会派 「かけはし」の結成宣言を昨日はお知らせしましたので、今日は会派の運営について説明したいと思います。
私たちは会派の運営方針として、5項目を申し合わせました。
1)会派構成議員は、選挙区にとらわれず、県内くまなく一緒になって出向いて県政報告会を開催するなど、議員間相互の協力の上に、県政全体の発展を目指して行動する。
県政報告会と言っても、私たちがお話するというより、県民のみなさんから希望や夢、不満や憤りなどをお聞きする会にしたいと思っています。会派の名前通り、県民のみなさまの思いを県政へつなぐ「かけはしの会」です。開催場所は、自分たちの選挙区だけでなく、全県に4人がそろって出かけます。県議は選挙区代表であっても、県政全体に責任を持つべきだと考えたらでs。そして、4人で出かける意味は、四人そろえば、すべての常任委員会をカバーできますので、県政全般についてお話し合いができるからです。
2)期数、年齢による取り扱いは一切排除し、会派構成議員が持つ経験や知識、関心、思いに相互が最大の配慮をする。
当選した以上、みな平等です。長老支配などはあってはならないこと。後で報告しますが、会派のナンバー2の副会長には初当選の国岡さんが就任したことが、その証明です。
3)会派の運営は徹底した情報の公開と共有の上にたち、会派構成議員の意思を最大限尊重する。会派の会議は県民のプライバシーや県政の運営に明白かつ現在の危険が生じる場合を除き、公開する。
会派の会議を原則公開にします。県政全体の情報公開を求めて行くのに自分たちが情報公開に前向きでなければなりません。「まず隗より始めよ」です。そして、ここで大きいのは、公開するか、しないかの判断基準を明確にしたことだと思います。そして、その基準として、「明白かつ現在の危険(めいはくかつげんざいのきけん、clear and present danger)」のルールを採用しました。このルールは表現の自由を規制するときに使われる違憲立法審査の基準のひとつです。アメリカの憲法訴訟の判決で用いられ、理論化されていきました。違憲審査基準としては非常に厳格な基準で、表現内容を根拠とする表現の自由の規制の制約を認める範囲は、著しく限定的になります。私たちが情報公開を始めとする県民の皆様の知る権利をいかに大切に考えているかをご理解いただけると思います。
4)高度な政治判断が求められる問題については、徹底した議論をしたうえで、意見が一致しない場合は、会派拘束はかけ
ない。
自由な議員の活動を保障してこそ、政策集団としての活動が活発になるのではないでしょうか。駆け引きではなく、議論を徹底してやったうえで、意見を一致しない問題まで、統一行動を強制することは、思想信条の自由を侵すことにもなりかねません。自由と平等が私たちの理念ですから、このようなルールを作りました。
5)地方選挙、国政選挙については、会派としての行動は取らず、会派構成議員の判断を尊重する。
鳥取県議会だけでなく、全国の都道府県議会の会派の多くは、政党に直結、もしくは、関係が深いものです。そうしますと、国政や市町村の選挙では、その政党の党務拡大のために、選挙運動を担うことになります。国政選挙に負けると、各政党の県連は、その対策として地方議員を増やそうと打ち出します。これって、おかしくないですか。地方議員は、その地方の問題を考えるために存在し、その地方自治体から報酬をもらっています。国政選挙の要因と地方議員を考えているところが、間違っているんです。私たちは地方政党の結成を視野に入れていますので、結党後は、会派として、統一行動を取る時期が来るかもしれませんが、現時点では自由としました。地方政党は地域のことを地域で決めようという政党ですから、国政の政党の下請けではありませんので、考えに矛盾はありません。
会派の人事ですが、会長には倉吉市長の経験があり、行政運営を熟知している長谷川稔さん。副会長には元消防士で、危機管理には一言ある国岡智志さん、幹事長には議会改革に情熱を燃やす森岡俊夫さん、そして、私が政調会長という布陣にしました。幹事会も、政調会も、会派の4人が全員出席。しっかりと議論していきますので、みなさん、よろしくお願いします。
会派「かけはし」の結成にあたり、私たち4人は記者会見して会派結成宣言を発表しました。以下がその全文です。
会派「かけはし」結成宣言
鳥取県は今、地域経済が停滞しています。若者の働く場所も少なく、経済、文化、教育など様々な分野で大都市圏との格差が拡大しています。高齢化も急速に進展し、団塊の世代が75歳を超える2025年までに抜本的な解決策を確立せねば危機的状況になることは必定です。子育て世代の支援を充実させ、若者の定住を促進し、人口減少をくいとめることも急務です。このように鳥取県には課題が山積し、厳しさを増す財政状況の中、県政のかじ取りは年々難しくなっています。
私たちはこの難局を打開するため、県議会を県民のみなさんのために議員同士が迅速かつ機動的に議論し、建設的な政策立案をしていける良識の府に改革したいと思います。県民のみなさんの声を小さな声ほど大切に傾聴し、県民のみなさんの思いを自らの思いとし、県政の課題に対して、県議会の議論で具体的かつ現実的な解決を目指すことを決意しました。そのためには地域政党の結成を視野に入れたリベラルな政策集団の結成が何よりも必要と考えます。私たちは自由と平等を尊び、県政から不合理と不条理を排除すると共に、古い慣行を見直していきます。積極的な調査活動の継続と、県議会で徹底した議論を尽くすことで、県民のみなさまがゆとりと豊かさを実感できる郷土鳥取県を築くために、草莽崛起(そうもうくっき)の精神に立ち、会派「かけはし」の結成を宣言します。
2011年4月28日 長谷川稔 森岡俊夫 国岡智志 砂場隆浩
今、憲法や人権の教科書には、人間と市民の権利宣言やバージニア権利章典などが紹介されていますが、後世、この結成宣言が、日本の地方自治や地方議会を考える上で、ターニングポイントになったと言われるように頑張って、議会活動と議員活動を4人で進めていきたいと思います。どうか、みなさん、よろしくお願いします。
多くのみなさんにご心配をかけかましたが、長谷川稔さん(倉吉)、森岡俊夫さん(境港)、国岡智志さん(八頭郡)の3人と私とで、会派「かけはし」を結成し、届け出を済ませました。4人以上の会派を交渉団体といいます。本会議で代表質問ができるほか、議会運営委員会と代表者会議は、交渉団体の議員だけで構成されますので、交渉団体であるのか、どうかは、これからの議員活動において大きな意味を持ちます。
(左から私、森岡さん、長谷川さん、国岡さん)
会派の名前である 「かけはし」は、県民のみなさんと県政を結ぶ架け橋になりたい。鳥取県の各市町村を繋ぐ架け橋になりたい。議員同士の思いを繋ぐ架け橋になりたい。議会内の各会派をつなぐ架け橋になりたい……。そんな思いから付けた名前です。会派の会長には長谷川 さん。元倉吉市長で、県議としては9年ぶりの3期目です。副会長には初当選の国岡さん、幹事長は2期目の森岡さん、そして、私は政務調査会長という布陣になりました。
今回の県議選の告示日のことです。
前日の雪が嘘のような晴天に恵まれ、街宣活動へ元気に出発しました。この日は4月1日、そう、エープリルフールです。まあ、僕の選挙の告示日らしいやと思いつつ、「砂場です、砂場です。立候補の御挨拶に上がりました」と連呼していました。手を振ってくれる人があれば、選挙カーから降りて、握手を求め、順調に選挙戦が始まったかに思えました。
山間部に入るとまだまだ沿道には雪がしっかりと残っていました。ある集落近くの畑で、年配のご夫婦が手を振ってくださいました。道路から畑までは約2メートルの落差があり、道路から畠まで雪に覆われている坂道か、階段のような斜面がありましたので、僕は喜んで、この坂道を走って下ろうとしたのですが、3歩ほど進んだ瞬間、目の前が真っ白になってしまいました。
そう、雪が覆った坂道ではなく、みんな雪の坂道だったんです。しかも、雪が溶けていて、表面こそ坂道のようになっていましたが、その中は空洞だったのです。その上を走ったものですから、もちろん、雪を踏み破って雪の空洞に落ちてしまったのです。下は水をたくさん含んだ畠でしたので、怪我はしませんでした。
いっしょに街宣をしていた両川市議が、助けに来てくださり、雪窟から這い出ることはできしたが、靴は中まで、びしょびしょで、スーツも汚れましたが、おしぼりで拭いてると、アナウンス係りのMさんがすかざすマイクで話します。
「有権者のみなさん、雪の中に落ちるようなユニークな候補者です。忘れないでください。投票してやってください。すなば、すなば、すなばたかひろです」
これには、畑のご夫妻も、私も、両川市議も、みんな大爆笑でした。
ところが、ところが、翌朝、目を覚ますと腰に激痛が走りました。湿布薬を貼り、選挙カーに乗ったのですが、痛みは日々、増すばかり。4日の昼には我慢が出来なくなり、病院に駆け込みました。事情を医師に説明すると、看護師さんともども、大爆笑です。レントゲンで撮影すると言われ、出来上がったX線写真を見ながら診断となりました。
「骨には異常がありませんね。筋肉を痛められたんですね。安静が一番です」
「無理です。9日までは選挙期間なんです。なんとか治してください」
「治すのは無理ですよ。安静が一番の治療なのに、12時間も車に乗りっぱなし。しかも、何回も乗り降りするんでしょう。それでは治りません」
「では治せとは言いません。6日間だけ、持たせてください」
「分かりました。では痛み止めの注射をして、痛み止めの飲み薬を出します。車の乗り降りは極力控えてくださいね」
「はい。よろしくお願いします」
そんな会話の後、腰に注射を打っていただくと、痛みが薄れ、市内に飛び出して行きました。ところが、痛みが薄れたことから、今まで通り、有権者を見つけると車から降りて走っていき、握手を繰り返していると、その翌々日の夕には、また、激痛が走り、額には冷や汗が滲むようになりました。それで、また、病院へ。お医者さんが聞きます。
「無理をしましたね」
「はい」と首をうなだれる私。
「無理をするなと言っても無理でしょうね。注射を2本打ちます。違う薬です。それと、痛み止めは座薬に変えます。胃に悪い薬なので胃のお薬も出します。でも、選挙後、最悪の場合、入院ということになるかもしれませんよ」
「ええ、でも、先生、私にとって最悪は入院ではなく、落選なんです。悔いのない選挙をしたいんです」
「わかりました。また、痛くなったら、注射に来てください。それと、コルセットを出しますので、付けてください」
というわけで、腰とお尻に筋肉注射をされ、何とか選挙運動を続けることができました。
今も、腰には鈍痛が残っていますが、もう、鎮痛剤は飲んでいません。みなさん、どうか、雪の坂道にはご注意ください。中は空洞化もしれませんよ。
23日に市庁舎問題の市民集会が開かれたところ、さわやか会館のホールがほぼ満員になり、立ち見も出る盛況でした。日曜日にもかかわらず、500人超える市民が集まったことに私は、この問題に対する市民の皆さんの関心の高さを感じました。わたしもずいぶんチラシを配り、何人もの人に参加をお願いしましただけに、とてもうれしく感じています。本当にありがとうございました。
会場で市民の多くの皆さんが憤慨されていたのが、前日の竹内市長の会見を報じる新聞記事でした。新聞報道が正確だとしてら、市民アンケートで民意を把握し、市議会でも十分議論した。住民投票には4000万円~5000万円の税金がかかるので反対だという趣旨でした。私だけでなく、多くの市民が、この発言に怒りを感じています。
まず、市民アンケートは作為的で、回答を誘導しているものであることは、市民の多くが知っています。アンケートで民意を把握する場合、どれだけ注意深く設問を設定しなければならないかは、世論調査を担当してきたので、よく理解しているつもりですが、市のアンケートは噴飯ものです。結論ありきの巧妙に仕組まれた設問が多いのですが、これは、極めてにあからさまで、誰もが「建設したい」とういう市の意図がよくわかります。
市議会の議論も、十分議論が尽くされたなら、市民運動の呼びかけ人に13人もの市議が名を連ねているのはなぜでしょうか。数の論理で少数意見が十分に生かされていないことの証明だと思います。
そして、税金がかかるという指摘ですが、私は怒りを感じます。市政で一番大切なことは市民の意見を大切にすることです。市民の意見を聴くために使うお金がもったいないというのなら、選挙もやめてしまえばいいし、市の説明会をいりません。民主主義を大切にするより、効率優先で市政運営をすればいいとでもいうのでしょうか。それなら、110億円もかけてする市庁舎の移転新築こそ、中止されればいい。そうならば、110億円だけでなく、住民投票の経費5000万円もいりません。
市民の皆さん、この竹内市長の暴言を許してはいけません。この発言は民主主義に対する挑戦であり、市民のみなさんをこれほど馬鹿にしたことはありません。皆さん、市民の会に結集して、鳥取に真の民主主義を確立しましょう!!
公職選挙法第138条は、「何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない。いかなる方法をもつてするを問わず、選挙運動のため、戸別に、演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為又は特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為は、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす」と定めています。これが戸別訪問です。
戸別訪問を認めると、買収や利益誘導などの不正行為を招きやすく、有権者の自由で公正な判断が損なわれるというのが立法趣旨です。これって私は有権者を馬鹿にしているように思えます。自宅の中では密室だから、悪いことをしてしまうと考えているのですからね。
公職選挙法が一律に戸別訪問を禁止することは、憲法が保障してる表現の自由、それも、高度の保障があたえられるべき、政治的言論の表現行為について、不正がなされるというおそれだけで、制約されるのですから、私は憲法違反だと思います。政治的言論を制約していい場合は、明白かつ現在の危険があり、他の代替手段のない場合だけでなければなりません。地方裁判所や高等裁判所では、戸別訪問の禁止は憲法違反だとする判断をしたところもありますが、「憲法の番人」である最高裁判所は、一貫して合憲判断を下しています。
なんだか、法学部の講義のようになってしまって済みません。この戸別訪問は文書違反と並んで、選挙違反では多いものです。述べましたように政治的言論の自由が厚い保護を与えられているので、政治活動としての戸別訪問は許されても、選挙活動としての戸別訪問が許されないという不条理を生じます。
私の場合、スタッフには学生や若者がたくさんいましたので、これから将来のある人たちですから、断じて検挙などということは許されません。ですから、お会いした人には私の政策を説明し、「鳥取を変えましょう。そのために、応援団(後援会)に入会ください」と言葉には、十分に気を付けました。御留守で、名刺でパンフレットを置いて変える場合でも、「応援団(後援会)へ入会のお願いにあがりました」というメモを残し、投票依頼と有権者の皆さんが思わないように配慮をいたしました。
市議やスタッフの方が一緒に回ってくれ、1人で回ることはありませんでした。特に市議の皆さんは2月議会の会議の終わった後、午後6時ごろから、午後9時まで、連日誰かが同行してくれ、元気を出していただいたのですが、議会だよりを持参して配布したり、「この応援団の入団ハガキに記入して、ポストに入れてごぜ」と必ず言われたりと、政治活動の域を超えないように十分な注意をなされていました。この期間は告示前ですから、選挙運動となりますと、戸別訪問だけでなく、公選法が禁止する事前運動、違法文書の配布となり、3つの犯罪を構成してしまうからです。
議員は高い遵法精神が求められます。そして、それが基本です。憲法違反の条文であったとしても、違憲として法律の効力を失うまでは、きるうる限り守らねばなりません。豊後高田市では現職市議が逮捕され、有罪判決が出ています。ところが、応援してくれる人たちが言うのは、しかたないとしても、候補者、あるいは、立候補予定者が、「だれでもやっていることですよ」「戸別訪問をしなければ勝てません」「自分にノルマをかけて戸別訪問しています」と平気で話すのを何度も聞き、愕然としました。
聞いた話ですが、総決起大会で「2万軒を戸別訪問し、靴4足をはきつぶしました」と壇上で話した候補者もいたそうです。また、選挙期間は9日午後12時に終了したにもかかわらず、午前零時を回っても、名前が書かれたタスキをかけて、弥生町の飲み屋の扉を1軒ずつ空けて回って、自分の名前を大きな声で言った後、「明日は投票日です。どうぞ私に1票を入れてください」と頭を下げた候補者がいたとも聞きました。そして、何人もの取材記者が私に「戸別訪問は何軒されましたか」と聞きました。もちろん、私は「選挙運動としての戸別訪問はしていません」としか答えませんでした。
これだけ大っぴらに違法行為が横行し、認知してされているにも、かかわらず何もなされない状況は法治国家とは言えません。法律を守る。こんな基本的なことが守れないようでは……。考えさせらる問題だと思います。
選挙で当選が決まって、万歳の音頭を取ってくれたのが、上田孝春市議です。ところが、「市長選以来……」と挨拶を始められたのですが、そこで、言葉に詰まり、後はしばらく、号泣してしまわれました。そして、「自分の選挙でも、一度も泣いたことはなかったのですが……」と言葉を詰まらせながらの万歳となりました。
上田さんは、いつも温和で、笑顔です。それだけに、この号泣を見て、本当に上田さんには本当にお世話になったと思い、私も涙がこぼれ落ちました。
「安定した職場で働いていた砂場さんを、その職場を辞めさせて市長選に担ぎ出した1人として、いつも責任を感じていた。やっと砂場さんに活躍の場をみなさんに与えていただき、心から感謝しています」と涙を流しながら、話していただきました。
市長選では選対幹事長、県議選では選対副本部長を務めていただき、この1年間は、家内といる時間よりも、間違いなく、上田さんといる時間が長かったです。私の最大の恩人です。
上田さんは市議会で最多当選ですが、威張ったところは全くなく、若者を大切にしてくれています。市長選のときは、「上パパ」というあだ名で呼ぶ若者もいたほどです。
市議選では上田さんの他、両川さんや椋田さんらの事務所開きなどに参加させていただき、応援したのですが「市長選ではみんなに世話になったのだから、僕のところはいいから、他のところに応援に行ってください。特に新人候補に力を入れてあげてください」とまで言われました。それが上田さんのすごいところです。
僕が今回、応援団(後援会)事務所を片原に開設すると、他陣営から「支援組織のない泡沫候補」という中傷を受けました。それで、上田さんと両川さんが、「僕たちの看板を立てれば、市議7期と6期の市議が看板まで立てて、応援していれば、泡沫は言わないよ」と言っていただきました。それでお二人の看板を掲示したのです。
このとき、お二人が「落選した新人のAさんも次の市議選ではリベンジして欲しい。場所もいいから、Aさんの看板も立ててあげなよ」と言われたので、Aさんの看板も立てたのですが、すぐに民主党県連と連合からクレームが付き、撤去しました。
民主党の公認推薦でもなく、連合推薦候補でもない私の事務所に、民主党員が看板を立てるのは、組織人としては問題だと言うのです。
事務所に居た大学生たちが声をそろえて言いました。「小っちえ~~」。「だったら、民主党の候補も、連合推薦の候補も看板を立ててあげたらいいじゃん」。そう憤慨する学生もいました。
政権を奪取しながら、民主党県連や連合が市民へウイングを広げられない理由はここにあると思います。敵対ではなく、取り込むぐらいの度量がないと組織は拡大しません。ずっと自民党の方が対応が柔軟ですし、それが政権を奪取されても、組織力で民主県連を凌駕している理由なのでしょう。看板ひとつでもドラマがありました。
選挙運動の中心は、選挙カーでの街頭宣伝になります。
東日本大震災のことを思うと、選挙運動をどうしようかと悩みました。ガソリン不足の報道も多く、車の中で凍死された方も出ました。
大きなジャンボタクシーを使い、何人もの運動員を載せ、しかも、先導車に後続車と何台も車を連ねて走るような感覚は私には理解できません。中にはジャンボタクシーの車体に、被災地支援を訴える文言を張り付けた候補者もおられましたが、「表面だけで心がない」と白々しく思えました。
もちろん、私がガソリンを節約してもたかがしれていますが、それでも、何かしないといけなと思い悩んだ末、選んだのがスイフトという小さな乗用車です。ですから車に乗っているは応援してくれる議員さん、ウグイス嬢と呼ばれる女性、運転手をかってでてくれた友人のTさん、それに私の4人だけです。ただ、観光大使を務めるブラックバッファローさんが大阪プロレスの仲間を連れてきてくれた時だけは、後続車を出して乗ってもらいました。
選挙期間中、すれ違った選挙カーでは、ベテラン議員の何人かが、普通の乗用車をお使いでした。私と同じ思いだったのかもしれません。政治家にはデリカシーが必要です。党派は違いますが、このような同じ思いの先輩議員がおられることはありがたいことですし、本来、そういう感覚を持つべき若い候補者たちの方が、大きな車にたくさん運動員を載せ、何台も車を連ねていたことは残念に思います。
ですが、この小さなスイフト、本当に小回りが効くんです。路地裏までスイスイ入ります。農道もへっちゃらです。選挙にはむしろ効果的かもしれません。それと、狭い分、車内の一体感も強いんです。加えて、「砂場さん、手作り選挙で金がないんなら、私の車を使いんさい」と申し出てくれた人もあり、温かい人情も感じることができました。
両川市議は、ずっと選挙を応援してくれているウグイス嬢のMさんとペアで応援に駆け付けてくれたんですが、この2人が大爆笑なんです。用瀬で休憩した時、「両さん、お腹減ったでしょう。はい、餌」とMさんが、両川さんに、バナナを渡したんです。すると両川さんは怒るどころか、チンパンジーの真似をして受け取ったんです。この真似がすごく似ているんです。私は、その様子を見て大爆笑。両川さんの顔を見るたび、失礼とは思いますが、思い出しては笑みがこぼれ、これには、とても困りました。
両川さんはヘビースモーカーなんですが、さすがに選挙カーの中では、プカプカという訳にはいきません。それで、2時間もすると、「Mちゃん、トイレは大丈夫か」「少し休憩せんでええか」と優しい言葉をかけます。すると、運転手をしてくれているTさんも、すかさず、「両川先生、この近くにコンビニがありますよ」と言います。コンビニに付くと、Tさんは携帯用灰皿を持って車外へ。そうなんです。実はTさんもヘビースモーカーだったんです。2人で美味しそうに煙草をふかしていました。
当選できました。本来なら、お礼を言いたいのですが、当選のあいさつ行為は公選法で禁止されています。
(選挙期日後のあいさつ行為の制限)
第178条 何人も、選挙の期日(第100条第1項から第4項までの規定により投票を行わないこととなつたときは、同条第5項の規定による告示の日)後において、当選又は落選に関し、選挙人にあいさつする目的をもつて次に掲げる行為をすることができない。
1.選挙人に対して戸別訪問をすること。
2.自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書を除くほか文書図画を頒布し又は掲示すること。
3.新聞紙又は雑誌を利用すること。
4.第151条の5に掲げる放送設備を利用して放送すること。
5.当選祝賀会その他の集会を開催すること。
6.自動車を連ね又は隊を組んで往来する等によつて気勢を張る行為をすること。
7.当選に関する答礼のため当選人の氏名又は政党その他の政治団体の名称を言い歩くこと。
それで、お礼は言えません。ブログも文書図画にあたるというのが、総務省の見解です。申し訳ないのですが、気持ちを察してください。選挙期間中も、ブログへの書き込みもできませんでしたし、おかしな法律です。次の書き込みから、選挙期間中の出来事を何回かに分けて報告します。ドジってばかりの手作り選挙。今思えば笑えることばかりでした。