弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
弁護士の活動、日々感じたことを弁護士目線でレポートします
弁護士をもっと身近に・・・

私たちの幸せな時間 ~死刑廃止を考える日~

2012-10-16 00:35:06 | インポート

20121015

   

8月から委員になった日弁連の死刑廃止検討委員会の会議に出席し、
夕方からのシンポジウム「死刑廃止を考える日」に参加してきました。

このシンポでは、韓国の映画「私たちの幸せな時間」(2006年韓国)が上映されました。

見終わって、しばらく席から動けませんでした。

胸を締め付けられるということを初めて経験しました。

ビデオも出ているようですので、ぜひ、多くの方に観ていただきたい映画です。
(映画の内容については、下に詳しく書いています。)

      

2

映画上映に続いて死刑廃止検討委員会の加毛委員長から日弁連の死刑制度に対する見解が説明された後、
真宗大谷派僧侶の玉光順正氏から「死刑の廃止は新しい国創り」と題する講演がありました。

被害者に対する善意が加害者に対する悪意になる。
悪人に対しては何をしてもいいという思いになっている、
裁く文化、赦さない文化になっている社会の問題が指摘されました。

そして、「みんな」になるな、「一人」になれと、自分で考えることの必要性が説かれました。

   

   

「私たちの幸せな時間」  

Photo

韓国で多くの文学賞を受賞しているベストセラー女流作家コン・ジヨンの同名小説の映画化。主演は、『オオカミの誘惑』のカン・ドンウォンと、『英語完全征服』のイ・ナヨン。
監督は『パイラン』で青龍映画賞 監督賞、『力道山』で大鐘賞 監督賞を受賞したソン・ヘソンの4作目の作品で韓国での観客動員は300万人!

公開時に韓国歴代恋愛映画観客動員数ナンバーワンを記録した話題作です。

登場するのは、死刑囚と自殺願望のある女性。
人に言えない悲しい過去を持ち、生きる望みを失っていた二人が出会い、つかの間の幸せな時間を過ごす様を、繊細に描かれています。
主人公を演じる二人の美しさを存分に生かしながらも重いテーマを扱い、「生きることとは、人を信じることとは」という問いを見る人たちに投げかけます。

【ストーリー】

3回目の自殺に失敗した元歌手ユジョンは、叔母であるシスターモニカの誘いで、三人の女性を殺して死刑囚になったユンスと毎週木曜に面会することになる。

一日も早い死刑執行を望むユンスに、自分に似たものを感じたユジョン。
ユンスもまた、棘のある言葉ばかりを投げつけるユジョンに、自分に似たものを感じていた。

裕福な家で育ったユジョンと孤児のユンス。

全く違う人生を送って来た二人だったが、面会を繰り返すうちに互いを思いやるようになり、心の奥に秘 めていた深い傷を癒しあえる存在となる。

生きていればまたあえる。二人は生きることを大切に思うようになるが、刑は執る。

同映画のHPからの引用です。  http://www.shiawasenajikan.jp/ 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自分の家族が殺されても死刑廃止と言えるのか!と... (辻孝司)
2012-10-16 08:46:38
自分の家族が殺されても死刑廃止と言えるのか!と死刑を存置すべきという人は問います。
しかし、愛する人を殺されたときに犯人を殺してやりたいと思うこととと、刑事司法制度として死刑制度をおいておくこととは全く別の問題として考えるべきです。
死刑制度には冤罪の問題があるからです。無実であるのに死刑になってしまう人、本当は死刑以外の刑がふさわしいのに死刑になってしまう人がいて、裁判が人間がやるものである以上、こういう間違いをゼロにすることはできません。
家族が殺されたときに、「犯人を死刑にします。その代わり、本当は死刑になるべきでない人が何人か死刑で死ぬことになります。」という選択肢と、「犯人は死刑にはできません。その代わり、本当は死刑になるべきでない人が死刑で死ぬことは絶対にありません。」という選択肢のどちらを選ぶのかということになれば、前者を選ぶ人はほとんどいないと思います。
惨たらしい事件を起こした犯人を憎む気持ちは間違っていません。しかし、EUをはじめとする多くの先進国では、その気持ちを乗り越えて、死刑制度を廃止しています。私たちも乗り越えることができるはず。
返信する
親しい友人に「死刑は廃止した方がいいと思う」と... (seiko)
2012-10-16 01:30:45
親しい友人に「死刑は廃止した方がいいと思う」と言うと、「あなたの家族が何かされてもか」と問われました。難しい問題です。私は素人なので、余計に難しい。でも、やはり思うのです。どんな理由があっても、人が人のいのちをその人の人生を断ってもいいんだろうか。ちょうど長女が刑法のゼミにいて、長男も法学部なのでどう思うのかな?と、聞いてみました。即座に廃止するべきと返ってきました。ほっとしました。いくら考えても、私にはとても野蛮なことにしか思えません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。