日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

風のまま 芙蓉の花の ひろがりて

2024年08月25日 | 夏の花


暑い日が続いておりますが、ツクツクボウシの鳴き声が聞こえるようになり、
厳しい暑さが少しずつでもおさまってくれることを願っています。

週に1回〜2回ほどのペースで友人の畑へお手伝いに行っておりまして・・・
夏の時季は10時過ぎには危険な暑さになってしまいますので、
早朝の7時ごろに自転車で畑へ向かっています。

畑の近くのお宅の前に大きな芙蓉(ふよう)の木がございまして・・・
いつも綺麗な花が咲いています♡

「風のまま 芙蓉の花の ひろがりて」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「後藤 夜半(ごとう やはん)」が詠んだ句です。

◎芙蓉(ふよう)の花→夏の季語

芙蓉の花は、早朝に咲いて夕方に萎んでしまう一日花ですので、
美しい花姿にいつも見惚れています♡

畑で育てている真っ白なオクラの花も、ほんとうに綺麗です。
朝の涼しい風の中で、心地よさそうに咲いている花々を見つけますと、
とても嬉しくなりますね♡
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向日葵の 空かがやけり 波の群

2024年08月10日 | 夏の花


残暑お見舞い申し上げます。
連日にわたり厳しい暑さが続いていますね。
くれぐれもご自愛くださいね♡

先日、ひまわり畑で仲良く肩を組んで、笑顔いっぱいの甥っ子と姪っ子の画像が届きました。
夏休みに家族で石川県へ旅行に行っていて・・・
綺麗な向日葵の群生を見つけたそうです♡

「向日葵の 空かがやけり 波の群」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「水原 秋桜子(みずはら しゅうおうし)」が詠んだ句です。

◎向日葵(ひまわり)→夏の季語

夏空に輝くように咲いている向日葵たちは、ほんとうに綺麗ですね。
厳しい暑さの中で、太陽の方を向いて凛として咲く姿に、
ひたむきな強さを感じます。
一夏毎に逞しく成長する二人のことを応援してくれているようですね♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
この度の地震により被害にあわれた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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ふいと来て 見るもうれしや 蓮の花

2024年07月17日 | 夏の花


電車とバスを乗り継いで30分ほどの場所に大きな蓮池のある公園がございまして、
公園のホームページには、
“先月から蓮(はす)の花が咲きはじめ、毎日新しいお花が咲き続けています。”と掲載されていました。

一昨日も朝から雨がふったりやんだりのお天気でしたが、
9時過ぎに雨があがりましたので、急に思い立って公園へ向かいました。

蓮の花が開花するのは早朝で、午前7時〜9時ごろには満開となり・・・
お昼頃には花が閉じてしまいます。

早朝から雨がふっていましたので、
満開の時間が少しでも遅れてくれることを期待しながら、
10時過ぎに公園の蓮池に到着しました。

「ふいと来て 見るもうれしや 蓮の花」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

◎ふいと→思いがけず。突然。急に。ふと。
◎蓮の花(はすのはな)→夏の季語

今年も開花が早く、咲いている花の数は少なかったのですが、
偶然にもベンチの前に待ってくれていたかのような大きくて美しい花が咲いていました。

蓮の花は、ほんとうに美しいですね♡
仏教とも深い関わりがありますね。
先日、京都でお義母さんの一周忌と新盆の法要を無事に終えることができまして・・・
ベンチに座って皆んなの笑顔を思い浮かべながら、風にゆれる美しい花たちに癒されました♡
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和を以て 桔梗の五瓣 ととのへり

2024年07月09日 | 夏の花


7月に入り、連日厳しい暑さが続いております。
くれぐれもご無理をなされませんよう、お体に気をつけてお過ごしくださいね♡

小庭では桔梗が咲きはじめました。
今年は記録的な猛暑日が続き心配しておりましたが、
ふたつの花が仲良く咲きそろいまして・・・
可愛らしい花姿に癒されております♡

「和を以て 桔梗の五瓣 ととのへり」

昭和時代から平成時代にかけて活躍された俳人「丸山 海道(まるやま かいどう)」が詠んだ句です。

◎和を以て(わをもって)→仲良くすること

◎五瓣(ごべん)→5つの花びら

“和を以て”といえば・・・
聖徳太子の十七条の憲法の第一条に記されております、
「和をもって貴し(尊し)と為す」いう言葉が知られていますね。

“何事を行うにも人々が仲良く和合してゆくことが大切である”
もうすぐパリオリンピックがはじまりますが、
先日、戦争で悲しい表情をされていた選手の皆さんの姿に心が痛みました。

悲しい戦争が一日でも早く終わりますように・・・
きっと世界中の方々が平和を願い続けていらっしゃることと思います♡
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そよ風に 雲の匂ひや 夏薊

