品だとも言われました。その一方で、「近海で捕れ、塩釜港に挙がった魚でつくる練り製品は、それだけ付加価値が付くと思います。高級品としてブランドを進めていきたい」とも話されました。
参議院選も終わり、県議の本来の生活に戻りました。いろいろと思いはありますが、それはそのうちアップしたいと思います。さて、会派「かけはし」では24日、大阪に県外視察に出ました。
東京のアンテナショップをどうするかが、今、県議会の中で議論になっています。「食のみや鳥取」をPRするといいながら、県費を民間の飲食店と物販店に投入しているだけではないのか。あるいは、黒字を出して県財政に貢献している他県のアンテナショップもあり、運営に改善点はないのかといった議論です。アンテナショップを運営する東京本部と異なり、関西本部ではデパートやスーパーでのイン・ショップ展開に力を入れているそうで、その方向性を確かめるのが主な目的です。
大阪駅前第三ビルにある関西本部で、米田本部長からの聞き取りから調査を開始しました。関西本部は県職員15人。3市3町の職員が7人、ふるさと鳥取定住機構、県産業振興機構など5団体9人の計31人が勤務しています。米田本部長は「事業展開を進めるのは人です。1人でも多くの人が欲しい。量は人を育てることで質に転化しますが、人がいないことには何も始まりません」と陳情のような会話からスタートです。
あべのハルカスは近鉄阿倍野橋駅のターミナルビルとして来春開業予定ですが、中核となる近鉄百貨店本店の一部が6月に先行オープンしました。全面開店すれば売り場面積日本一の巨大商業施設となります。県では近鉄百貨店の飯田社長を「とっとりふるさと大使」に任命。近鉄百貨店とのコラボで鳥取を売りだそうとしているのだそうです。そんな概略を聞いた後、地下鉄で移動し、あべのハルカス近鉄本店へ向かいました。
まずウイング棟9階にある「暮らしのデザインKITAS」に行きました。
KITASは、日用品や生活の道具を喜多俊之さんがセレクトしたギフトショップです。喜多さんは家具や生活雑器から液晶テレビ、ロボットまでを幅広くヒット商品を産みだしてきたプロダクトデザイナーで、ニューヨーク近代美術館などにその作品が収蔵されています。
この喜多さんに鳥取の民工芸品の良さを売り込み、ここで販売してもらうことで、ヒット商品を生み出そうという計画なのだそうです。この時は、青谷和紙の照明器具があるだけでしたが、これから幅広く提案していくのだそうです。
タワー棟9階にあるキッチンスタジオでは、辻ウエルネスクッキングの料理教室が開催されますが、11月から休校になる日曜日に会場を借り、鳥取の食材をPRする料理教室などを開催できないか、交渉中なのだそうです。
ハルカスには現在4箇所、全面開店時には8箇所の街ステーションが設けられ、ここを舞台に「縁活」が開催されます。縁活とは市民団体などが楽しくて、日々の暮らしや地域、社会がちょっと良くなるプログラムを百貨店内で展開しようとするものです。8月5日に青谷和紙を使った折り紙教室を開催し、以後、月1回のペースで開催していく計画だそうです。
タワー棟地下1階の「あべのフードシティー」に降りました。ここには諸国銘菓というコーナーが設けられていました。土曜日限定で石谷精華堂の打吹公園団子が販売されているということです。
鮮魚コーナーでは境港産天然マグロが販売されていました。
レジ横には「食のみやこ鳥取県」のコーナーでは約40品目が並んでいました。
「近鉄米」と題したお米の販売コーナーには日本各地の銘柄コメが並んでいました。今年度、鳥取いなば農協と「おまちかね」という品種を国府町で30アールを栽培しており、収穫時などにイベントも打っていくそうです。
次に訪れたのは阪急百貨店うめだ本店。鳥取自動車道の全線開通を記念して5月22日から1週間、地下2階食品売場で「まるごと鳥取フェア」を開催したそうです。
青果売場に来ました。
ここでは「朝採り直送野菜市」が開催されたそうです。未明からブロッコリー、白ネギ、キュウリなど収穫して朝5時にトラックで出発。午後一から販売したそうです。
次は鮮魚売り場を覗きました。県漁協とも連携し、毎日、アジやスズキ、白イカなどを運んで「鳥取港直送市」を開いたそうです。訪れた日も、ハルカスと同様、境港産の天然マグロが「本日のおすすめ品」として販売していました。
調理即売するキッチンステージでは、ハタハタの南蛮漬け、鶏とブロッコリーのコク旨中華炒めを調理して、食べ方教室も開催したそうです。
日本酒コーナーでは、「千代むすび」が売り切れて、入荷待ち状態でした。人気があるのか、それとも、入荷量が少ないのかは確認できませんたが、大人気であって欲しいと思いました。
醤油のコーナーの充実ぶりには驚かされました。大都会ではこんな商売が成立するんですね。考えさせられます。
ヤマザキ製菓の「ランチパック」のコーナーもありました。ここでも、くまモンが人気ですが、広島や岡山のランチパックはあっても、鳥取のものはありません。寂しい感じがしましたが、関西本部では「鳥取のものがないのは確かに寂しい。働きかけをしてみます」とのことでした。
阪神百貨店にも足を運びました。山陰の海産物を売るコーナーがありました。
ハタハタの干物もありました。4匹880円とけっして安価ではありませんが、大きて脂が乗ってそうで、これなら満足できる値段だと思いました。境港産の本まぐろ魚醤もありました。
関西本部では「鳥取県サポーターズ企業」様向け施策説明会が午後3時半から開かれましたので、デパート回りから戻った私たちも、傍聴させていただきました。これが今回の視察での最後の調査です。
7月4日に鳥取県に進出して10年未満の企業を集めた説明会を開催しており、24日は10年以上の企業を集めての説明会だそうです。19社から24人が参加され、関西本部、商工労働部のほか、県産業振興機構、ふるさと鳥取県定住機構、県産業技術センター、4市4町の担当者、鳥取大学、鳥取環境大学、県内金融機関など34人が説明にあたりました。
米田本部長の挨拶で始まった説明会は、鳥取県経済再生成長戦略など県の企業支援策の説明が延々続きましたが、パワーポイントなどを使うわけでもなく、要領を得ない説明もあり、もう少し工夫できなのかなと正直思いました。意見交換は4時45分から始まりましたが、その時間は20分足らず。むしろ、ここの時間が必要なのではないかなと思います。
「厳しいことを言いますが、商工労働部の人間は企業に来ませんね。来るのはコーディネターばかり。一度くらい誘致したら訪ねてきたらどうですか。それに環境立県と言いながら、太陽光発電を導入しようとしたら、期間や費用などで問題も多い。どんな支援策が用意されているのですか」という声があがりました。「担当部署が違うので、調べてから説明します」と答弁すると、「環境に優しい鳥取県といいながら、どうして企業エコについて商工労働部が答えられないのですか。そういう縦割りが問題だと思う。様々な雇用支援策があるが担当部課が分かれている。特に本体の商工労働部でワンストップの窓口体制ができていない」という声が上がりました。
太陽光発電の補助金制度は、系統連系と利子補給の制度が用意されていることは私でも知っています。簡単に説明したうえで、詳しくは担当課から連絡させますと言えば、良かったのにと思います。 会の終了後、発言した方とも話したのですが、自分の担当外のことは触りたくないのではない。政策ごとではなく、企業ごとに担当者があってもいいのではないかと思いました。民間企業の営業マンは企業ごとに担当者を置いていて、その企業のことならば担当者は会社を走り回って提案などをまとめます。こうした担当者によるワンストップサービスの方が企業にとっては利便性が高いのではないでしょうか。
米田本部長は「関西本部は企業1社1社に出向いてお話を伺うことから始めていますし、必要なら関係部署の人間と一緒に伺うので安心して下さい。何かあれば連絡ください。すぐに対応します」などと躍起になって理解を求められておりました。
「鳥取県内で大学生の採用ができない。鳥取環境大学の学生は私たちの企業に就職してくれないのか」という声をありました。環境大は環境大で、学生の就職で一生懸命です。そのマッチングができていないのはなぜなのか。鳥取に帰ってから、この問題はきちんと調べてみようと思いました。
どうも私は性格で損をしているように思えてなりません。
とくかく「判官びいき」なんです。強者が弱者に何かを強いるのが許せないんです。「長いものに巻かれる」ことができないんです。それで、いつも、つまらぬ意地を張って、1人で責任背負い込んでしまう。言わなくていい1言を言ってしまう。反骨精神と言えば、格好いいのですが、どうも、ただのへそ曲がりのようです。しかも、もう年齢は50歳。今から直すのは至難の技でしょうね。誰か、いい対処法を教えてください。
東京新聞の16日朝刊は、驚くべき内容を報じています。長文ですが、引用しますので、ご一読ください。
自民党は同党の改憲草案で、憲法9条を変更して自衛隊を「国防軍」にすることを掲げた。
それに伴い、国防軍に「審判所」という現行憲法では禁じられている軍法会議(軍事法廷)の設置を盛り込んでいる。防衛相の経験もある同党の石破茂幹事長は4月に出演したテレビ番組で、審判所設置に強い意気込みを見せた。「死刑」「懲役300年」など不穏な単語も飛び出した石破氏の発言とは-。
(小倉貞俊記者)
