庚申掛軸
甲子掛軸
昨日中信のあるオコシン仲間の道具を見せていただいた。やはりコロナ禍に陥ってオコシン仲間は衰退しそうだが、全て同姓の仲間と言われるここのオコシン仲間は、葬儀の道具も当番に渡していた。たまたま訪ねた家にそれらは留まっているが、その葬儀道具とは祭壇だった。いわゆる家に飾られる祭壇で、今でこそ葬儀場で葬儀を行うが、かつて家で葬儀をした際にはこの祭壇が葬儀の場の祭壇となった。敷物もあったが、これら道具を直近で利用したのは見せていただいた家で行われた令和3年の葬儀だったというから、最近まで使われていた。「うちが最後かも」と言われていたが、留まったまま次の家に渡されることはないのかもしれない。
道具を見せていただいていて、直近の葬儀の話題になった。先ごろ行われた葬儀で、今では珍しい精進落としが家族のみではなく、参列者にオープンな形だったという。コロナ禍を経て、葬儀も精進落としも「家族葬」、あるいは「近親者のみ」というのが当り前になった中で、新聞のお悔やみ欄にもそうした記載がなかったという。当日会葬して従来のスタイルで行なうことを知ったという人も多かったよう。
さて、ここのオコシン仲間で庚申講を行う際の掛軸を見せていただいた。二つ掛けるのだというが、一つはいわゆる庚申の掛軸であるが、もうひとつは甲子の掛軸のよう。いずれも表装が同じスタイルなので同じ時期に購入したものなのだろう。甲子の掛軸の方に「明治十五歳」とある。実際に購入されたのはもう少し後のようだが、甲子の掛軸の方が一まわり大きい。