2024年06月28日 | 夏の花


今日は雨の一日ですね。
昨日までは暑い日が続いておりましので、少しほっとしています。

3月下旬ごろから友人の畑へお手伝いに行っておりまして・・・
お手伝いと言いましても、ほとんど役には立っていないのですが、
自転車で約30分ほどの場所に畑が広がっています。

畑には週1回ほどのペースで行っておりまして・・・
先日、道端に背丈が1m近くある大きな薊(あざみ)を見つけました。
とても大きな薊で、たくさんの蕾をつけて気持ち良さそうに咲いていました♡

「そよ風に 雲の匂ひや 夏薊」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「佐野 青陽人(さの せいようじん)」が詠んだ句です。

◎夏薊(なつあざみ)→初夏から夏の間に花を咲かせる薊・夏の季語

自転車でアップダウンのある山道を通って畑へ行っているのですが、
我が家の自転車は、変速機能がない普通の自転車で・・・
上り坂では自転車を引いて歩いています。

今月から気温が高く暑い日が続いておりましたので、
畑作業を終えた後は汗びっしょりで・・・
帰りの上り坂は大変なのですが、
山道ですので木陰を歩いておりますと、時々涼しい風が通り抜けます。
道端には紫陽花や薊などの初夏の花々が咲いておりまして・・・
季節の花々と採れたて野菜に元気をもらっています♡
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沙羅の花 見んと一途に 来たりけり

2024年06月11日 | 夏の花


6月に入り暑い日が多くなってきましたね。
こまめな水分補給を心がけながら体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

三重県より素敵な画像とメッセージが届きました♡
“今朝、玄関を開けると沙羅(しゃら)の木の花(夏椿)が咲いていました。
毎年咲くのを楽しみにしているので、朝から嬉しくなりました。”

「沙羅の花 見んと一途に 来たりけり」

昭和時代に活躍された女流俳人「柴田 白葉女(しばた はくようじょ)」が詠んだ句です。

◎沙羅の花(しゃらのはな・さらのはな) → 日本では夏椿(なつつばき)・ 夏の季語

沙羅の花(夏椿)は、朝に咲いて夜に散る・・・
たった一日だけの “無常の花” として古くから愛でられています。

清楚な白い花には気品があり、
“はかない美しさ” に多くの人々が魅了され続けていますね♡
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紫陽花や 帷子時の 薄浅黄

2024年05月23日 | 夏の花


小庭の紫陽花(あじさい)が色づきはじめました。
四季咲きの紫陽花を小さな苗から育てて6年目になります。

昨年は樹高を低くする剪定にチャレンジしておりまして・・・
無事に花芽がでてくれるか心配しておりましたが、
樹高もなんとか1m弱くらいで花が咲いてくれました♡

「紫陽花や 帷子時の 薄浅黄」

江戸時代を代表する俳人「松尾 芭蕉(まつお ばしょう)」が詠んだ句です。

◎帷子(かたびら)→夏用の衣
 帷子時(かたびらとき)→帷子を着る季節

◎薄浅黄(うすあさぎ)→浅黄色を薄くしたような淡い黄色
 浅黄色(あさぎいろ)→薄い黄色

芭蕉は、薄浅黄色の夏衣を着ていたのですね♡
“あさぎいろ” には「浅黄色」と「浅葱色」の二つの色があります。
それぞれの色は全く違う色です。

<浅黄色>:薄い黄色
黄色は、苅安(かりやす)という草、黄蘗(きはだ)という木の皮、クチナシの実など、
今でいう “草木染め” で染められていました。

<浅葱色>:ごく薄い藍色
浅葱色は、藍(あい)で染めた時の薄い藍色。
薄い葱(ねぎ)の色にも似ていることから浅葱色と呼ばれるようになりました。

二つの “あさぎいろ” は、平安時代から使われていた色名です。
江戸時代よりも遥かに色をつくることが難しかった時代・・・
色に対する想いは、とても深かったことと思われます。

平安貴族の女性たちの正装とされていた十二単(じゅうにひとえ)など・・・
衣装でも繊細な色の変化を楽しまれていました。
源氏物語の登場人物たちも、美しい十二単や狩衣(かりぎぬ)を身にまとっていますね♡
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芍薬や 棚に古りける 薬箱

2024年05月13日 | 夏の花


昨日は母の日でしたね♡
小庭では日本芍薬(にほんしゃくやく)が満開を迎えました。
いつも母の日のころに綺麗に咲いてくれます。
球根から育てて七年目になります。

今年は5月に入ってから白と薄いピンクが咲きはじめまして・・・
その後、濃いピンクが咲きはじめ、一昨日に満開となりました。

「芍薬や 棚に古りける 薬箱」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「水原 秋桜子(みずはら しゅうおうし)」が詠んだ句です。

