東京の武蔵美術大学で開催された「法と心理学会第13回大会」に参加してきました。
私は、「司法臨床の展開~情状鑑定と裁判員裁判」のワークショップに、臨床心理士の先生方と一緒に登壇して、情状心理鑑定を依頼した殺人事件の裁判員裁判について報告しました。
刑事裁判では行為と結果が刑罰を決める大きな要素ですが、裁判員は、それらに加えて被告人の更正可能性、再犯可能性といった「人」にも注目しているのではないか?
そうであれば、被告人を凄惨な事件を起こしたモンスターのままにしておいたのではどんどん重罰化してしまう。
それを避けるためには、どんなに理解困難な事件であっても、被告人の人間性を解き明かす努力をし、被告人もまた普通の人と同じように理解できる「人」であることを示さなければならない。
そのために、情状心理鑑定が裁判では重要になってくるといった話をしました。
もっとも、情状心理鑑定の結果が必ずしも被告人に有利に 働くとは限らず、また、
被告人の内面を公の法廷で暴露してしまうきわめて侵襲的な行為であって、被告人が望まない場合もあり得るので、弁護活動としては難しい面もあると問題提起しました。
はじめて、「学会」というものに参加させていただき、いろいろな研究者の皆さんの発表も聴かせていただきました。
目の前の事件処理という現実に追われてばかりいる身には、アカデミックな雰囲気がとてもうらやましくなりました。
会場の武蔵野美術大学です。
JR国分寺駅からバスで20分と、少し不便ですが、緑のたくさんある環境のいい場所にあります。
周囲には津田塾大学や創価大学などたくさんの大学がありました。
美大らしく、キャンパス内には、図書館とともに美術館もありました。