「軍事法廷とは何か。すべて軍の規律を維持するためのものです」。4月21日放映の「週刊BS-TBS報道部」。憲法改正を問うというテーマで招かれた石破氏は持論を展開した。
国防軍になると、具体的に何が変わるのかと問われた石破氏はまず、「(改憲草案に)軍事裁判所的なものを創設する規定がある」と述べた。
改憲案9条2の5項には「軍人その他の公務員が職務の実施に伴う罪か国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、国防軍に審判所を置く」とある。
続けて石破氏は、現在の自衛隊で隊員が上官の命令に従わない場合は、自衛隊法で最高でも懲役7年が上限であることを説明し、こう語った。
「『これは国家の独立を守るためだ。出動せよ』と言われたときに、いや行くと死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人がいないという保証はどこにもない。だから(国防軍になったとき)それに従えと。それに従わなければ、その国における最高刑に死刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役300年なら300年。そんな目に遭うくらいなら、出動命令に従おうっていう。人を信じないのかと言われるけれど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」
こうした重罰を科すために審判所は必要で、石破氏は「公開の法廷ではない」と付け加えた。
自民党のホームページある「日本国憲法改正草案Q&A」でも、国防軍審判所を「いわゆる軍法会議のこと」と説明、設置理由を「軍事秘密を保護する必要があり、迅速な裁判の実施が望まれるため」と解説する。裁判官や検察、弁護側を軍人から選ぶことを想定。審判所が一審制か二審制なのかは「立法政策による」と記され、上訴ができるか否かは不透明だ。
この発言について、山口大の纐纈厚教授(歴史学)は「戦前の軍隊の在り方自体を否定すすることから戦後日本は出発し、現行憲法がつくられた。石破発言は平和国家日本のありようを根底から覆して、戦前と同様の軍事組織の立ち上げを意図している。歴史の教訓を反故にするもの」と話す。
早稲田大の水島朝穂教授(憲法学)も「戦争体験世代の政治家にあった抑制は皆無。戦前の反省はどこへいったのか」と批判し、「審判所」という表現に注目する。 「現行憲法も自民改憲草案も、76条2項で『特別裁判所』の設置を禁じている。軍法会議はこの特別裁判所にあたるため、通常の行政機関を装った『審判所』という名にしたのではないか」
皆様、どう思いますか。私は纐纈先生や水島の言われることの方が正論だと思います。憲法9条の平和主義は守るべき憲法の三大原則だと私は思います。理想主義者と揶揄されようと、それは私の信念です。皆さん、どう思われますか。
私は民主党員ではなく、無所属の議員ですが、今回の参議院選挙では、民主党候補の川上さんを自分の選挙のように応援をしています。その理由は2つです。
ひとつ目は自民党の憲法改正草案を読んで、怖くなったからです。自衛隊は国防軍に改称し、自衛権の発動も明記されていました。近代以降の戦争は、ほんとんどが自衛のためにという大義名分で開戦されています。その反省はどこに行ったのでしょうか? 加えて、国民の人権、自由、平等を「公益」と「公の秩序」で制限できると明記しました。現在は「公共の福祉」が制約原理とされていますが、これは誤解を恐れずに簡単に言うと、「他人の権利を侵さないこと」と私は理解しています。その反面、「公益」とは利益の総和であり、少数者の犠牲の上に多数の幸福が成り立つ場合にも妥当し、「公の秩序」も国家の安定のためには拷問や盗聴も許与することになりかねません。そうなれば個人の人権、自由、平等は尊重されなくなるでしょう。
2つ目の理由は、議会では特定の勢力が強くなるより、ある程度、いろんな党派や会派の議員がいて、議案ごとに「ああでもない」「こうでもない」と議論している方が正常だと思うからです。特定の勢力が強くなると議会運営は荒くなります。
鳥取県議会でも、私たち、「かけはし」の議員が1人離脱し、交渉団体の資格を失い、議会が自民党と絆の2会派になった途端、2会派で決めればいいというような雰囲気になってしまったように思います。伊藤議長も、野田議会運営委員長も、本当に少数者の意見に対して配慮されてるのに、こんな雰囲気になったのも、2つの会派で議会運営が可能なったからではないでしょうか。
「衆院が決めたことを、参院がしっかりチェックして、政見の暴走を許さない」。こんな国会運営が理想と思うのですが、皆さんはどうお思いですか?