◎芍薬(しゃくやく)→夏の季語

芍薬の花は、開花から三日程度で花が終わります。
我が家の日本芍薬は、花が終わりに近づくにつれて薬のような香りがします。

芍薬は、古くから薬草としても活用されておりまして、
現在も漢方薬に使用されているとのことから、
なんとなく漢方薬の匂いに似ているようにも思います。

この句を詠まれた水原 秋桜子は、
名前に秋桜(コスモス)の花の名前が入っておりますが、男性の俳人です。
本業は産婦人科医で、ご実家の病院が皇室御用達の産科であったことから、
秋桜子もたくさんの皇室の赤ちゃんを取りあげられていたそうです。

芍薬は、昔から漢方薬として極めて重要な植物とされておりましたので、
医師としても大切にされていた植物の一つだったことと思います。

また、「ホトトギス四S(シイエス)」の一人としても知られています。
ホトトギス四Sとは、水原 秋桜子、山口 誓子(やまぐち せいし)、
阿波野 青畝(あわの せいほ)、高野 素十(たかの すじゅう)の四人ことで、
共通のイニシャルをとって四Sと呼ばれていたそうです。
ちなみに四人とも男性の俳人です。

当時、俳句雑誌「ホトトギス」の黄金時代を築いていた四Sの方々が詠まれた俳句は、
現在もたくさんのファンの方々に愛され続けています♡
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風さけて 入り日涼しき 菖蒲の日

2024年04月27日 | 夏の花


もうすぐ端午の節句ですね。
先々月に陶器の雛人形の画像を送っていただいた方より、
素敵な画像が届きました♡

とても可愛らしい陶器の五月人形ですね。
“鯉のぼり”と “お道具”も、とても可愛いですね♡

「風さけて 入り日涼しき 菖蒲の日」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

◎入り日(いりひ)→沈みゆく太陽・夕日・落日
◎菖蒲(あやめ)の日→端午(たんご)の節句の別名・夏の季語

端午の節句は五節句のうちの一つになります。
端=はじめ、五月最初の午(うま)の日=午(ご)と五(ご)の文字の音が同じということから、
奈良時代以降、5月5日が “端午の節句” として定着してゆきました。

江戸時代には、菖蒲(しょうぶ)=武士を重んじる=尚武(しょうぶ)の節句として、
武家の間で盛んに祝われるようになります。
家の後継ぎとして生まれた男の子が無事成長してゆくことを祈念し、
一族の繁栄を願う重要な行事となり・・・
端午の節句=男の子のための節句として定着してゆきました。

また、“菖蒲(しょうぶ)の湯” に入ることから “菖蒲(しょうぶ)の節句” という別名もあります。
ちなみに菖蒲湯の菖蒲は、花を咲かせる花菖蒲(はなしょうぶ)とは異なる植物になります。

◎葉に香りのある菖蒲=葉菖蒲=サトイモ科の植物
◎花菖蒲=アヤメ科の植物=端午の節句の頃に咲く花

現在では “こどもの日”=子供たちの成長を祝う日として定着していますね。
爽やかな香りの菖蒲湯には、リラックス作用・血行促進の効能があるそうです♡

近所の公園には、美しい菖蒲(あやめ)の花が咲いていました。
これから色とりどりの花菖蒲も見頃を迎えますね♡
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白さるすべり 風に膨らむ 夕まぐれ

2023年08月20日 | 夏の花


残暑お見舞い申し上げます。
お盆を過ぎましたが、連日にわたり厳しい暑さが続いています。
くれぐれもご無理をなされませんよう、お身体に気をつけてお過ごしくださいね♡

夕方に自転車で走行しておりましたら、道沿いに “白さるすべり”が咲いていました。
風にゆれて涼やかに咲く花姿に癒されました。

「白さるすべり 風に膨らむ 夕まぐれ」

昭和時代から平成時代に活躍された女流俳人「渡邉 千枝子(わたなべ ちえこ)」が詠んだ句です。

夏から秋にかけて(約百日)、ふんわりとした紅色の花を次々に咲かせることから、
漢字では「百日紅(さるすべり)」と書いて「ひゃくじつこう」とも呼ばれています。

俳句の季語では、白色の花は「百日白(ひゃくじつはく)」というそうです。

暑い夏の盛りに美しく咲く百日紅と百日白・・・
江戸時代に中国から伝来し、当時は神社や寺院などに多く植えられていたそうです。
現在は街路樹などとして親しまれていますね。

大きな樹木の下は、夏の日ざしを避ける木陰ををつくってくれます。
木陰から見上げる夏空と、ふんわりとした美しい花々・・・
毎年楽しみにしている夏の風景です♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
台風7号により被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。
皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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