日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

その中に 小さき神や 壺すみれ

2022年04月12日 | 春の花


関東地方では、一昨日から季節外れの暑い日が続いています。
台風の影響もあるようですが、数日前との寒暖差がほんとうに大きくて・・・
季節の変わり目ですので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね♡

画像は、一昨年前から試行錯誤しながら育てている菫(すみれ)です。
ホームセンターで80円ほどで販売されておりまして・・・
はじめは小庭の片隅に植えて育てていたのですが、
新芽を虫にほとんど食べられてしまい、昨年は花が咲きませんでした。

その後、秋に植木鉢へ植替えをしてからは、
葉っぱを食べられることもなくなり、無事に冬越しをしました。

品種のタグには、「すみれ」とだけ記されておりまして・・・
葉っぱの形を調べて花姿をあれこれと想像したりしながら、大切に育てていました。

4月に入ってから、はじめて一つだけ花が咲きました♡
薄紫色の花びらのグラデーションがとても綺麗で、その後も次々と順調に咲いてくれて・・・
可愛らしい花姿に日々癒されております。

葉っぱの形や花の様子から、古くから日本に自生している「本菫(ほんすみれ)」、
「有明菫(ありあけすみれ)」、「野路菫(のじすみれ)」の何れかのようです。

また、葉の形がスペード型の菫では、
「立壺菫(たちつぼすみれ)」、「匂立壺菫(においたちつぼすみれ)」、「曙菫(あけぼのすみれ)」、
「大葉黄菫(おおばきすみれ)」が古くから自生している品種として知られているようです。

「その中に 小さき神や 壺すみれ」

明治時代から昭和時代初期に活躍された俳人・小説家「高浜 虚子(たかはま きょし) 」が詠んだ句です。

◎壺(つぼ)→草木を植え込んだ庭
◎壺すみれ(つぼすみれ) →壺(庭)に生える菫の総称・ 春の季語

菫は、日本最古の和歌集「万葉集」をはじめ、昔の書物にも数多く登場しており、
古くから多くの俳人、歌人に愛されてきました。

平安時代の菫は、現在の菫よりも濃い紫色だったようです。
当時、紫色は高貴な色とされておりましたので、
小さいながらも美しい花を咲かせる菫は、
特別な存在の花として親しまれていたことと思います♡
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見ぬものを 見るより嬉し さくら花

2022年04月02日 | 春の花


4月になりました。
先週は五分咲きほどだった染井吉野(ソメイヨシノ)も、あっという間に満開になりました。
関東地方では、昨日から寒い日が続いておりまして・・・
もうしばらく満開の桜を楽しめそうです。
寒暖の差が大きい時季ですので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね♡

「見ぬものを 見るより嬉し さくら花」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

千代女さんは、52歳の頃に仏門に入り、
法名は「素園」と号され、「千代尼(ちよに)」と呼ばれるようになります。
この句は、千代尼になられて詠まれた句として親しまれています。

見たこともないものを見るよりも・・・
毎年のことですが、待ちどおしくしている桜の花を見るのが、
私には嬉しいのです・・・

江戸時代の人々が、美しい桜の花を見るのを心待ちにされていた様子が伝わってきますね♡
今の私たちも、毎年桜の開花をとても楽しみにしていますね。

楽しみと言えば、江戸時代には道中を巡る「双六(すごろく)」が大流行していたそうです。
江戸中の桜の名所を巡る江戸花見双六は、
日本橋をスタートし、江戸中の桜の名所を巡りながらコマを進めて・・・
最後は日本橋に戻って上がりになります。
各コマには、桜の名所の風景が描かれており、桜の種類も書かれていたそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする