鳥取市で見つかった放射性物質。その対策について原子力規制委員会と環境省廃棄物・リサイクル対策部から話を聞きました。以下は説明の概要です。
900グラム以上あったが、370ベクレルの半分程度だったため、原子炉等規制法の対象外。4年ほど前に、規制に当たらないものに関してガイドラインを作った。安全の確保ほために、このガイドラインで対処している。同法では不法投棄は想定外だった。核燃料物質の使用では当てはまらないもの、例えば、大学の研究室や少量の産業利用での少量の核燃料物質には、年に1回定期的に報告させて規制している。
今は輸出入の段階で管理していた。昭和32年に同法ができる前は無規制だった。大学の研究室の棚中からウランが出てきたようなケースもあった。思わぬところから出る年に10件近くある。世田谷から放射性同位元素だったけど、何件かはある。
健康にすぐに被害はないが、長期被曝は問題があるので、密閉容器で遮蔽して下さいということになる。放射性物質の処分場は国内にはない。遮蔽容器で保管してもらうことになる。研究所で使ったようなものを廃棄する法律はできた。日本原子力研究開発機構が実施主体になって最終分処理をすることを決めたが、どうなるかは分からない状況。できれば、そこに廃棄することになるが、個別具体的に決まっていない。引き取ってくれる所があれば、核燃料を使用している事業所のリストは鳥取県に示した。
規制水準は諸外国と比べた場合も、そんなにおかしな問題はない。規制対象を広げると産業界に与える影響が大きい。レアアースを精製するときにはトリウムが出てくるが、これなども対象となる。ウランやトリウムは自然にあるもの。1996年にIAEAが原子力基本安全基準(BSS)をつくり、少量の核燃料を、どこからフリー・リリースしていいか、どこから規制するか定めた。2011年に改定した。今日現在、ゆるい規制をする場合の手順、実施方法を今、作成している。
産業経済省と資源エネルギー庁から、メタンハイドレートなど海洋資源開発について説明をお聞きしました。以下はその概要です。
メタンハイドレートの存在形態は表層型と砂層型に分かれる。太平洋側にある砂層型は「ちきゅう」という船を使って、1000メートルの海底で、さらに海底を300メートル掘って採掘試験をした。あと5年程度で、商業化に必要な技術を開発する計画だ。日本海側は表層型。25年度予算が認められたら3年程度かけて調査したい。どれくらいあるのかが、まったく分かっていない。あることは間違いないが、商業生産には一定の規模が必要になるので、それを確かめるためだ。25年度は佐渡・上越沖、能登半島沖、26年度は隠岐周辺、秋田・山形沖、27年度は秋田・山形沖、北海道沖を調査する計画だ。
石油・天然ガスは、佐渡南西沖で4月から3ヶ月間で、三次元物理探査船「資源」で海洋調査した。6月下旬から試掘調査し、産出試験を予定している。JX日鉱日石開発に委託している。
海底鉱物資源は、海底熱水鉱床、コバルト・リッチ・クラス、マンガン団塊、レアアースも品位が優良だ。海底熱水鉱床については、1月5日~2月16日に沖縄沖に探査船「白嶺」を投入し、掘削したところ、海底の下の40メートルぐらいのところに硫化物層を発見した。レアアースは、東大の研究チームが南鳥島沖で泥を採取して調べた。中国で生産しているレアアースの10倍の6500ppmの高濃度だった。5000メートルという体験したことのない深海からの採掘になるので、技術開発や環境への影響も考えないといけない。
質問にも丁寧に応えて頂きました。以下はその概要です。
Q 日本海での調査はボーリング調査をするのか。日本海側の方が浅いので実現可能性が高いのではないか。
A ピストンコアラではダメで、ドリリングしないといけない。新潟沖での採掘は水深36メートル。海底から100メートルの深さでも日本海でも水深は500メートルあり、技術開発が必要です。
Q 将来の投資という長期的な視点にたってやるべきではないか。30年、50年後かもしれないが、そのとき、そんな技術が確立してないといけないのではないか。
A 資源の少ない日本にとって、メタンハイドレートは荒い調査では100年分のエネルギー。資源エネルギーにとっては貴重な資源。協力を願いたい。
Q どれくらいのスパンで考えればいいのか
A まずは平面、そして、垂直に分布を調べる。採掘のための技術開発、さらには商業化するための技術開発といけば10年、15年はかかるのでは。
Q 人材育成も必要ではないか。
A とりあえず3年かけて分布を調査するが、各県の大学の先生を募っているような状況です。研究者も少ないので、育成していく必要がある。砂層型はジョブネックを中心に進んでいる。
鉱物資源開発は鉱業法に従って進めなければなりません。そこで、鉱業法改正についても説明を受けました。以下はその概要と質疑の要旨です。
2年前に鉱業法が改正された。昭和25年に成立した法律。日本は資源が少ないので、一生懸命やりましょう。手を上げた人に権限を与えましょうというのが考え方。先願主義。鉱区を持っている人に権限が集中しているが、投機的に鉱区を押さえて転売しようという人も出てきた。そこで、先願主義を改めて、国が鉱区を決めて、一番技術があって、能力があるような適切な人に権限を与えようということになった。
資源探査についての規制はなかった。国連の海洋法条約にもとづいて、外国も科学調査なら排他的専管水域でも調査できた。そこで、経産大臣の許可を得ないとできなくした。
Q 大企業優先にならないか。外資に日本の大切な資源を持っていかれるということにならないか。
A 試掘、採掘ではお金がかかってしまう。エクソン、モービルでは良くて、小さな企業はダメだということはない。鉱物資源エネルギー政策上、適合したところを選択する。ただ、海洋では1本試掘しても、何十億という投資になる。それが可能な企業でないといけない。
意見交換もしましたが、海洋資源が日本の将来を左右することになりそうだが、明るい未来をもたらしてくれる可能性も高いということでは認識が一致。もし、メタンハイドレートの研究機関を設けるようなことがあれば、ぜひとも鳥取に作って欲しいともお願いしました。日本海から鳥取へメタンハイドレートのパイプラインが伸び、供給基地などで雇用が生まれ、地域経済が発展するように私達も頑張りたいと思いました。
厚生労働省社会・援護局福祉基盤課の法人指導監査係から、社会福祉法人の監査や指導についてお聞きしました。
「法律ではなく、通知で縛っているのが現状。社会福祉法人全体の見直しをしている。情報公開、第三者の外部監査を導入すべきだという議論はしているが、法律の改正などはこれから。埼玉県では夏に解散命令を出して、半年後に効力を発するようにした。その間に入所者の割り振りをしたケースはある。社会福祉法人のあり方は見直しを考えているが、いつまでもというところまではいっていない。社会福祉法人は本当に小さなところから、本当に大きなところまであるので、一律の規制は難しいので、規模に合わせて規制の網をかけて行きたいと思っている」などということでした。
厚生労働省も社会福祉法人の監査体制に問題があるという認識を持って居られ、法整備を進めようとしていることがわかり、ちょっと安心しましたが、これだけ社会福祉法人の問題が発覚しているにもかかわらず、まだ、これくらいなのかという思いもしました。県レベルでできることは、可能な限り制度整備したつもりですが、やはり法律の整備が必要です。監査に関する法整備が進めるように強く求めました。しっかりと受け止めていただければ幸甚です。
県外調査の2日目は厚生労働省の聞き取りから始めました。難病対策に対して、厚生労働省健康局から話を聞きました。以下は説明の概要です。
難病対策は研究費を助成している。平成年に25億円から100億円へ予算を増加。臨床調査研究分野の130疾病で研究しているが、そのうち、56疾病は特定疾患治療研究事業として医療費を助成している。病気によって不公平だという不満も多い。この事業は国と県が2分の1ずつ負担しており、自治体からは改善の要望が強い。
潰瘍性大腸炎とパーキンソン病は10万人を超えて突出して多いので、軽症は外そうとしたが、反対で頓挫した。平成25年度は事業費は1342億円だが、国庫補助は440億円。
難病対策の改革は、研究を進めて難病を克服することを基本理念とした。事業費は膨れて事業が続かないようなことにはならないようして持続可能な事業とする。公平性も重要な視点と考えている。約500の病気を研究してきた。医療費助成は、人口0.1%以下で、診断基準に準ずるものを医療費助成の対象にすべきと考え方を整理した。その結果はだいたい300くらいになる。給付水準は自己負担月額の上限は、入院が2万3100円、外来は1万1550円。対象者が生計中心者だとその2分の1になり、食事やシーツ代も対象。負担ゼロの人も10%くらいある。医療費助成は24年度の350億円から440億円へ増額し、地方負担を減額した。総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣の三大臣合意で、平成26年度予算で超過負担を解消することとした。
質問にも丁寧にお答えいただきました。
Q 50万人以上の署名を集めてポリフェリン症の指定を求めているが、制度上の問題点も見えてきた。厚生労働省の中で、枠や予算も尽力いただいていることは分かった。たくさんの患者さんがいないと指定されないのではないかと思うようになった。今後、法整備はどうなるのか。
A 厚生労働省の中での作業になるが、1月にまとまった提言は青写真。難病対策委員会を開いて議論を詰めて行きたい。
Q 難病には研究者がいないという問題がある。
A 医療費助成は福祉的目的ではない。研究者が少ない病気でも、オールジャパンでやっていく。5万人を行ってきたが、5万人を超える病気をどうするか。0.1%だと、12,3万人となるが、これは難病として考えていきたい。難病指定が透明だったかというと、患者さんの声、研究者の声があるものから指定されてきた。これからは透明性を持って指定していく。定期的に見直すので、これからも指定されることになる。
Q 署名しても、何のフィードバックがないと動きが止まる。それも問題点だと思う。病気の周知も頑張っていきたいと思っている。
A 委員会の中に2人の患者代表が入っている。
Q 官庁の中にも突発性難聴も多いのでは
A ストレスが原因と言われていているので、多いかもしれないが、公表している人は少ないかもしれない。
Q 病名すら確立していない病気もあるが、その支援は
A きちんと実態を把握することが大事。どういった病気なのか、患者さんは何人なのか。その把握がファースト・ステップ。給付対象がはっきりしないものは支援しにくい。難病相談センターは病気を括っているものではない。
Q 事業費の半分は県が負担することになっているが、それが超過しているが
A 平成25年度で事業費は1342億円。半分の671億円が国庫補助で出すべきだが、実際には440億円しか出していません。交付率は65。6%なんです。それで説明したように三大臣合意で、地方の超過負担分を解消しようとしたわけです。
宮津市から鳥取市までの高速道路のミッシングリンクを解消しようと鳥取、兵庫、京都の府県議会議員24人が集まって、「山陰近畿自動車道整備推進三府県議会議員の会」を設立することになり、都道府県会館で設立総会がありました。
参加したのは議員13人と、3府県の県土整備部長ら12人が集まりました。規約を決めた後、会長に山口県議、副会長に巽京都府議、日村兵庫県議、幹事長に前田県議を選出しました。議員の会としての要望書を提出するほか、3府県で議会決議をするように努力しようと申し合わせました。
鳥取高等農業学校校舎の保存でも、やはり保存のための事業費がひとつの問題でした。そこで、文化庁の文化財部からも聞き取り調査をしました。
以下は伝統的建造物の保存についての文化庁の説明の要旨です。
国宝、重要文化財は文化財保護法に従って指定し、保護する。指定されると文化長官の許可ないと現状変更ができない。その一方で、税制優遇措置がある。相続税は100分の70を控除、固定資産税は非課税。修理の50%~85%までの補助を所有者の経済状態に合わせて補助している。メンテンナスはかかるのが、全国で4500棟があるが、百数棟ある。鳥取県でも毎年1棟程度ある。
平成8年に登録有形文化財建造物という制度を新設した。これは届出で現状変更ができる。ただ、相続税は10分の3を控除、家屋の固定資産税は2分の1控除。修理は設計監理費の2分の1を補助と支援策は弱い。こちらは9000件登録した。国がお墨付きを与えたということになるので、人気の制度だ。
基本的には、それ以外は文化庁では支援していない。交付税措置のようなものもない。ただ、重文、史跡を核とした街づくりをする歴史的風致維持向上計画を策定して、国交省、文部科学省、農林水産省が指定すれば補助金制度はある。計画区域内の建物に対して指定して補助する制度はある。伝統的建造物群保存地区という制度もあり、エリア内であれば規制をかけるが、補助制度もできる。
今回の会派の県外調査は、内閣府男女共同参画局から開始です。安倍総理が経済界に女性の活用を要請しましたが、働かない女性は働くべきだというようなプレッシャーになるとうなイメージもありました。そこで、不安になって話をお聞きしたと思ったわけです。以下は男女共同参画調整官の話です。
安倍総理の経団連への要請は2つです。ひとつは「企業の方針決定過程への女性の参画を強力に後押しする」ということです。
管理職の占める割合は諸外国は30%はあるのに、韓国、日本は10%程度で低い。上場企業で役員管理職 EUには40%を義務付けている国もある。まずは1人を役員にしたい。現在は1.2%。協力企業にインセンティブを考えていく。見える化をしていくこと必要。有価証券報告書では報告されていたが、簡素化でなくなりました。コーポレートガバナンス、CSRで取り上げることも求めました。
「M字カーブ解消に目指して後押しする」。これが2つ目の要請です。M字を描くのは、やはり、韓国と日本。第一次出産で離職する人は6割強。その理由は休みを取りにくいが多い。仕事と家庭の両立は、現在は困難。三歳になるまで、育児休暇を取りたい男女が取りやすい環境を整備します。現在は1歳までが義務化されていますが、企業によっては上乗せさせています。加えて、短時間勤務は6時間が義務化されています。しかし、取りにくいのが現実です。多様なライフスタイルを支援する方向で整備したい。300人以下の企業は代替要員の確保が難しいので、補助金制度も設けています。
昨日、森大臣が産業競争力会議で提言をしました。成長戦略に載せていきます。生産人口が減少する中で女性の力の活用は喫緊の課題として、女性の活躍促進や子育てとの両立に取り組み企業を支援することなど4本柱で総合的に施策を展開することがないようですが、これも安倍総理の方針に沿ったものです。
家庭に専念したい人は専念すればよく、多様なライフスタイルを応援していくのが方針。女性はみんな働けというのは誤解です。
質問にも丁寧に答えてくださいました。
Q 進まないのはなぜなんですか
A 多様性がイノベーションを起すんです。企業の方では取り組みが進んできました。経団連は均等法の第一世代が役員の年齢になっていくのではないかと言っています。
自分の目指すべき人がいないのかもしれません。逆に言うと難しい。男勝りで仕事に邁進してきた人だけが出世してきたんですね。家庭も、仕事も両立したロールモデルを作れていないんです。出産後、復帰した後、やりがいのある仕事に付けていない面もある。時間あたりの生産性を上げていくことが、家庭に帰りやすい環境になるのではないでしょうか。
Q 企業のメリットは
A 女性役員比率が高いほど、ライフワークバランスに取り組む企業ほど業績が良いというはっきりしたデータがあります。女性を使っている企業ほど、生産性が高いくなり、効率的なり、それが男性社員にも広がります。インセンティブも大事、総理表彰など褒めるなどの取り組みをしています。
Q 自治会の役員比率が低い。地域の意識改革が必要では。
A 自治会の中でも女性の役割が大きい。男女共同参画の計画は市では90%、町村は半分に落ちていきます。地域での活性化、地域づくりでも女性の活躍の場はあります。活躍している人を紹介していくなどの取り組みをしています。
Q 中小企業では妻が経理やって、実際の経営者のことがあるが無給だったらします。夫の給料を二分して妻に給料を払い、役員にするような企業を応援する専務化計画みたいなものは考えてもいいのでは。
A あまり考えてきませんでした。
Q 福祉、子育ては女性というような官公庁の中には役所の固定化があるのではないか。
A 省庁によって偏りはあったが、なかなかできなくなってきています。総務省が活躍している女性の事例集を作りました。
森林・林業・林産業活性化推進議員連盟の県外調査で訪れた香美市はやなせたかしの出身地。アンパンで街づくりをされているようです。香美森林組合での意見交換を終えて、道路に出ると、アンパンマン図書館がありました。
その前にはジャムおじさんがいました。
街路灯はアンパンマンです。
石造りのバイキンマンもいます。
ドキンちゃんもいました。
境港市と交流すれば楽しいかもと思いましたし、マンガ甲子園も、野球の甲子園のように春夏の年二回の開催とし、鳥取と高知で開幕するようにすれば面白いかなとも思いました。
森林・林業・林産業活性化推進議員連盟の県外調査の2日目は、香美森林組合にお邪魔しました。
まず、野島常稔組合長=下の写真右=からお話を伺いました。
植えて育てる時期を迎えたのに外材に押されて、木材価格が低落して厳しい時代になった。平成2年に職員から組合長になった。集約化、小規模で分散していたものを協力して、作業を効率化しないことには立ちゆかない。道をつけ、機械を入れて、団地化して、コストを下げるしかない。そこで、平成8年から初めて、試行錯誤を続けている。日本の経済は高度成長を過ぎてから停滞しているが、林業のコストが上がってきた。日本の木材需給の8割は外材。森の工場をつくるしかない。道をつけ、機械を入れて、団地化するということ。県も支援いただいている。国の森林再生プラン、これは10分の10の補助率で、全国で5地区の応募だったが、手を挙げて採用された。それで、ヨーロッパを学ぶことにして、見学にいった。
怪我がない。安全に使えるうえ、能率がいいのがいい機械。ドイツ、オーストリアの森林官が3人来てくれている。これらの国は3000ヘクタールに1人配置している。空からまず、地域を見て貰ったら、「山の頂上まで植林しているのはすごい」と驚かれた。それだけの労力をかけてのだから、しっかり経営していかねばと指摘された。課題はいくつかある。お父さん、おじいさんが植えたが、子供は街へ出て行き、後継者がなくなったということがある。組合が中心になって間伐を主体にしている。3万ヘクタールの大部分だが、50人の組合員では世話できない。森林所有者が山に入って間伐するのが一番いい。戦後直ぐ植えた木が今、伐期を迎えている。これをしっかり産出していきたい。
続いて三谷参事=上の写真中央=が話されました。
ドイツ、オーストリアでは3000ヘクタールに1人の森林官を配置している。産業と林業を両立できているのがすごい、安全の靴や服は経営者が揃えるのが義務で徹底されている。私は道路の担当だが、轍がない道作りを学んだ。採石で舗装されていて、雨が降っても、次の日には入れるが、日本では4,5日は水がたまってだめ。道に5㎜くらいの砕石を屋根型に敷き詰めることで、それが可能になっている。
最後は森本業務課長=写真左=が話されました。
フィンランドに行かせてもらったが、日本は10年以上遅れていると思った。想定以上の重さや力がかかったら、ランプが警告し、機械が止まるような安全の仕組みができている。森林の学校があって人材育成も徹底している。チェンソーも日本では1日で免許が取れるが、向こうは1週間くらいかかる。安全教育が徹底している。
タワーヤーダ、ダブルウインチ、オートチョーカーなど高性能機械の作業状況を動画で見せていただきました。
野島組合長が「高性能機械のメンテナンスができるのだろうかと組合で議論になった。オーストラリアの企業から、1週間専門官と通訳を派遣してくれ、職員が向こうの学校にも1週間行って学んで稼働させた。その後、導入以来1年になるが、大きなトラブルはない。通訳の方は日本に居て、その方が間に入ってくれて、機械をパパッと写真で取って、メールで送って、対応してくれている」と補足いただきました。
質疑にも丁寧に応えていただきました。
Q 林道整備の課題、特に補助金との関係は
A 基幹作業道に近い作業道がほとんどなので、タワーヤーダは10トン対応の道路が必要。林道では3メートルを超えると補助対象外になるし、急峻な山地では基幹道ではR12は取れなく基準外となる。Q
Q タワーヤーダは皆伐用か? それとも間伐用か?
A いずれにも使える。無間伐の木もあり、かかり木処理に時間がかかるが、その場合は効率があがる。
Q 採算は
A 小さな林業家は採算は無理。数字を計算すると難しいものがあるが補助金を入れていただいている。機械は稼働率で採算が決まる。森林組合として事業地をどう確保していくか。ランニングコストを下げるために組合職員に資格を取って頂いている。やはり、日本製の安い機械が普及することが一番。どういった機械を使うにしろ、きちんと道をつけていくことが大事だ。道は木の生長が悪い、頂上に付けるがその方が作業効率も高い。昔は頂上ではなく、裾の方が作業がしやすく、人気があり土地の値段も高かった。今では逆になった。
森林・林業・林産業活性化推進議員連盟の県外調査で高知県に来ました。高知県木材産業課の春山課長、竹崎チーフから「土佐材の販売戦略」をテーマにお話をお聞きしました。以下は春山課長=下の写真右側=の説明の概要です。
梁瀬杉など古くは高級材を出しており、大阪城のほか神社仏閣で使われてきた。県土に占める森林率は84%で日本最大。人口林率は65%で日本第二位。その主体は杉と檜。四万十川の西側は檜、あとは杉の産地。製材書は平成11年には187あったのが、22年には118まで減少し、100を切りそう。木材製造品も同じく、368億円から202億円まで減少した。岡山県の製材工場の誘致に成功しているが、既存の製材所の支援にも力を入れている。県産材を使った木造住宅については最大100万円、加算も加えると130万円まで補助をだして地産地消に努めている。地産外商では、県外企業にパートナーになってもらい、土佐材使用に補助金を出すほか、県外に拠点を設けて、そこにまとめて出荷して小分けしている。販売窓口の一般化も進め、出口対策を強化している。
説明は竹山チーフ=上の写真左側=に変わりました。以下は概要です。
木材の県内需要は370千立法メートル。うち、110千立方メートルが建築、97千立方メートルが梱包、その他が8千立方メートル。4年という知事の任期に会わせて県産業振興計画を立案しており、今は二期計画中。原木は72万立方メートル以上、木材木製品出荷額190億円以上を目指し、10年後には同81万立方メートル、200億円以上を目指して居る。流通・販売に力を入れている。県外窓口の一本化への取り組みを今年から始めたほか、大消費地への販路拡大をするため、県と企業と一緒になって、商談会や展示販売会を開催している。品質が安定した製品の安定供給に努めている。3人以上子どもの居る家庭が県産材で家を新築した場合は補助金の割増制度も新設した。
地産外商では、平成24年までの取り組みだが、まず、土佐材流通促進協議会を設立。約60社が参加して土佐材商談会を開催している。消費地企業と連携して土佐材展示会も開催している。平成23年から県外企業で土佐材を使うメーカーを「土佐材パートナー企業」として登録。45社が登録。PR経費などを助成している。JS認定を進めていて、認定工場は現在25社。平成25年から27年度にかけて強化していく。
今年稼働する工場は5万だが、年間多くて1万が5~6社しかなく、製造工場は零細。販売ルートを一本化することで、中堅プレカット工場を支援する。一棟単位でまとめて、販売するようにしていきたい。並材は売れないという認識はあっても、製材所の経営者は一国一城の主。なかなかまとまれないという問題がある。流通拠点を通しての一棟まとめての供給は27棟。これを100棟に増やしたい。一棟供給は87棟はある。流通拠点を設けるのは、東京などでは道や空き地が狭く、作業領域を確保する流通拠点が必要。大型トレーラーで運んだ方が、コストカットになる。
以下は質疑応答の概要です。丁寧にお答えいただきました。
Q 茨城、名古屋、福岡などに出していられるが輸送費を考えると採算拠点なんか作って採算に乗るのか。
A 1立方5000円、小さなトラックなら7000円も運賃コストがかかる。いろいろな対策を練っているところ。
Q 県は補助をしていないのか。
A 補助はしていない。WTOなどのルールは出せない。
Q 九州は出しているんですね。あんな単価では出せない。
A 調査したが何年か前には出していましたが、今は出してないという答えだった。
Q 倍の出荷量を計画しているが、運賃への補助金などの直球なく達成できるのか。
A 新しくできた製材所の増加分が大きいのです。
Q 一棟売りには企画の統一が必要です。
A スケルトン部分のパッケージを進めていたこともありました。寄せ集めたときに品質の統一が一番の問題になる。
Q JASの格付け経費がかかるのでは
A シール貼ったりして手間がかかるので、補助金を出している。
Q JーVERは。
A 高知県J-VERも設定して取り組んでいます。CO21トン2万円が7000円になった。単価が下がってきた。自治体の販売量は一番だったが、このごろは、なかなか増えない。
Q 木質バイオマスは
A 今年度予算で二箇所設ける。それぞれ、5000キロ、5800キロで、10万トンくらいかかる。この安定供給。買い取り価格は間伐材は32円、それ以外は24円。低質材の確保も課題。
Q 民間ですか。
A はい。補助金も出します。